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三日所長
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〈周囲を、煉瓦のようなもので一面覆われた壁面に囲まれた、大きな屋内施設の中〉
皆さん、こんにちは!
毎度お馴染み、竜チューバーの~ぉ
〈効果音とともにポーズを決め、豪快にファイヤーブレスを放つアズナ〉
アズナ!
で~す!
みなさん見ました見ました!?
アズナはついにファイヤーブレスを会得しましたよ!
今日も生配信でお送りしま~す!
さて今日は、ここ、地元消防署の防災研究施設にお邪魔してます。
この部屋の壁は全て特殊な耐火煉瓦でできていて、多少の炎や爆発では壊れないようになっているそうです。
実は、先日の配信を見かねたここの所長さんの協力で、この施設を借りてファイヤーブレスの練習をさせていただく事ができたんです。
というわけで、今日の配信はその所長さんへの感謝を込めまして、この施設の紹介をしたいと思います。
早速ですが、ここの所長さんのウマノユウコさんにお出でいただいてます。
〈カメラがパンし、制服を着て直立不動のウマノユウコを撮す。ウマノユウコはぴしりと敬礼する。〉
「ただいまご紹介にあずかりました、地元消防署・防災研究部の部長、ウマノユウコです。」
えっと、所長さんではないのですか?
「施設の私的利用により、降格となりました。」
〈と、無表情で答えるウマノユウコ〉
…。
…えと、…あの、…その私的利用って、ひょっとしてアズナがファイヤーブレスの練習をさせていただいてた事…だったり、します?
「…。…ノーコメントという事で、お願いします。」
〈一気に気まずくなる二人〉
ところでウマノ部長は、
「ユウコです。」
はい?
「ユウコが苗字ですので、ユウコ部長とおよびください。」
(てっきりウマノが苗字だと思ってたのに)
そ、そうですか。め、珍しいお名前ですね、ユウコ部長。
「はい。自分もそう思います。」
で、では早速施設の案内をしていただきたいと思います、ユウコ部長。
「生憎ですが、本日お見せできるのはこの部屋だけです…。」
〈突然うなだれるウマノユウコ〉
「…ち、力不足で申し訳ありません。」
い、いえいえ、アズナはユウコ部長に、とっても感謝してますよ。おかげで、芸の幅も広がりました。
「ああっ。アズナさんにそう言っていただけると、身も心も救われますっ!」
き、気を取り直して、この部屋を見てみましょう。
大きい部屋ですね。天井があんなに高いところにありますよ。
入り口のドアもとっても頑丈そうです。
この施設は、普段、どのような用途に使われるのですか?
「…お、主に、アズナさんのファイヤーブレスの練習にお使いいただいております。」
…はい?
「アズナさんに心置きなくファイヤーブレスを放っていただくために、所長の権限で新たに建設しました。」
あの、えっとぉ…
一応確認ですけど、ここって地元の公的な施設で、地元市民の税金で運営されているんですよね。
「はいっ!アズナさんは地元のアイドルですのでっ!」
(重いっ!重いよっ!支えきれないよっ!)
じゃ、じゃあ、これからは地元のお祭りなどにも積極的に参加して、ファイヤーブレスを市民のみなさんに披露しないとですね、ははは。
「はいっ!是非にもお願いいたしますっ!」
…アズナも、配信の収益からこの施設に寄付しますから、建設費のたしにしてくださいねー
〈と、小声で棒読みするアズナ〉
「…助かります」
〈と、小声で答えるウマノユウコ〉
お後がよろしいようで。
皆さん、こんにちは!
毎度お馴染み、竜チューバーの~ぉ
〈効果音とともにポーズを決め、豪快にファイヤーブレスを放つアズナ〉
アズナ!
で~す!
みなさん見ました見ました!?
アズナはついにファイヤーブレスを会得しましたよ!
今日も生配信でお送りしま~す!
さて今日は、ここ、地元消防署の防災研究施設にお邪魔してます。
この部屋の壁は全て特殊な耐火煉瓦でできていて、多少の炎や爆発では壊れないようになっているそうです。
実は、先日の配信を見かねたここの所長さんの協力で、この施設を借りてファイヤーブレスの練習をさせていただく事ができたんです。
というわけで、今日の配信はその所長さんへの感謝を込めまして、この施設の紹介をしたいと思います。
早速ですが、ここの所長さんのウマノユウコさんにお出でいただいてます。
〈カメラがパンし、制服を着て直立不動のウマノユウコを撮す。ウマノユウコはぴしりと敬礼する。〉
「ただいまご紹介にあずかりました、地元消防署・防災研究部の部長、ウマノユウコです。」
えっと、所長さんではないのですか?
「施設の私的利用により、降格となりました。」
〈と、無表情で答えるウマノユウコ〉
…。
…えと、…あの、…その私的利用って、ひょっとしてアズナがファイヤーブレスの練習をさせていただいてた事…だったり、します?
「…。…ノーコメントという事で、お願いします。」
〈一気に気まずくなる二人〉
ところでウマノ部長は、
「ユウコです。」
はい?
「ユウコが苗字ですので、ユウコ部長とおよびください。」
(てっきりウマノが苗字だと思ってたのに)
そ、そうですか。め、珍しいお名前ですね、ユウコ部長。
「はい。自分もそう思います。」
で、では早速施設の案内をしていただきたいと思います、ユウコ部長。
「生憎ですが、本日お見せできるのはこの部屋だけです…。」
〈突然うなだれるウマノユウコ〉
「…ち、力不足で申し訳ありません。」
い、いえいえ、アズナはユウコ部長に、とっても感謝してますよ。おかげで、芸の幅も広がりました。
「ああっ。アズナさんにそう言っていただけると、身も心も救われますっ!」
き、気を取り直して、この部屋を見てみましょう。
大きい部屋ですね。天井があんなに高いところにありますよ。
入り口のドアもとっても頑丈そうです。
この施設は、普段、どのような用途に使われるのですか?
「…お、主に、アズナさんのファイヤーブレスの練習にお使いいただいております。」
…はい?
「アズナさんに心置きなくファイヤーブレスを放っていただくために、所長の権限で新たに建設しました。」
あの、えっとぉ…
一応確認ですけど、ここって地元の公的な施設で、地元市民の税金で運営されているんですよね。
「はいっ!アズナさんは地元のアイドルですのでっ!」
(重いっ!重いよっ!支えきれないよっ!)
じゃ、じゃあ、これからは地元のお祭りなどにも積極的に参加して、ファイヤーブレスを市民のみなさんに披露しないとですね、ははは。
「はいっ!是非にもお願いいたしますっ!」
…アズナも、配信の収益からこの施設に寄付しますから、建設費のたしにしてくださいねー
〈と、小声で棒読みするアズナ〉
「…助かります」
〈と、小声で答えるウマノユウコ〉
お後がよろしいようで。
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