地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

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第七章

7-10 チートな錬成と調査

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 本来なら電気分解などが必要だとは思うが、テンプレのようなチート魔法だから説明が難しい。
スピネルにしっかりとした事を教えたいのは山々なのだが、配分などはスピネルに任せよう。

「主様、もしかして煮詰める前の灰と岩塩を入れる際、何かしていらっしゃるのですか?」
「ん、あ、これね。これはこんなもんかな?と思って入れているだけだけど…。」
「その量を教えてください!」

 あ、そうか、俺が適当に目分量で測っているものを測れば分かると…。
頭いいね。スピネル、さすがだよ!
あ、もしかして調合魔法ってスキルの事かもしれないな…などと考えながら黙々と沈殿したものを乾燥させ、白い粉を作っていく。

「主様、大量の白い粉が出来上がりましたが…。」
「お、おう!んじゃ、次の工程に行こうか。って、スピネル、錬成の魔法覚えてるぞ。」
「え、あ、本当です!嬉しいです。」

 スピネルが抱き着いてくる。
うん、可愛いね。
俺は軽くキスをして、次の工程に入る。

「出来た重曹を加熱します…。はい、OKです。
次に、さっき石灰石から分解して取り出しておいた消石灰と水を混ぜたものを加え、もう一度火にかけます。」
「はい。」
「それが出来上がったものが、これ“苛性ソーダ”です。」
「はい…。」
「んで、これを油と混ぜてコネていき、マヨネーゼくらいになったら、この箱に入れます。」
「はい……。」
「んで、これを数週間冷却するんだけど、時間が無いから熟成魔法をかける、っと。
 それで出来たのが石鹸の元です。」
「はいぃ…????
 お館様、全く分かりません。」

 そうだよね。俺も分かんない。

「まぁ、これが一般的に作られる工程なんだ。
 でも、スピネルや俺は錬成魔法ができるから、原料とイメージさえ浮かべば出来てしまうんだよ。
あ、ただし、重曹は重曹として使えるから、石鹸を作る工程では2段階の魔法をかけていくと良いと思う。これまでスピネルが見てもらったのはイメージを固定させるためだ。
 イメージを持つことが大切なんだよ。
 一度やってみて。」

 スピネルは、首をかしげながら、あれがこうで…こうなって…ああなって…と復習しトライしてみる。

「主様、なんかドロドロのものしかできません。」
「あ、そうか、熟成魔法を教えてなかったね。
熟成っていうのは、1本のワインがあるでしょ。このワインだけど今年作ったワインと5年寝かしたワインだと、どっちがコクがあると思う。」
「はい!ワインを飲んだことがないので分かりません。」
「はい…。すみませんでした。」

スピネルさんはお子ちゃま? え!成人してるよね??

「スピネル、すまんけど、成人はしてる…よね。」
「はい。大丈夫ですよ。」

 いろんな意味でよかった…。じゃ、ソースで代用しますか。
ソースをアイテムボックスから取り出し、少し指につけてスピネルに向ける。

「んじゃ、ここにソースがあります。舐めてみて。」
「はい。」

チュパチュパと俺の指を吸うが、そこまでソースはついてないよ…。

「あの…、スピネルさん…」
「は!すみません。美味しかったもので…。その…主様の指が…。」
「こほん…、それは後からです。」
「すみません…。」
「で、このソースに熟成魔法をかけます。熟成魔法というのは時間を経過させるというイメージです。
 そのイメージではソースだけを熟成させることが重要です。
 うし!今、熟成魔法をかけたんだけど、もう一度舐めてみて。」
「はい!………、あの…、主様の指に付けて舐めさせてくださると、分かると思います。」
「しょうがないですね…、今回だけですよ。はい、どうぞ。」
「えへへ、ありがとうございます。んー!主様の味がします!」

 あの…、ソースの話ですが…、決して指に熟成魔法はかけておりません。
指に熟成かけると、しわしわの爺さん指になりますよ…。
 
「で、味はどうでしたか?」
「はい!主様の味がして美味しかったです!」
「はい!不合格~!もう一度自分で感じてください。」

 そう、俺はスパルタなんだ!
成功すればヨシヨシとか、いい子いい子とか頭を撫でてあげる事なんて…、
やってしまっています…。ハイ。

「これが熟成魔法ね。」
「分かりました。」
「んじゃ、このマヨネーゼのような状態のものに熟成をかけるんだけど、今回は少しハーブとか蜂蜜を入れてみようか。そうすることで、匂いも良くなるし、ハーブと蜂蜜の効果もあって、肌がつやつやになるからね。」
「はい!では、香り付けでこの草のエキスを入れます。これには蜂蜜を入れて熟成します。えい!」

 おぉ、まだ少し柔らかいけど、大まかには出来ている。
恐らく泡立ちは悪いとは思うが、これで石鹸はOKだ。

「できました…よね…。」
「あぁ、できているよ。よかったなスピネル。これで調合はともかく、錬成と熟成魔法が使えるようになったはずだ。」
「はい…。主様、ありがどーごじゃいまず…ズズ」
「こりゃ、鼻水を袖で拭かない。マナは問題ないか。」
「はい! あ、いいえ。フラフラします。」
「え、本当か!それじゃ部屋に運んで少し寝てると良いぞ。」
「主様、お願いです。部屋まで連れて行ってくださいませんか…。」
「分かった。俺につかまってな。」

 俺は、スピネルをお姫様抱っこして3階の部屋まで駆け上がる。
彼女ははぁはぁと息遣いが荒く、顔も赤らんでいる。
マナ不足だと青白くなるんだが、竜人族は逆なのかと思い、部屋に入りベッドに横たえる…、横たえる…、ん?何故に離れない?

「スピネル、ベッドに着いたからもう手を離してもいいぞ。」
「えへへ、イヤです。主様の匂いをずっと嗅いでいたんです。」

 スピネルさん…、さっきのマナ不足ってのは…。
俺の首筋でクンカクンカしているスピネルさん…、時より首筋にチロチロと舌を這わせている。
さては諮ったな…。


『謀ったな!シャアーーーー!』


 なんて会話は無く、数分後には誘惑に勝てなかった俺が居た…。
はい。
今回は少し焦らして、マナ不足ではなく腰が立たないくらいに満足させてあげましたよっと。
これでマナ不足によって倒れたことと同じになる…、と思うが、女性陣は勘づくだろうな…。
これからは自重しよう…。

 スピネルを寝かしつけた後、ナズナが帰って来た。

「お館様、ただいま戻りました。」
「お帰り、ナズナ。大変だったね。」

 ナズナの報告を聞き、契約書案を見せて貰う。
ふむふむ、内容は秘匿情報については契約紋様にて執り行うこととし、契約が解除となった時には紋様を消すこと。その際知り得た情報は記憶から消えること。
書類などは業務として残すことは良いが持ち出しは厳禁。
使う資機材は俺が渡すこと。所有権は俺。なるほど。

「ナズナ、もし途中で契約を変更したい時や、解除する時はどうするんだ?」
「いえ、そんな事は許されません。」
「え?許されないとすると、その人はどうなるの。」
「私が始末します。」
「あ、それ、だめね。ちゃんと契約条項に入れて。
うーんと、まだいろいろと問題はあると思うから、この文面に定められていない事項については、お互いで協議して決めるって事で。」
「私が始末してはいけないですか。」
「いけません。それと契約期間は1年だけど、延長も有り得るという事も書いておいて。」
「これ以上、お館様に女性を近寄らせることは危険だと…。」
「いや、しませんし!それにアイナさんですから。」
「身近に敵がいるのですね。」
「敵ではないですからね。雇用者ですよ。」

 ナズナさん、フンスカしていますが安心してください。

「んじゃ、その条項を追加したものを、ディートリヒに清書してもらおう。ご苦労様。少し休んでね。」
「では、お館様の“お情け”を」
「そんな事ばかりしてたら、俺灰になります!」
「むー。では今回はキスだけで我慢します。」

 はい。ディープキスでした。
甘美なものでしたよ…。ナズナさんも腰がガクガクしてました。

 俺、あと2人帰って来ても同じことするのかね?
少し青ざめてきました…
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