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遊里のキスは戯れにこすれたり甘く絡まったり、息継ぎの合間に微笑みあったり優しいものだった。
最初こそ乗り上げてきたけどすぐにころりと転がって、ベッドに横向きで抱き合った。圧迫感がないからすごく楽だ。
子供たちが遊んでいるようなキスなのに時々深く襲われてゾクゾクする。男らしさとかそういうのとは無縁な感じが新鮮だ。
「遊里って可愛いキスするな」
合間に言うと、にゅうっと目を細めて笑った。
「そんなこと言ってるとあっという間に食べられちゃうかもよ?」
「食べられるって、」
そこまで言って我に返った。
もしかして俺が食べられる方だったの?
遊里の三日月のような瞳を眺めてマジかあと覚悟を決める。さっきから体がフワフワとしていて夢見心地になっている。
どうでもいいやと半ば捨て鉢な気分だった。
ついリードしなきゃとか、男らしくしないととか考えていた彰仁と全く違うキス。
ついばむ触れ合いに心地よくなってうっとりしていればキュウっと吸われて持っていかれそうになる。かといって進むのかと思えばペロリと舐めて戯れに戻る。
こんなに長い間キスしていても飽きることがない。
もっと欲しくなって思わず舌を差し出すと、指で摘ままれてしまった。横を指先で擽られると甘い声が漏れた。
「欲しがりさんだなあ」
ベロリと舌全体に包まれて甘い唾液が滴った。
これ以上近づけないほど顔を寄せ合って深く絡まる。飲み込まれるかと思うほど奥まで絡まれて、自然に涙が浮いた。
「気持ちよくて泣きたくなったの?」
離れた二人の間に銀糸が引く。
「おかしいな。こんなに感じやすいのに何でイかないんだろう?」
遊里はキスする場所を変えながら彰仁の肌を味わった。
その度ビクリと震え反応する様は敏感そのもので、これでイかないとはどういうことだと自分でもよくわからなくなってしまった。
「それにしても彰仁さんの肌すっごく綺麗だよね。全部脱毛?」
胸や肩に手を這わせながら遊里は感心したような声をあげた。乳首の周りにも毛は生えず、ピンク色の先端がつんととがっている。
脇も脛もどこにも毛はなくツルツルスベスベだ。
「ああ、現役の時に、全部やった……から」
すこしでも水の抵抗を少なくするために毛はない方がいい。
口元に手を置きながら彰仁は答えた。
油断するとおかしな声が出てしまいそうだ。遊里は的確に気持ちよさだけを与えるような触れ方をする。まるで快感センサーでも搭載しているかのようだ。
「声我慢しなくていいよ。出たほうが気持ちよくなる」
「や、いい」
「なんで。聞きたい。聞かせてよ」
乳首を甘噛みしながら舌先でくすぐられると、下半身に結びつく回線がフル稼働するかのように繋がっていく。
「う、」
「気持ちいい? 可愛い」
「可愛くは、ないけど、気持ちいい」
「素直でいいなあ」
遊里は熱心に胸を愛でた。
細い舌で舐る様に刺激したりきつく吸いついたり。反対も指での刺激を忘れない。
ちゃんと快楽神経が結びついていくように丁寧に愛撫する。
「女の子にもこうやって触ってもらってる?」
「……や、そんなには。あまり気持ちいとも、思って……なか、ったし」
「違うよ。男だってちゃんと気持ちよくなる。でも、まあね、女の子とのセックスじゃだいたいしてあげなきゃだもんなあ」
慣れた手つきでわき腹を撫で上げながら遊里は頷いた。
「本当はセックスなんてフィフティフィフティなんだけどね。女の子だけを気持ちよくしてあげなきゃいけないなんて大きな間違いだ。男だって愛されたいし、こうやりたい女の子だっているはずなんだけど」
どうしても愛される方、施す方、となりがちだ。
「でも今は黙って愛されていてね。彰仁さんの身体を観察中だから」
そういって遊里は余すことなく彰仁の身体に触れた。
くすぐったがる場所も性感帯だからねとひとつひとつを探る様にマークしていく。その度おかしな感覚に陥って彰仁は身をよじった。
「こんなに誰かに触られたことなんかないぞ」
「そう? じゃあ今日はたくさんの初めて記念ってことで楽しんで」
はしたなくいきり立つ性器には触れず遊里は官能を高めていった。吐く息が熱い。
思わず声が漏れると嬉しそうに「もっと聞かせて」とせがまれた。
足の付け根を強く吸われるとビクリと身体が跳ねた。
舌先で股関節のくぼみを舐められて、こぷりと先端が濡れる。足を広げられて見られたくない場所を晒した時は羞恥でどうにかなってしまいそうになった。
「すごい、ここもきれいだ」
「やっ、見んな」
「なんで。見せてよ」
ふ、と息がかかった。
「すごいな。ツルツルだ」
「なんか、ノリで……V以外は全剃りしたっ、から」
友達と一緒に通った脱毛サロンでやってしまったのだ。VIOまでもを。前面だけは小さな形に整えてある。
何度も生えなくなるまで通ったから今も綺麗な形に整ったままだ。
「ふうん、なんか興奮すんね」
奥のすぼまりを突然舐められ彰仁は声をあげた。
こんな場所。いや、こうなったからにはソコを使うんだろうなあとチラっとは思ったけれどまさか舐められるとは。
最初こそ乗り上げてきたけどすぐにころりと転がって、ベッドに横向きで抱き合った。圧迫感がないからすごく楽だ。
子供たちが遊んでいるようなキスなのに時々深く襲われてゾクゾクする。男らしさとかそういうのとは無縁な感じが新鮮だ。
「遊里って可愛いキスするな」
合間に言うと、にゅうっと目を細めて笑った。
「そんなこと言ってるとあっという間に食べられちゃうかもよ?」
「食べられるって、」
そこまで言って我に返った。
もしかして俺が食べられる方だったの?
遊里の三日月のような瞳を眺めてマジかあと覚悟を決める。さっきから体がフワフワとしていて夢見心地になっている。
どうでもいいやと半ば捨て鉢な気分だった。
ついリードしなきゃとか、男らしくしないととか考えていた彰仁と全く違うキス。
ついばむ触れ合いに心地よくなってうっとりしていればキュウっと吸われて持っていかれそうになる。かといって進むのかと思えばペロリと舐めて戯れに戻る。
こんなに長い間キスしていても飽きることがない。
もっと欲しくなって思わず舌を差し出すと、指で摘ままれてしまった。横を指先で擽られると甘い声が漏れた。
「欲しがりさんだなあ」
ベロリと舌全体に包まれて甘い唾液が滴った。
これ以上近づけないほど顔を寄せ合って深く絡まる。飲み込まれるかと思うほど奥まで絡まれて、自然に涙が浮いた。
「気持ちよくて泣きたくなったの?」
離れた二人の間に銀糸が引く。
「おかしいな。こんなに感じやすいのに何でイかないんだろう?」
遊里はキスする場所を変えながら彰仁の肌を味わった。
その度ビクリと震え反応する様は敏感そのもので、これでイかないとはどういうことだと自分でもよくわからなくなってしまった。
「それにしても彰仁さんの肌すっごく綺麗だよね。全部脱毛?」
胸や肩に手を這わせながら遊里は感心したような声をあげた。乳首の周りにも毛は生えず、ピンク色の先端がつんととがっている。
脇も脛もどこにも毛はなくツルツルスベスベだ。
「ああ、現役の時に、全部やった……から」
すこしでも水の抵抗を少なくするために毛はない方がいい。
口元に手を置きながら彰仁は答えた。
油断するとおかしな声が出てしまいそうだ。遊里は的確に気持ちよさだけを与えるような触れ方をする。まるで快感センサーでも搭載しているかのようだ。
「声我慢しなくていいよ。出たほうが気持ちよくなる」
「や、いい」
「なんで。聞きたい。聞かせてよ」
乳首を甘噛みしながら舌先でくすぐられると、下半身に結びつく回線がフル稼働するかのように繋がっていく。
「う、」
「気持ちいい? 可愛い」
「可愛くは、ないけど、気持ちいい」
「素直でいいなあ」
遊里は熱心に胸を愛でた。
細い舌で舐る様に刺激したりきつく吸いついたり。反対も指での刺激を忘れない。
ちゃんと快楽神経が結びついていくように丁寧に愛撫する。
「女の子にもこうやって触ってもらってる?」
「……や、そんなには。あまり気持ちいとも、思って……なか、ったし」
「違うよ。男だってちゃんと気持ちよくなる。でも、まあね、女の子とのセックスじゃだいたいしてあげなきゃだもんなあ」
慣れた手つきでわき腹を撫で上げながら遊里は頷いた。
「本当はセックスなんてフィフティフィフティなんだけどね。女の子だけを気持ちよくしてあげなきゃいけないなんて大きな間違いだ。男だって愛されたいし、こうやりたい女の子だっているはずなんだけど」
どうしても愛される方、施す方、となりがちだ。
「でも今は黙って愛されていてね。彰仁さんの身体を観察中だから」
そういって遊里は余すことなく彰仁の身体に触れた。
くすぐったがる場所も性感帯だからねとひとつひとつを探る様にマークしていく。その度おかしな感覚に陥って彰仁は身をよじった。
「こんなに誰かに触られたことなんかないぞ」
「そう? じゃあ今日はたくさんの初めて記念ってことで楽しんで」
はしたなくいきり立つ性器には触れず遊里は官能を高めていった。吐く息が熱い。
思わず声が漏れると嬉しそうに「もっと聞かせて」とせがまれた。
足の付け根を強く吸われるとビクリと身体が跳ねた。
舌先で股関節のくぼみを舐められて、こぷりと先端が濡れる。足を広げられて見られたくない場所を晒した時は羞恥でどうにかなってしまいそうになった。
「すごい、ここもきれいだ」
「やっ、見んな」
「なんで。見せてよ」
ふ、と息がかかった。
「すごいな。ツルツルだ」
「なんか、ノリで……V以外は全剃りしたっ、から」
友達と一緒に通った脱毛サロンでやってしまったのだ。VIOまでもを。前面だけは小さな形に整えてある。
何度も生えなくなるまで通ったから今も綺麗な形に整ったままだ。
「ふうん、なんか興奮すんね」
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