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ocean
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しおりを挟む「ふぅん…あんたはアリスを探してんだね…。それは大変な旅になりそうだねぇ。」
私はアリスを探している事を伝えて、情報収集を手助けして欲しいと伝えた。
「タダで手助けしてやるほど、私は優しくないけどさ、まぁ、今日手伝ってくれたし、あんたの一生懸命さに免じて、手伝ってやるよ。」
カナエはため息を吐きながら微笑んだ。私は、強い味方がついた事による喜びで、思わずカナエの手を握ってしまった。彼女は驚いて一歩後ろに下がった。
「ただし、一緒に旅は出来ないよ。この店があるからね。ただ、文通は出来るから、お前さんに送るさ。」
この街では、文通は鳥を通して行うらしい。基本動物は全て人間になったが、なぜか鳥、主に文通用の鳥はそのままらしい。
そのあとは、残りの時間働き詰めだった。ただ、なんども人と話していると、情報収集もコツを掴んできて、曖昧だがアリスの情報を聞き取る事ができた。
「この街はまだ平和な方だが、物騒になったもんだ。なんせ女神様が行方不明らしいからなぁ。」
「私ついこの前ここに来たばかりなんですけど、女神様って…?」
まさかアリス…?
「嬢ちゃん、oceanの外から来たのかい?女神様ってのは…このワンダーランドに平和をもたらしてくれるお方だよ。ほんとに綺麗な方でね、ちょっと前までは俺らも普通にお眼にかかれたんだよ。それが最近何処かへ行ってしまったらしくてね…ちょうど嬢ちゃんみたいな、髪型の方だよ。顔立ちもちょっと似てるんじゃないか?」
そう言うと、他の男達がぞろぞろやってきた。皆口々に、よく見れば…とか、言われてみれば…とか好き勝手言ってくれている。褒めてくれてるのは嬉しいけれど。それに、他の人が寄ってきてくれたのはラッキーだ。
「その、女神様って、誰もしばらく見てないんですか?」
男達は顔を見合わせ、曖昧に返事をし始めた。
「誰も見たことないわけじゃないんだが…あいつは…なぁ?」
あいつは…?もしかして、この街の人だろうか。
「その人、どこにいるんですか!私、その女神様にどうしても会わなきゃいけない理由があるんです。お願いします!」
そう言うと、1人の小さな男の子が口を開いた。
「カミナリ丘の上にある小さな小屋のお婆さんだよ。」
周りの男達はざわつき始めた。そんなにとんでもない人なんだろうか。
「僕、あのお婆さんと話せるんだ。ここらへんの大人よりもよっぽど沢山の話、知ってるよ。」
少年は自慢気に話す。男達は半分キレかけだった。喧嘩を始めてしまう前に、話を聞いておかないと…
「ねぇ君、その話を私に教えてくれない?私、彼女を探してるのよ。」
少年はこくりと頷くと、私を引っ張って外に連れて行こうとする。
「ちょ…ちょっとまって!」
急かしてくる少年を止めて、辺りをキョロキョロと見渡した。カナエさんは…?
「行ってきなー!大将には言っとくよ!」
遠くの方からカナエさんが声をかけてくれた。見てたのか…。
必ずもう一度ここに来てお礼を言おうと心に決めて、私は少年とともに店を後にした。
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