おかえりなさい、シンデレラ(改訂版)

daisysacky

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第23章 おかえりなさい、シンデレラ、全ては夢の中に…

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 いきなり雑踏を、すぐ身近に感じていた。
エラは背中に、何か固いものを感じている。
さすがにエラは、もう何回か経験しているので、ひどく戸惑ったりはしない。
ズルリ…と足を引き寄せると、通行人が彼女を避けて、通り抜けているのに
気が付いた。
(もしかしたら、ここって?)
 初めてタイムスリップをした時は、人通りの少ない裏通りだった。
この前来た時には、自動販売機の側だった。
今度は?
おそるおそるまぶたを開けると…
目に飛び込んできたのは、少し奥まった、住宅街の道路わきの、あの
自動販売機だった。
(あっ、これ、この前の?)
それを見ただけで…なぜだか彼女は、ホッとした。
またここへ、帰って来たのだ…と思うと、不思議なことに、胸がほのかに
暖かくなるのだ。

「キミは、本当に…そこが好きなんだなぁ」
 いきなり声が、降ってくる。
声のする方を見上げると、そこには懐かしいあの人の顏があった。
「カスミさんにね…キミがいなくなった、と言われたんだ。
 とっても心配してたんだぞぉ」
わざとおどけた口調で、タクトはエラに話しかける。
ほんの数日前のことなのに、この人の顏が、ひどく懐かしい…
エラは自分の気持ちの変化に、ひどく驚いていた。

「ねぇ、いつまでそこに、座っているの?」
 驚くでもなく、とても当たり前の口調で、彼はエラを見下ろしている。
(何しろこれで、2度目だからねぇ)
エラはボンヤリとそう思うと…
「あっ」
あわてて地面に手をつくと、ずるずると身体を起こす。
「ほら」
タクトは自分の手を差し出す。
 どのくらい、ここに座っていたのだろう?
少しお尻がヒリヒリとして、すっかり冷たくなっていた。
「女の子なんだから、気を付けなよ!
 変な男に、連れていかれたら、どうするの?」
タクトは苦笑いをした。
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