御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…１８１

　あそこにいたのは、自分とリョウ君と、そして女の子だ…
他に、人がいたか？
それからすぐに、宗太郎はあっと気が付く。
（あの声の主だ！
　でも、あれは、誰だったんだろう？）
きっとオジサンは、そのことを聞いているのだ…と気が付く。
だが、そこからはピタリと、宗太郎の記憶が途切れている。

「もう、いいじゃないか！
　無理に聞き出さなくても」
　そんな宗太郎のことを見かねたのか、先生がオジサンをさえぎる。
だがオジサンは、とがめるように、先生に鋭い視線を向けると、
「それとも何か…思い出されたらマズイことでも、あるのか？」
ずいぶんと、トゲのある言い方をする。
（えっ？なんだ？先生が何か、関係しているのか？）
この二人、宗太郎が思うよりも、深い因縁がありそうだ。
　一体、どういう関係なのだろう？
宗太郎は、ひどく気にかかる。
（もしかしたら、これって…聞いたらマズイことなんじゃあないのか？）
自分のせいで、先生の立場を悪くしているのではないか…と、
ようやく宗太郎は気が付く。
神林君は、そのことに気が付いているのだろうか？
だが彼はただ黙って、ことの成り行きを見守っている。