御手洗さんの言うことには…

２７８

ソータローのこと…２５７

　だがオジサンは「チッ！」と舌打ちをする。
「何を根拠に、そんなことを言っているんだ？
　いい加減なことを言ったら…何をするか、わからないぞ」
鋭い目つきで、宗太郎を脅す。
　だが、そんなことで引き下がる宗太郎ではない。
負けるものか！と、宗太郎はグィッと視線を上げる。
「オジサンの声、聞き覚えがあるんだけど…
　どこかで会ったこと、あったっけ？」
ニコニコしながら、宗太郎は話し掛ける。
「へぇ？
　そりゃあ、どこかで会ったんだろ」
　そんなことくらいで、決めつけないでくれ。
オジサンは、宗太郎の視線から逃れよう…と、さり気なく
ソッポを向く。
「あれ？おかしいなぁ～
　ボク、オジサンに会うのは、これが初めてなんだけど？」
　それとも、オジサンにソックリな人って、他にもいるのかなぁ？
空っとぼけた顔をして、オジサンに向かって、にぃっと笑ってみせる。

（ソータロー、あんまり相手を刺激しないでよ）
　清子は、ハラハラしながら、見守っている。
「キミは…リョウの友達なんだろ？
　だったら、どこかで見かけたんだろ」
面倒臭そうに、オジサンは宗太郎に向かって、言い放つ。
だが、宗太郎は頭をかしげると
「あれ？おかしいなぁ～
　神林君とは、つい最近、学校で初めて会ったんだけどなあ」
ニヤニヤしながら、宗太郎はオジサンに話しかける。