御手洗さんの言うことには…

daisysacky

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ソータローのこと…342

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「それにボク…リョウくんのこと、ほとんど覚えてはいないんだ。
 どんな友達だったのか、何を話していたのか、というのもね」
 覚えているのは、ただ一つだけ。
自分と同じように、地下室に閉じ込められていた…という記憶のみだ。
ボソッと話す宗太郎のことを、清子は静かに聞いている。

「それでいいじゃないか」
 先生が、にこやかに話す。
「そんなワケにはいかないでしょ」
 大体、盗み聞きをしていたくせに…と、清子が恨めしそうに先生を
見る。
「まぁ、そうだよなぁ」
なぜか神林君は、先生の言うことにうなづいている。
「ソータローが記憶がないのも、仕方がないですよねぇ?
 だって…本人が好きで忘れているわけじゃあないだろうし」
大人びた神林君の口調に、
「おっ、話がわかるねぇ」
先生が、からかうように言う。
「そうやって、ごまかそうとしないの!」
清子は少しもブレることなく、先生に向かって、思いっきり突っ込む。

「え~っ」
 ヘラヘラと笑う先生に対して、清子はじぃっと先生をにらみつける。
「先生、やっぱり何か、隠しているでしょ?」
 この際だから、ハッキリとさせよう、とあおるように清子が言うと、
「そうだ、そうだ」
なぜか先生が、パチパチと手をたたいた。
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