ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第3章  新しい訪問者

   3

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「あの若者たちには、注意して!」
 オーナーのところから、持ち場に戻ると、早速従業員たちに、
主任は伝えた。
彼らも慣れたもので…なんとなくその理由を察しているのか、
あらためて聞こうとはしない。
「わかりました」と素直にうなづく。
 もちろん案内係の新人も同様で…
うなづくものの、頭をひねり
「なんでそこまで、意識するんだ?」
「もしかして、SNSのせい?」
と口々に言いあっている。

「山口くん!」
いきなり彼は、先輩に呼び止められる。
「なんですか?」
立ち止まると…ヒューヒューと、仲間たちがはやしたてる。
「よぉ、山口~
 おまえもう、谷口先輩のハートまで、わしづかみしたのか?」
ヘラヘラとからかうように言うので、彼はムッとして
「そんなわけないだろ?
 仕事だよ!
 仕事!」
面倒だなぁ~と、心底うんざりとする。

退屈してるのだ。
こんな山奥のホテルだ。
他に娯楽施設が、手近にあるわけがないので…
従業員同士のゴシップが、何よりの娯楽なのだ。
「ふぅーん、そうなのかぁ?」
まだ納得していない様子で、
「どんな仕事なんだぁ?」とまだ粘っている。
 色めきだった瞳で、彼を見つめる。
仕事をしろよ、と半ばうんざりとするけれども…
若い彼らにとっては、刺激が欲しいのかもしれない。
 週1回のお休みも、交代制。
休みの日には、下の町まで遊びに行く生活。
普段はホテルの1室で、寝泊まりしているので、
この閉鎖的な空間に、いささか飽き飽きしているのだ…

 いつの間にか、みんな聞き耳をたてている。
いい加減にしろよ、と正直思う。
恋人のいる人たちは、たいていこのホテルに来るまでに
出会った人が大半なのだ…
「あ、あのぉ」
心配した通り、先輩はこの雰囲気に、ちょっと怖気づいている。
「すみません」と断りを入れると、仲間たちを振り返った。
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