ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第6章  禁断の花園

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「あ、いや…人と待ち合わせをしていて」
 焦った珠紀が、言い訳をする。
もっとうまく言えればいいのだけれど…
 すると男は楽し気な声で、
「おや、はぐれたんですか?
 こんなきれいなお嬢さんを、置いてきぼりとはひどいなぁ」
さらにヒタヒタと足音が近づいて来る。
『早く!』
玲が珠紀の腕をぐぃっと引っ張ると…その瞬間、男性が花壇のブロックに
つまづいたような、ゴンという鈍い音がした。
「珠紀、早く!」
玲がそう叫ぶと、さらにぐぃっと彼女の腕を引っ張って、走り出す。
「あっ」
その勢いに、珠紀がよろりとふらつくと…
「先に行って!私は後で、追いかける!」
スルリと玲の腕がはずれた。
「えっ」
何言ってるの、と彼女の戸惑う声が聞える。
でも…もう限界のようで、ピョンと飛び起きると
「早く来てよ。先輩たちを、探してくる!」
そう言うが早いか…玲はクルリと背を向けて、元来た道を走り出していた。

 珠紀はその場にうずくまり、どうしよう…と頭の中が真っ白になる。
怖くて動けない…
どうしようもない…
うずくまったまま、妙に自分がもうあきらめているのを、感じていた。
ふと見ると…地面には、持っていた懐中電灯が光りを放ったまま
落ちている。
(ホントーに、行っちゃった)
かすかに珠紀は、ショックを受けていた。
行って、とは言ったけれど、まさか本当に、自分を置いて逃げるとは…
思ってもいなかったのだ。

 うつぶせに倒れていた男性は…かなり大きな音がしたけれど、
大丈夫だろうか、と急に彼女は心配になる。
自分も腰が抜けているけれど、それでも這うようにして、そちらの方へ
近付いて行く。
「あのぉ、大丈夫ですか?」
それでも少し離れたところから声をかけると…
ハハハ…
ふいに男が笑った。
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