ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第7章   エマージェンシー!

   8

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「へっ?」
 なんで先輩がそんな風に驚くのか、玲にはさっぱりわからない。
だって先輩は、あの男のことを知っていて、今回の旅行を決めたのだと
思っていたからだ。
だが明らかに、先輩は動揺している。
「なんで…君たちが?」
先ほどから小声で繰り返すから…実は先輩たちは、まだ会っていないのか、
と思い至る。

「えっ?普通にしていましたよ?
 バラの中を歩いていたら…」
特にかわった所に、足を踏み入れたわけではない、と玲は思いなおす。
 再び懐中電灯を頼りに歩き続けると、次第に中庭へと続く道が
見えて来た。
「君たち…ここからどっちの方へ、行った?」
いきなりピタッと足を止めて、先輩が振り向く。
 なんでこんなトコに?
今一つ、先輩の意図することが、理解出来ないのだ。
「どっちって、1本道じゃあないんですか?」
困惑しながら聞くと、
「それかぁ」
ガッカリした声を出す。
「矢印があったでしょ?」
「矢印?」
 
 あった?そんなもの!
 いや、気づかなかったぞ!
玲は戸惑いながらも聞く。
「えっ?なかったの?おかしいなぁ」
だが先輩も、驚いている。
これはとても…ウソを言っているようには見えない。
玲は不思議そうに、前方を見つめる。
先輩との間には、何かトラブルの種が、静かにその時がくるのを、
待ち構えているように見える。
だが…おかしなことに、先輩と会話の端々で、食い違うのだ。
どっちが違うのか、わからない。
けれど…何者かが、先輩たちが見た、という道案内の看板を
隠したとしか考えられない。
「一体、どういうことなの?」
思わず玲がもらすと
「それは、ボクが1番聞きたいことだ」
それを聞き、先輩がやや強い口調で、玲に向かって言った。
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