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Scene 8 シンデレラは眠れない

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 様々な色が、トートバッグの中からのぞいて、
一体これは何に使うのだろう…
エラは不思議に思いました。
それとも、この時代では、こういった布で何か作るのか、と。
すると礼美は、クスリと笑って、
「メグミさんはね、本当はパッチワークの先生なのよ」そっと小声で、教えてくれました。
エラには、パッチワークなるものは、どんなものか
わかりませんが、曖昧にうなづきます。
「でも!」
急に、思い出したように、
「この前行った、居酒屋でバイトしてるんじゃないんですか?」
分からない…という顔をすると、礼美はまたもクスッと笑うと、
「それはあくまでも、バイト!
 本業はね、カルチャースクールの先生なの」
少し得意気な顔の礼美を見ると…内心エラは、
(ところでバイトって、なに?)
聞きたいけど、聞けない…と複雑な顔になりました。

 すると2人の会話に気付いたのか、メグミさんは
2人の側に近付いて来て、
「しがない公民館の、雇われ講師よ」
と、照れたように言います。
「これで、お人形作ったり、お手玉作って、子供たちに配るのよ」
再びトートバッグを手に取ると、奥へと持って行ってしまいました。
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