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Scene 8 シンデレラは眠れない

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「もしかして、余計なこと、聞いちゃいましたか?」
 エラは少し心配そうに、メグミさんの後ろ姿を
見つめます。
「大丈夫よぉ」
礼美は、そんなエラと目が合うと、ニッコリします。
「あの人も、色々あるからねぇ。
 ここにいるのは、自分の実家から見捨てられた
 人…あの人も、…ここにいる人はみんな、わけありの人ばかりなの…」
そう、少し寂しそうにつぶやきました。

「さぁ、時間がないわよぉ~
 次の出し物、考えなくちゃあ!」
メグミさんが、声を上げると、エラはふと、手を上げます。
「あの~シンデレラはいかがでしょうか?」
唯一知っている(もちろん、自分の話)…ほかに知らない、というのもありますが。
遠慮がちに言うエラに、
「シンデレラ?」
礼美は驚いて、エラを見ます。
「だって、みんなが知ってるお話の方が、子供たちも
 楽しいと思って…」
キョトキョトと、落ち着きのない目で、みんなの顏を
不安そうに、見つめました。

なんで、自分の話を持ち出したか、というと、先日
カスミと家に帰る時に、カスミと何はいいか…
本屋でリサーチしたのです。
子供がよく知っていて、誰にでもわかる話…
カスミの強力プッシュのお陰です。
するとみんな、遠慮がちに、エラの様子をうかがいました。


 
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