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第3章 夢のカケラ
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どんな人?
何だか母親は、柚のことを心配しているようだ。
「えっ?」
もしかして…言ってはいけなかったのかなぁ?
母親の顏を見ているうちに、自分はとんでもないことをしたのでは?
と、柚は不安になってくる。
なので、唇をキュッと噛みしめると
「ううん…何でもない」
頭を振った。
「パパ…かえって、変だよ」
父親は早速、トラブルの元となった、ガラスの靴を直してみようとする。
とはいっても、ボンドでカカトをくっつけるだけなのだが…
少しずれたり、中々くっつかなかったり、よく見ると細かなヒビが、
カカトの周辺に走っていたりして、御世辞にも元通り、というわけには
いかなかった。
「ごめん…かえって、変になってしまって」
父親は母親に向かって、頭を下げる。
そうして申し訳なさそうに、靴を差し出す。
それでも母親は、寂し気に微笑むと
「ううん、いいの。ありがとう」
ペコリと丁寧に、頭を下げると、うやうやしくその靴を受け取った。
「あっ、くっつくまでは、履かない方がいい」
真面目な口調で、汗をふきながら言うと
「わかってる」
クスクスと母親が笑う。
そして彼女は、古い布で丁寧に靴をくるむと、再び引き出しの中に
前と同じようにおさめた。
何だか母親は、柚のことを心配しているようだ。
「えっ?」
もしかして…言ってはいけなかったのかなぁ?
母親の顏を見ているうちに、自分はとんでもないことをしたのでは?
と、柚は不安になってくる。
なので、唇をキュッと噛みしめると
「ううん…何でもない」
頭を振った。
「パパ…かえって、変だよ」
父親は早速、トラブルの元となった、ガラスの靴を直してみようとする。
とはいっても、ボンドでカカトをくっつけるだけなのだが…
少しずれたり、中々くっつかなかったり、よく見ると細かなヒビが、
カカトの周辺に走っていたりして、御世辞にも元通り、というわけには
いかなかった。
「ごめん…かえって、変になってしまって」
父親は母親に向かって、頭を下げる。
そうして申し訳なさそうに、靴を差し出す。
それでも母親は、寂し気に微笑むと
「ううん、いいの。ありがとう」
ペコリと丁寧に、頭を下げると、うやうやしくその靴を受け取った。
「あっ、くっつくまでは、履かない方がいい」
真面目な口調で、汗をふきながら言うと
「わかってる」
クスクスと母親が笑う。
そして彼女は、古い布で丁寧に靴をくるむと、再び引き出しの中に
前と同じようにおさめた。
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