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第5章 すべては夢になりにけり
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だけど別に、爆発が起きるわけでもなく、相手に異変が起きるわけ
でもなく…
さらには、自分たちがこの世界から弾き飛ばされることもなく。
むしろその逆で、荷馬車の後ろで、木箱の側に、ストンとおとなしく
うずくまるようにして、ジュンヤと柚はおさまっていた。
柚は初めての馬車に、ご機嫌になり、
「うわぁ~本物のお馬さんだ!面白いねぇ」
怖がることなく、はしゃいだ声を上げる。
「ユウちゃん、私のお膝に乗ってもいいわよ?」
アナスタシアが、柚に声をかけるけれど、
「いいの!ワタシ、ジュンヤくんと、ここに乗る!」
ギュッとジュンヤの手に乗ると、ピッタリとくっついて離れない。
「そう?それなら、いいけど」
それきり二人を邪魔することなく、馬車は思ったよりも、早いペースで
動き出した。
「へぇ~すごいねぇ」
荷台の縁につかまるようにして、柚はじぃっと流れる景色を眺めている。
今いるのは、森のはずれのようで、目の前に広がるのは、ひたすらに続く草原だ。
柚もジュンヤも、初めての経験で、思わず胸が躍る。
ニコニコしながら、柚がジュンヤに話しかけるので、
「そうだねぇ」
いちいちジュンヤは、相づちを打っている。
お城に行く…と言っても、誰と話をすればいいのか、ジュンヤには
わからない。
あそこに行って、本当に何かが見つかるのか…と、ジュンヤは気になる
のだけれども。
「私もね、昔…お城に行ったことがあるのよ」
前の方から、アナスタシアの声が聞こえてきた。
でもなく…
さらには、自分たちがこの世界から弾き飛ばされることもなく。
むしろその逆で、荷馬車の後ろで、木箱の側に、ストンとおとなしく
うずくまるようにして、ジュンヤと柚はおさまっていた。
柚は初めての馬車に、ご機嫌になり、
「うわぁ~本物のお馬さんだ!面白いねぇ」
怖がることなく、はしゃいだ声を上げる。
「ユウちゃん、私のお膝に乗ってもいいわよ?」
アナスタシアが、柚に声をかけるけれど、
「いいの!ワタシ、ジュンヤくんと、ここに乗る!」
ギュッとジュンヤの手に乗ると、ピッタリとくっついて離れない。
「そう?それなら、いいけど」
それきり二人を邪魔することなく、馬車は思ったよりも、早いペースで
動き出した。
「へぇ~すごいねぇ」
荷台の縁につかまるようにして、柚はじぃっと流れる景色を眺めている。
今いるのは、森のはずれのようで、目の前に広がるのは、ひたすらに続く草原だ。
柚もジュンヤも、初めての経験で、思わず胸が躍る。
ニコニコしながら、柚がジュンヤに話しかけるので、
「そうだねぇ」
いちいちジュンヤは、相づちを打っている。
お城に行く…と言っても、誰と話をすればいいのか、ジュンヤには
わからない。
あそこに行って、本当に何かが見つかるのか…と、ジュンヤは気になる
のだけれども。
「私もね、昔…お城に行ったことがあるのよ」
前の方から、アナスタシアの声が聞こえてきた。
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