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第1章
2話 キスから始まった1日目
しおりを挟む2024年12月24日 21:40
何…このキスをしている様な感じ…
すごく柔らかくて…気持ちいい…
え…私…今、誰かとキスしてる…⁈
マリが目を開けると誰かとキスをしていた。
慌てて顔を離すと、何とその相手はテグだった。
テ…テグ⁈
え…ウソ…
私…今…夢を見てるの…⁈
ここは…どこ…⁈
マリはパニックになった。
「ど、どうしたの?嫌だった?」
わーっ、本物のテグだーっ。
どうなってるのーっ⁈
「マリ、大丈夫?」
私の名前を呼んでるーっ…
「す、すみません。ちょ、ちょっとお手洗いに…」
「あ…うん」
「あ、あの…お、お手洗いはどこです…か…?」
「そこ真っ直ぐ行って右だけど…」
「…あの…ここは、どこ…ですか…?」
「え?マリ、もしかして酔ったの?ここ、俺ん家だろ」
テ…テグの家…?
マリは頭を整理しようと、急いでお手洗いに行った。
ちょっと待ってよ…
落ち着くのよ、マリ…
腕時計を見て、日付けと時間を確認した。
2024年12月24日 21:45
今から1時間ちょっと前…
私はお婆さんの家の前まで行ったんだよな…
お婆さんから手を出してって言われて、目を瞑って…
それから記憶がない…
そう言えば…
願いを叶えてあげるって言ってだけど…
ま…まさか…本当に叶えてくれたって事?
え…どうして…どうやって…?
あまりのリアルさに夢ではないと確信したマリは、お婆さんが願いを叶えてくれたと受け入れた。
とても有り得ない事だけど、純粋なマリはお婆さんに感謝をした。
でも、どうしよう…テグと一緒に居るなんて…緊張して生きた心地がしない…
っていうか、私…テグとキスしてた…
キャーッ…信じられない…
そっか。でも今は私、テグの恋人なんだ…
マリは勇気を出して、テグが居るリビングに戻った。
ソファーに座るとテグが心配そうにマリを見る。
うわっ、近いっ…
まともに顔が見れない…
生のテグ…カッコよすぎ…
「大丈夫?顔色悪いよ」
「そ、そうですか…」
「何で急に敬語?」
タメ口で話してたって事…か…
「あっ、ううん…ちょっと酔ったのか…な」
「水飲む?」
「こ、これでいいです…」
目の前にあったワインを飲み出した。
飲まないとやってられないと思ったマリはワインを次々と飲み干した。
「ハハ…変なの」
一体どういう流れで私とテグは恋人になったんだろう…
私はどこに住んでるんだろう…
90日間っていっても仕事は…?
マリは分からない事だらけで不安になってきた。
知っているのはテグしか居ないので、バレない様に少しずつ聞いていく事にした。
「あ、あの…テグさん…?」
「テグさん?呼び捨てで呼ぼうって決めたのに」
よ、呼び捨て…⁈
「そ、そうだったねっ。テ、テグ…私たちって付き合ってるん…だよ…ね…?」
「え…そうだよね?俺はそう受け止めたけど。今日が1日目でしょ?」
今日⁈今日から付き合い始めたんだ…
「そ、そうだね!」
「でも嬉しかったよ。俺もマリの事が気になってたから、マリから告白されて思わずキスして…ごめん」
私から告白したんだ…
それでキスしてたの…?
マリは顔が真っ赤になった。
「テ…テグは…芸能人だから、私の存在バレない様にしないとね…」
「…うん、しばらくはね。で、ちょっとマリに提案なんだけど…ここの隣が今、空き室だから引越して来ない?家賃は俺が払うし」
「え…」
「ここに一緒に住むのはまだ早いでしょ」
「う…うん」
「隣だとバレずに会いやすいし。どう?」
「でも、家賃とか高いんじゃ…」
「そんな気にしなくていいし。ホテル暮らしよりいいでしょ?」
ホテル暮らししてたんだ…私…
「う、うん。ありがとう。そうする!」
ここは甘えていいよね…
「仕事も無理して探さなくていいんじゃない?俺が面倒見るよ」
仕事はしてなかったのか…
自分で聞く前にテグが言ってくれて助かった…
「うん、でも…仕事は探すよ」
「そっか。わかった。部屋の事は明日、入居出来るようにしとくから」
「あ、明日⁈そんな早く入居出来るの⁈」
「このマンションのオーナー、知り合いだから大丈夫」
「そ、そう」
「今日はもう遅いから、ホテルに戻らずここに泊まるといいよ」
「えっっ」
「ちょっと…そんなに驚かなくても。寝る時は別々の部屋だから」
「あっ、は、はい…」
テグは思った通りの人だった…♡
マリは来客用の部屋に行き、布団に潜った。
あのテグと私が恋人同士だなんて…
遠くからでもいいから、テグを一目見てみたいと思っていたのに…
それが恋人だなんて、夢みたい…
しかも、生テグ…イケメン過ぎ!!
本当、幸せー!!
でも、お婆さんが言ってたけど90日間か…
90日経つと元の場所に戻るのか…
そういえば、90日経ったら私以外は記憶無くなるって言ってたけど…
テグも私の事、記憶から消されるのか…
それから、バレたら相手に災難が起きるって言ってた…
絶対にそれだけはダメ…
こんな事、有り得ない事だし…いい夢を見させてもらってると思って、3ヶ月楽しむ事にしよう!
それにしても、クリスマスイブから付き合うなんてロマンチック♡
マリは幸せ過ぎて、なかなか寝付けなかった。
応援ありがとうございます!
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