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第1章
4話 豪華メンバーでの年越し
しおりを挟む2024年12月31日 18:00
クリスマスから6日経ち、マリもようやくテグに慣れてきた。
この日はテグの知り合いの家で年越しするという事で、テグはマリを連れてタクシーで知り合いの家に向かった。
「私も一緒で本当にいいの?」
「うん。マリの事も紹介したいし」
「…でも、知り合いって?」
「マリはこっちの芸能関係とかあまり知らないみたいだけど、知ってるかな…スジュン」
ス…スジュン⁈え…あのスジュン⁈
「俺の事知らないのに、スジュンの事知ってたらショックだな…知ってる?」
「う、ううん…知らない」
そっか…
テグとスジュンはドラマで共演してたから仲が良いんだ…
18:30
スジュンのマンションに着き、テグがインターホンを鳴らした。
スジュンの事知らないって嘘ついてしまったから、冷静でいないとな…
ドアが開いた。
「どうぞ」
うわっ、スジュンだっ‼︎すごいオーラ!
「お邪魔しまーす」
「お、お邪魔します…」
テグと同じ位、広くてキレイな部屋だ。
スジュンはニヤニヤして、マリをずっと見ている。
「この方がテグさんの?」
「うん。彼女」
「あの…初めまして。マリと言います…」
「マリさん、初めまして。今日は飲んで食べて盛り上がりましょう」
「はっ、はい」
「これ、全部お前が作ったの⁈」
「まさかぁー、ミニュンが作って持って来てくれました」
ミニュン⁈え…あの⁈
「そっか。同じマンションに住んでるんだよね?ミニュンは来ないの?」
「取材が入ってるみたいで…でも終わったら来たいって言ってたから来ると思います」
ミニュンも来るの~
ミニュンにも会えるなんて…
すごくキレイなんだろうな~
「まぁ、飲みましょ。マリさん、お酒は?」
「お酒は…何でも飲めます」
「おー、強そう!」
「決して強くはないと思うけど…」
「今日は今年最後の日なんで、飲むしかないですね!」
19:00
3人は色々と話しながら食事を始める。
「今年もあと5時間で終わりかー。テグさんは彼女出来たし、いい年になりましたね」
「スジュンはどうなんだよ。ミニュンの事好きなんだろ?」
え…スジュンってミニュンの事が好きなんだ⁈
すごい事聞いちゃった…
「でもミニュンは俺の事なんて何とも思ってないと思います。俺の片思いですよ」
「スジュンなら大丈夫だよ。頑張れ」
「そうですよ!すごくお似合いですよ!」
「え?マリ、ミニュンの事知ってるの?」
「あっ、う、うん…日本でも有名だから」
「俺とスジュンは有名じゃないのか…」
「え?マリさんは俺達の事、知ってましたよね?」
「あの…それは…その…」
「知らなかったみたいだよ…」
「えーっ!そうなの⁈うわー、ショック…まだまだ頑張らないとな…」
もちろんテグもスジュンも日本で有名なのに…
嘘ついてごめんなさい…
マリは心の奥底で謝った。
「それにしてもミニュンは料理上手だな。全部美味しいんだけど」
「でしょ?たまに作って持って来てくれるんですけど、本当美味しいですよ」
「マリは料理するの?」
「う…うん。ある程度は」
「へぇー、今度何か作ってよ」
「うん。いいよ」
「いいなぁ~。彼女欲し~な~」
「ミニュンに告白しちゃえよ」
「そうですよ」
「いや、ダメだ。今の関係が崩れる位ならこのままでいます」
「でも、気持ち伝えたらミニュンさんも意識すると思いますよ」
「そうかな…いや…でも…」
チャイムが鳴った。
「ミニュンじゃない?」
「ちょっと行って来ます。もうこの話はナシで!」
そう言うとスジュンは玄関に向かった。
「緊張する~」
「ミニュンは気さくだから大丈夫だよ」
「う、うん」
「こんばんはー!!」
うわっ、ミニュンだ‼︎
すごくキレイ‼︎
「お疲れー」
「テグさん、お疲れ様です」
「先に始めてたよ。こっち座って」
「うん。えっと…こちらの方は?」
「あ、俺の彼女」
「え…?」
「初めまして。マリと言います」
「あ…初めまして。ミニュンです」
4人は改めて乾杯した。
「ミニュン、どうした?何か元気ないな」
「仕事だったから疲れてるんだろ」
「そ、そんな事ないですよっ。それにしてもびっくりです。テグさんに彼女がいたなんて」
「1週間前から付き合ったからね」
「1週間前って…クリスマスからですか?」
「うん」
「ハハハ。そうなんですね~」
もしかしてミニュンさん…テグの事…
勘のいいマリはそう感じた。
するとミニュンがマリのグラスにお酒を注いだ。
「あっ、ありがとうございます」
「マリさん…よろしくね!」
「はっ、はい」
「ミニュンって料理上手だよね」
「そんな事ないですよー」
「たくさん作ってくれたから助かったよ」
「マリさんもたくさん食べてね」
「ありがとうございます」
4人は食べて飲んで盛り上がる。
あっという間に23時を回り、全員いい感じに酔っていた。
「もう23時過ぎちゃったー。今年ももうすぐで終わっちゃうよ。みんなやり残した事ない?」
「俺は…ないな」
「スジュン、本当か?」
「本当に…ないです!テグさんとマリさんは?」
「俺も…ないな」
「…私も、特には…」
「そう言うミニュンはあるの?」
ミニュンが立ち上がった。
「ありまーす!」
「えっ、何ナニ?」
テグとマリは黙ってミニュンを見上げていた。
「告白しまーす!」
自分が告白されると思ったスジュンは顔が真っ赤になった。
テグもそう思い、スジュンを見てニヤニヤしていた。
「テグさん‼︎」
「え?」
スジュンは固まった。
「私、ずっとテグさんの事が好きでした」
やっぱり…
マリの思った通りだった。
スジュンはテグを睨む。
「ミ…ミニュン…?冗談だろ?」
「本当です!ただ、テグさんにはマリさんがいるのでキッパリ諦めます」
「ミニュンさん…」
テグは心配そうにスジュンを見る。
「スッキリしたー。みんなどうしたの?しんみりしちゃって」
「よーし、飲も飲も」
テグはショックを隠しきれないスジュンをリビングから離れた部屋へ連れて行った。
「ミニュンさん…ごめんなさい」
「マリさんが何で謝るのー」
「私のせいで…」
「私の片思いだったし…テグさんが今幸せならそれが1番よ。ごめんね。急に告白しちゃったりして。言って気持ちスッキリさせたかった。テグさんと幸せにね!」
「ミニュンさん…」
ミニュンさんはいい人だ…
急に現れたのは私なのに…
マリは複雑な心境だった。
「スジュン…何か…ごめん」
「テグさんのせいじゃありませんよ。でもまさかミニュンがテグさんの事を好きだったとは…全然気づきませんでした」
「スジュン…」
「でも、キッパリ諦めるって言ってたし…俺、頑張ります!応援してくれますよね?」
「もちろん」
2人は気持ちを切り替えてリビングに戻った。
ミニュンとマリは隣同士に座り、ベッタリ寄り添って飲んでいた。
「い…いつの間にあの2人、こんなに仲良くなったんだ?」
「女同士でくっつき過ぎだろ…」
「あー!2人共どこに行ってたの~?ねぇマリっ」
「ねーっ、ミニュン」
「マリ…飲み過ぎじゃない?」
「テグさん、マリみたいないい子と付き合えて幸せ者ですね~。本当にマリはいい子!何でって?私のドラマよく見てくれてるし、私の事好きみたいだから~」
「ミニュンのドラマは本当、面白くてハマるんだもん。何てったって可愛いし~」
「キャー!もっと言って~」
「テグさん…僕らも飲みましょっか」
「そうだね…」
そうして日付けも変わりカウントダウンも終了。
テグとマリはタクシーに乗り家に帰った。
マリが鍵を取り出して玄関を開けようとすると、テグが手を引っ張って自分の家に行こうとした。
「え?」
「俺ん家に行こう」
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