真実【完結】

真凛 桃

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24話 新たな命

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2ヶ月後


久美子はソウル市内から少し離れた場所に家を借り、自宅近くの美容室で働いていた。

携帯の番号も変え、店長とだけ連絡を取っていた。

久しぶりに店長と飲みに行くことになった。
久美子がお店に入ると先に着いた店長が待っていた。


「お久しぶりです!」

「クミちゃん、久しぶりー!」

2人は乾杯し、いつものように飲み始める。

「店長、お元気そうでよかったです!」

「久しぶりにクミちゃんに会ったからよ。クミちゃんが仕事辞めて寂しいんだから」

「すみません…急に辞めちゃって」

「それよりビックリしたよ。別れたなんて…うちの店にチスンさんが探しに来た時、かなり辛そうだったよ…別れて後悔してないの?まだ好きなんでしょ?」

「…これでよかったんです」

「何か、よく分からないな~」

すると久美子は急に気分が悪くなりトイレに駆け込んだ。
洗面台にうずくまっていると、心配して来た店長が久美子の背中をさすった。

「クミちゃん大丈夫⁈吐いたの?」

「なんか急に吐き気がして…」 

「お酒もまだ1杯しか飲んでないし…」

店長はハッとする。

「クミちゃん生理はきてる?」

「え…私、不順だし」

「最後はいつだった?」

「確か…3ヶ月前…えっ」

「それって、もしかして…」

「まさか…」

そういえば3ヶ月も遅れてる。
こんなに遅れるのは初めてだ。
色んなことがあり過ぎて、全然気にもなってなかった…


不安になった久美子は、翌日仕事を休んで病院に行った。

「おめでとうございます。14週目ですよ」

久美子は頭が真っ白になった。

赤ちゃんのエコー写真を渡された。
写真を見た久美子の目から涙が流れる。

「大丈夫ですか?」

「あの…先生…」

「どうしました?」

「いえ…何でもないです…また来ます」

「あの…もし望んでないのならよく考えて下さいね。ひとつの命ですから」

「……はい」

家に帰った久美子は一晩中悩んでいた。

14週目…あの時だ。私のケガが治った後…まさか…赤ちゃんが出来てたなんて…私が愛したチスンとの子…私1人でも育てられる…この子を幸せにしたい…私がこの子を命がけで守ろう…


久美子は産むことを決心した。


出産ギリギリまで必死に働いた。


8ヶ月後、無事に元気な女の子が生まれた。
名前はチスンの文字を取り〈ジスン〉と名付けた。








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