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26話 思わぬ再会
しおりを挟む月日が過ぎ、ホンユは毎日のように美容室に来てジスンの相手をしてくれていた。
「ああやって見ると親子みたいだね」
「ちょっと店長~」
「ジスンもすごく懐いてるし」
「…そ、そうですね…」
「明日は休みだし、3人でどこか遊びに行って来たら?」
「え…」
「ねぇ、ジスン!明日ママとホンユお兄ちゃんとお出かけしておいでよ」
「うん!行きたい‼︎」
「最近ほとんど出かけてないでしょ。ジスンも行きたがってるし、行っておいでよ。ねぇホンユさん‼︎」
「そうですね!ジスン、どこ行きたい?」
「遊園地行きたーい!」
「よし!じゃあ遊園地行こう」
「わーい‼︎」
「ジスン…」
次の日。朝から遊園地に出かけた3人は、たっぷり遊んだ後、ソウル市内に食事に行った。
さすがにホンユでも子供を連れているので、人目につかないように完全会員制のお店を選んだ。
「ジスン、遊園地楽しかったー?」
「うん‼︎楽しかった!」
「よかったね、ジスン」
「ねぇママ…何でジスンのパパはいないの?」
え…
「遊園地、みんなパパとママといたよー」
「ジスン…」
「ねぇ、何でパパいないのー?」
「それは…」
「ジスン!お兄ちゃんのことパパって呼んでいいよ」
「ちょっと、ホンユさん!」
「本当ー⁈」
「いつでもパパになってあげるよ」
「やったー!」
「パパって呼んでみて」
「パパー」
「ホンユさん、やめて下さい」
「いいから、いいから」
しばらくジスンはホンユのことをパパと呼んでいた。
食事を終え店を出るとジスンが少し先にある公園に気づき、久美子とホンユの手を引っ張る。
「あそこの公園に行きたーい」
「え…あの公園?う、うん…行くか」
3人は歩いて公園に向かった。
公園の目の前のビルはチスンの事務所がある。
久美子はチスンの事務所の場所までは知らないので、ホンユは黙って歩いた。
どうせまだこの時間なら会うことはないだろう…
しばらくジスンと遊び、3人で公園を出ると、向かいにあるチスンの事務所に車が停まった。
車から降りた男性がこちらに気づき、じっと立ち止まっていた…
チスンだった…
チ…チスン…
久美子は思わず顔を背けた。
「チスン…久しぶり…」
ホンユは挨拶するが、チスンは驚きのあまり言葉が出なかった。
「パパー、誰?」
パパ? え…
子供を見たチスンはショックが大き過ぎて何も言わずにその場を去って行った。
「く、久美さん…大丈夫?」
「ど、どうして…チスンが…」
絶対に会いたくなかった…
しかもジスンが一緒にいる時に…
久美子は平常心でいられなかった…
「向かいのビル、チスンの事務所…まさか会うとは…ごめん、久美さん」
「…そうだったんですか…」
車に乗り込んでからも沈黙が続いた。
「ジスン、寝ちゃったね」
「…はい」
「久美さん…俺じゃダメ?」
「え?」
「ジスンの父親になりたい。幸せにしたいんだ」
「き、急にどうしちゃったんですか…」
「…俺、前から」
「ホンユさん!!家そこです!」
ホンユは慌てて車を停めた。
「今日はありがとうございました」
久美子はお礼を伝えるとジスンを抱え、急いで家に入って行った。
久美子はホンユの言葉に驚いたが、それ以上に3年ぶりに会ってしまったチスンのことで頭がいっぱいになっていた。
ホンユはしばらく車を停めたまま、久美子のことを考えていた。
まさかチスンと会うなんて…
久美さんはきっと今頃、チスンのことで困惑しているはず…
かなり動揺してたもんな…
あの場所に行かなければよかった…
久美さんとジスンは俺が必ず幸せにする…
そう心に決めた後、ホンユはチスンに電話をし、明日会う約束をした。
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