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34話 限られた時間
しおりを挟む「ホンユさん、どうしたんですか?」
「久美さん今日、食事に行こう。もう予約したから」
「予約してるんですか?…わかりました」
「17時に◯◯公園の噴水の前で待ち合わせしよう。ジスンは俺が連れて行くから」
「え、待ち合わせ…ですか?」
「うん。今からジスンと遊びに行きたいところがあるから、時間になったらそのままジスン連れて行くよ」
「…わかりました。じゃ、ジスン呼んで来ますね」
ホンユがジスンを連れて出かけたので、久美子は準備して◯◯公園に向かった。
10分前に到着した久美子は、噴水の前でホンユとジスンが来るのを待っていた。
「クミ!」
チスンの声が聞こえて振り返った。
「チスン‼︎え?どうして⁈」
「俺がホンユに頼んだんだ」
「え⁈じゃあホンユさんとジスンは⁈」
「来ないよ」
「どういうこと⁈」
「最後にクミに会わせてくれって頼んだんだ。何かスッキリしなくて。ちゃんとケジメつけたい」
久美子も同じ気持ちだった。
「もうクミとは会わないから、最後に今日1日付き合って欲しい」
「うん。わかった」
2人はベンチに腰かけた。
「昨日あの後ジスン、大丈夫だった?」
「うん。本当わがままでごめんね」
「全然いいよ。クミに似たのかな?」
「えー、そうかなぁ」
「ごめん。俺のせいでホンユ怒らせて…」
「ううん。こちらこそお世話になりました」
「ねぇクミ、1つ聞いていい?」
「何?」
「別れを選んだこと後悔したことある?」
「、、、、」
「答えたくなければ答えなくていいよ」
「…あの時は直接言わず、手紙だけ置いていなくなってごめんなさい」
「いいけど…受け入れられなかった」
「…ごめん」
「でも…こうしてまた話せるとはね。今だから話せることだし、クミが今幸せそうでよかったと思ってる」
「…本当にチスンにはすごく感謝してる」
「俺も」
「…チスン」
「クミ‼︎今から飲みに行こうか!久しぶりに。早めに帰すから」
「うん!!」
2人は公園を離れ、久しぶりに飲みに行った。
「クミ、顔赤いよ。お酒弱くなった?」
「ジスン産んでから前みたいに飲んでないから、弱くなったかなぁ~」
「年取ったせいもあるんじゃない?」
「そんなことないよ~」
チスンはメニューを指差した。
「お!ここ、クミの好きな日本の焼酎があるよ。飲んでみる?」
「本当だ。飲みたい!」
チスンはクミが好きな焼酎があることを知ってて、この店を選んでいた。
「こうやって一緒に飲むのも3年ぶりだね」
「そうだね。クミは本当に変わってないね」
「チスンもね」
2人は見つめ合う。
「そういえばさぁ…付き合って1ヶ月くらいの時、俺がなかなか手を出さないからって、クミは丈が短い服着て俺のこと誘惑してきたことがあったよねー」
「あーっっ、もうその話やめてーっ!」
「何、恥ずかしがってんの?」
「チスンだって!」
「俺が、何?」
「チスンだって…」
……なんかあったかなぁ…
「俺が何?何かあったかな?」
「あ!そうそう!家でホンユさんと店長と4人で飲んだ時よ!」
「それが?」
「私とホンユさんが買い出しから帰った時、店長にベッタリされてデレデレしてたくせに~」
「あれのどこがデレデレなんだよ。俺、クミに助け求めてたよね?」
「…そうだったかなぁ?」
「アハハハ」
「何がおかしいのよ」
「相変わらず…可愛いね」
久美子はドキッとする。
「あの時は本当、幸せだったな~」
「…うん」
2人はこのまま時間が止まればいいと思っていた。
「そろそろ…帰ろっか。ジスンとホンユが待ってるよ」
「…うん」
これでもうチスンと会うことはない…
チスンはこれ以上久美子と一緒にいると、ケジメがつけられなくなると思った。
お店を出ると久美子は、お酒が回り足がふらつく。
「クミ、大丈夫⁈」
「…酔ったみたい…」
「タクシー拾えるとこまで行くから。ほら…」
チスンが手を差し出すが、久美子は立つことが出来ない。
チスンは久美子をおんぶして歩き出した。
「しっかり掴まっててよ」
「うん」
「クミ、ちゃんと食べてる?軽いんだけど」
「…うん。食べてるよ」
「たくさん食べろよ」
「うん…チスンだって痩せたよ!」
「痩せたかもな~。クミのせいで。なんてね」
「…チスンの背中って」
「ん?」
「落ち着く…」
「え…」
「どうしよ。頭がグルグル回るぅ~」
「大丈夫⁈もうちょっと辛抱して!あと少し歩くから」
「チスン…」
「どうした⁈」
「…私ね…ずっと…忘れられなかった」
「…え?」
「自分から…突然別れて…勝手なのはよくわかってる…でも…ずっと私の心の中にはチスンがいた…」
チスンは立ち止まった。
「私…もう…どうしたらいいかわからない…」
チスンは気持ちを押し殺した。
「そんなこと言っちゃダメだよ。クミにはホンユがいるだろ。もう遅いよ…」
「…ごめん」
「俺だって…でもどうしようもできない…」
「…何も知らないくせに…」
「何が?」
「私が…私が悪いの…」
久美子の目から涙が溢れた。
「クミ?泣いてるの?」
「…ジスンはね…」
「ジスンが何?」
「ジスンは…本当は…」
「…本当は?」
「、、、、、」
「クミ?」
反応がないので振り返ると、久美子はチスンの背中でスヤスヤと眠ってしまっていた。
「寝ちゃったのか…ジスンが何だよ…」
近くのベンチまで歩き、チスンは久美子を支えるように座った。
「このまま時間が止まればいいのに…でも、もう忘れないとな…クミ…今日は以前のように過ごせて楽しかったよ…ありがとう…幸せになって…」
チスンはホンユに連絡し、久美子を迎えに来てもらった。
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