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43話 危険な一夜
しおりを挟むこの日、撮影が20時過ぎまでかかり、その後スタッフ全員と夕食をとることになった。
ジスがチスンの席にビールを運んできた。
「ありがとう」
「この前はご馳走様でした、あと…雰囲気乱してしまってすみませんでした。帰って反省しました」
「…うん」
「何話してるの?チスン、あれから久美子さん大丈夫だった?」
「大丈夫だった…と思う」
「ジスさん!ドラマの話はしないって言ったのに、何で話したの⁈」
「す、すみません」
「しかし、チスンの彼女…日本人とはびっくりだったなー。久美子さんいい人だね」
「そうね‼︎」
居心地が悪くなったジスは、監督のところに行った。
「監督、ちょっといいですか?」
「ジス、どうした?」
ジスは監督を少し離れたところに連れて行った。
「聞かれたくない話か?」
「はい。ドラマのことですけど、もう後半に入りますよね?」
「そうだな。何か要望でもあるのか?」
「…はい」
「何だ?言ってみろ」
「はい。あの…私とチスンさんもベッドシーンあった方がいいと思うんですが」
「そうだな。私もそう思うけど、チスンが嫌がるし、君も初のドラマだから気を遣ったんだが」
「私は全然大丈夫です!」
「…どこまで出来る?」
「…私、脱いでもいいです」
「え?脱ぐって…本当か?」
「はい。全部脱いでもいいです」
「いやー、ジスは根性あるなー」
「ただ、チスンさんが嫌がると思うんです」
「嫌がるだろうな。ただ、そんなこと言っちゃいられない。ジスが初めてのドラマで脱ぐとなると視聴率すごいことなるぞ!」
「じゃ、どうしますか?チスンさんには事前に言わない方がいいと思います」
「そりゃそうだ。私が上手くやるから任せなさい。最終回で実行する。ジス、ありがとう。期待してるよ」
夕食の時間が終わり、それぞれホテルの部屋に戻った。
チスンは早速、久美子に電話しようとするとチャイムが鳴り、ドアを開けるとジスが立っていた。
「ジスさん、どうしたの⁈」
「あの…すみません急に。明日の演技なんですが、どうしても上手く出来ないところがあって…」
「じゃあ、明日早めに現場に行くから、明日聞くよ」
「どうしても今日中に上手く出来るようになりたいんです。すぐ終わらせますので」
そう言うとジスはチスンの部屋に入って来た。
「ジスさんって…結構強引なとこあるよね」
「仕事熱心って言って下さい!」
「で…どこが上手く出来ないの?」
「ここなんですが」
ジスはチスンに台本を見せる。
「どうしてもここのシーンのセリフが上手く言えなくて。このシーンだけ付き合ってもらっていいですか?」
「ここね」
2人はセリフを読み合うが、ジスは上手く言えずに何度もやり直した。
「あ~、何で上手く言えないんだろ…」
「もうちょっと気持ちを込めてゆっくり言ってみて」
「わかりました。すみません何度も付き合わせちゃって…1回休憩しましょう。ゆず茶持ってきたのでグラス借りますね」
ジスはゆず茶をグラスに注ぎ、チスンに渡した。
「ありがとう」
何度もセリフを言ったチスンは喉が渇いていたせいか、一気に飲み干した。
「あと1回通して続きは明日にしよう。彼女に早く電話したいから」
「あっ、そうですね。わかりました。じゃ私1人で練習するので、チスンさんはソファーに座って見てて下さい」
チスンはソファーに座り、ジスを見ているとウトウトし始めた。
「チスンさん?どうしました?」
「何だか…急に眠くなって…」
「チスンさん、疲れてるんですね」
「…う…ん、そう…み…た…い」
「チスンさん?」
チスンは眠ってしまった。
ジスの計画通りにいった。
ゆず茶に睡眠薬を入れていたのだ。
「こんなとこで寝てたら風邪ひきますよ」
ジスは力ずくでチスンをベッドに寝かせた。
「チスンさん♡寝顔も素敵です。最終回はベッドシーンがあるんですよ!」
ジスはチスンの上着を脱がせ、自分も上着を脱いでチスンの横に寝ると携帯で写真を撮った。
しばらくジスはチスンを見つめていた。
「チスンさん、彼女と別れて私と結婚しましょう。私の方が彼女より理解するし、私との方がきっと上手くいきますよ。ねっ、チスンさん…すごく愛してるんです」
そう言うとジスはチスンにキスをした。
チスンにシャツを着せると、ジスは自分の部屋に戻って行った。
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