49 / 76
49話 チスンの確信
しおりを挟む翌日、久美子は退院し3人でマンションに帰った。
「パパー、ゲームしていい?」
「うん。いいよ」
ジスンは自分の部屋に行った。
「クミ、ここに座って」
「…うん」
「俺…ドラマの内容のことで疑われたと思ってた」
「え…」
「他にあるんだよね?」
「う、うん…」
「ジスさんの携帯の写真、見たんじゃない?」
久美子は頷いた。
「やっぱり…俺も一昨日見てしまって驚いた。あんなの見たら信じられなくなるよね」
「当たり前じゃない‼︎どう信じろって言うの⁈」
「俺、クミを裏切ると思う?」
「あんな写真見たら…」
「俺は何もしてないよ。酔ってもないし、例え酔ってたとしても何もしない。何よりも、クミに信じてもらえなかったことが1番ショックだった…」
「だって…」
「だから、ハッキリさせる為にジスさん呼んだから」
「え⁈ジスさんが来るの⁈」
「嫌だろうけど…このままクミに疑われたくない」
「…チスン」
「それに、昔も色々あったけど2度とクミを悲しませたくない。クミにはいつも笑っていて欲しいから」
1時間後、予定通りジスが来た。
久美子はジスの顔をまともに見ることが出来なかった。
「…あの」
「座って」
「は、はい…」
「ジスさん、もう1度聞くけどあの写真は何?」
「なっ、何って…あの夜一緒に過ごした時の…」
「何でそんな嘘!」
「好きなんです‼︎チスンさんのことが好きで好きでたまらない‼︎それに嘘なんかじゃありません」
しばらく沈黙が続いた。
そこに、ゲームをし終えたジスンが部屋から出て来た。
「パパー、もうゲームやめたぁ」
「え⁈パパ?」
久美子が慌ててジスンを部屋に連れて行こうとすると、チスンが引き止めた。
「クミ、いいから…ジスン、おいで」
「うん」
「あの…この子は…?」
「俺とクミの子供だよ」
「う、嘘でしょ…子供?」
「今、クミのお腹には2人目がいる」
ジスはショックのあまり言葉を失った。
「ジスさん…ひとつ聞くけど、あの日ゆず茶をくれたよね?」
「は…はい…」
「何か混ぜたでしょ?考えられるのはこれしかないんだけど…睡眠薬」
え…
「睡眠薬⁈」
「違う?」
「…ま、まさかぁ、そんなこと…」
ジスの動揺した姿を見て、チスンは確信した。
「俺に好意を持ってくれてるのは有難いけど、俺はクミ以外一切興味ないから。例えクミから愛想尽かされても、一生死ぬまでクミのことを愛しているし、この気持ちだけは変わらない…」
チスン…
「だから…ジスさんと俺に何もなかったって自信持って言える。絶対にないから!」
ジスは深く息を吐いた。
「そうですよ。睡眠薬入れました。さすがチスンさん。絶対バレないと思ったのに…チスンさんを振り向かせる為には彼女が邪魔だったから別れて欲しかった。もう少しだったのに…でも、まさか子供がいたなんて‼︎」
2人のやり取りを聞いていた久美子は、ジスの頬を思いきり引っ叩いた。
「な、何するんですか⁈」
「あなたのせいで私は…私はチスンを疑った。チスンを傷付けてしまったじゃない!!」
「クミ!落ち着いて!もういいから」
「だって…だって…」
泣き出した久美子にジスンが抱きつく。
「ジスさん、もう2度と会うことはないから。帰ってくれる?」
「…チスンさん、私やっぱりチスンさんのこと…」
「いいから、もう帰って!!」
「ごめんなさい…」
そう言うとジスは帰って行った。
チスンは久美子を抱きしめ、気持ちを落ち着かせる。
「クミ…ごめんね」
「謝るのは私の方だよ。チスン…疑ったりして、ごめんなさい…」
「クミ」
チスンは力いっぱい久美子を抱きしめた。
そしてDVDを全部捨てた。
7
あなたにおすすめの小説
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―
久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、
人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。
そんなある日、とある事件から、
オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、
ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。
けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく
――理不尽な『営業停止』の通告だった!?
納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。
冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……?
「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、
お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー!
※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中
課長のケーキは甘い包囲網
花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。
えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。
×
沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。
実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。
大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。
面接官だった彼が上司となった。
しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。
彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。
心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
恋は襟を正してから-鬼上司の不器用な愛-
プリオネ
恋愛
せっかくホワイト企業に転職したのに、配属先は「漆黒」と噂される第一営業所だった芦尾梨子。待ち受けていたのは、大勢の前で怒鳴りつけてくるような鬼上司、獄谷衿。だが梨子には、前職で培ったパワハラ耐性と、ある"処世術"があった。2つの武器を手に、梨子は彼の厳しい指導にもたくましく食らいついていった。
ある日、梨子は獄谷に叱責された直後に彼自身のミスに気付く。助け舟を出すも、まさかのダブルミスで恥の上塗りをさせてしまう。責任を感じる梨子だったが、獄谷は意外な反応を見せた。そしてそれを境に、彼の態度が柔らかくなり始める。その不器用すぎるアプローチに、梨子も次第に惹かれていくのであった──。
恋心を隠してるけど全部滲み出ちゃってる系鬼上司と、全部気付いてるけど部下として接する新入社員が織りなす、じれじれオフィスラブ。
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる