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63話 日記帳
しおりを挟むホンユはジスンを連れてマンションに帰った。
久美子はベッドに横になっていた。
「久美さん、少しは何か食べないと」
「すみません。食欲ありません…」
「お腹の子の為にも、無理してでも食べないと!」
「そうだよ!ママ、ジスンも食べるからママも食べよう!」
「ジスン…」
「じゃ、俺帰るね」
「お兄ちゃん、バイバイ!」
ジスン…
チスンとの約束守ろうと頑張って…
チスンの一言でジスンは変わった…
やっぱりチスンはすげーわ…
そして、ジスンと久美子は久しぶりに食べ物を口にした。
「ママ、後でお買い物行こう」
「…うん」
「そうだっ、お掃除しよう」
ジスンは小さな体で掃除機を持ってきて掃除をしようとした。
「ジスン、ママがするから大丈夫よ!」
久美子は、掃除機を持ってチスンの部屋に入った。
チスンの匂いがする…
チスン…
どこにいるの…?どこで何してるの?
寝室に行き、ベッドの下まで掃除機をかけると、ベッドの下から1冊のノートが出てきた。
何…?これ…
掃除機を止め、ノートを開いた。
こ…これ…って…
チスンが書いた日記…?
それは、チスンが久美子と出逢って、久美子のことを気になり始めた時から、毎日寝る前にベッドで日記を書いていたものだった。
一緒に暮らし始めても、久美子とジスンが寝た頃、日記を書いて毎回ベッドの下に隠していたのだ。
久美子は掃除を止め、ベッドに座り読み始めた。
◯月◯日
昼間、久美子さんと食事に行った。
好きなものが一緒で話が盛り上がった。
一緒にいると久美子さんに癒されてる自分がいた。
久美子さんを送って帰る途中、自分の気持ちに気付き引き返したが、スジンさんが久美子さんを抱きしめてるところを見てしまった…。
その後、財布を届けに来てくれた久美子さんを冷たくあしらってしまった。
自分の行動に呆れた。
チスン…
あの時…見てたんだ…
◯月◯日
久美子さんと付き合うことになった。
前みたいにならないように、久美子さんを守る!
◯月◯日
一緒に住むことになった。
本当は一緒に寝たいけど、寝室は別々にした。
大事にしたいから…
◯月◯日
俺がなかなか手を出さないからって、クミに恥ずかしいことをさせてしまった。
クミのことが可愛くて仕方ない。
クミ、大好きだよ。
◯月◯日
俺のせいで…俺のせいで…クミ、ごめん。
クミを刺した奴、探してやる。絶対に許さない!
何が何でも探し出す!
それから日付が随分飛んだ。
この後、チスンと久美子は別れたからだ。
そして、再会してからまた書かれてあった。
◯月◯日
3年ぶりにクミに会った。
ホンユと子供も一緒にいた。
子供はホンユをパパと呼んでいた。
ショックだった。
◯月◯日
偶然、道でクミを見かけ家まで送った。
久しぶりに少しだけ話した。
子供は人懐っこくて可愛かった…
◯月◯日
今日はジスンを預かった。
今、隣でぐっすり寝ている。
すごく可愛い…
ホンユの子か…
まさかクミとホンユが…
考えたくもない…
◯月◯日
クミとジスンを家に泊まらせてしまったことで、ホンユに悪いことをした。
でも、久しぶりにクミと過ごして懐かしく感じた。
クミを忘れたくても忘れられない…
◯月◯日
まさかジスンが、俺の子だったなんて…
何で話してくれないんだ…
いったいどうしたら…
◯月◯日
ジスンの誕生会。
ジスンの願い事すごく嬉しかった。
ジスンありがとう。
少し早いけど、誕生日おめでとう!
◯月◯日
クミがジスンのことを打ち明けてくれた。
すごく嬉しかった。
これからは俺が2人を守っていく…
3人で暮らし始めてからは書かれていなかった。
そして病気が分かった後からまた書かれてあった。
◯月◯日
ガンだった…
まさか自分がガンになるとは思ってもいなかった。
手術も出来ない…
でも諦めない!クミとジスンを残して死ねないし、死にたくない。
◯月◯日
手術してくれるとこが見つからない…
どうしたらいいんだ。
生きたい…
◯月◯日
今日、頭が割れるくらい痛かった。
症状の始まりなのか…
でも抗がん剤治療はしたくない。
クミとジスンを忘れていくなんて、無理だ…
◯月◯日
もう、他に医者を探すのは諦めた方がいいのかな…
疲れてきた…
◯月◯日
ジスンとクミと3人で公園に行った。
今までたくさん色んなところへ行っていればよかった…
これが最後だと思うと、このまま時が止まればいいと何度も思った。
◯月◯日
ホンユにクミとジスンを任せることにした。
クミとジスンをよく分かってるのはホンユしかいない。
悔しいけど、自分じゃクミとジスンを幸せに出来ない。
いつ死ぬか分からないのに俺じゃ無理だ…
もう、クミを悲しませたくない。
死ぬほど愛してるから、幸せになって欲しい。
クミとジスンと過ごした時間は、永遠に忘れない…
クミ…幸せな時間をありがとう。
愛してる。
日記はここで終わっていた。
久美子は涙が止まらなかった。
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