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7 嫉妬
しおりを挟むそれから2人は毎日一緒に出勤し、そのうち和の家で食事をするようになった。
休みの前日、この日は陸の家で焼き肉をしていた。
「家で焼き肉っていいですね。ゆっくり飲めるし」
「これは煙が出にくいからいいんだよ。じゃなかったら家で焼き肉なんてしない」
「ですよねっ。でも最近、先輩と食事するようになって食事が楽しくなりました」
「オレも。ずっと1人で食事してたからな…今までは適当に食べてたし」
「結婚したいとか思わないんですか?」
「結婚?そもそも相手もいないし、それに1人が楽だよ」
「でも…親から何も言われませんか?」
「言われるよ。だから実家には帰ってない」
「そうですか。でもガールフレンドくらいいるでしょ?」
「まぁ…あっ、そう言えば明日ランチに誘われてたんだった」
「え?女の人…ですか?」
「うん。友達だけどね」
「…そうですか」
「大村も来る?それとも明日は予定あるかな?」
「特にないですけど…お邪魔じゃ?」
「そんな訳ないだろ。大村イケメンだし加奈も喜ぶと思うけど」
「加奈…さんって言うんですね…」
「うん。行こうよ」
「…はい」
そして翌日、陸と和は約束の店に入りテーブル席に案内された。
「オレたちが先だったか…」
「あの…僕、どこに座ったらいいですか?」
「オレの向かいに座っていいよ」
「あ…はい…」
「大村って人見知り?」
「どうしてですか?」
「何かいつもと違うし…緊張してるみたいだから」
「そうですかっ?」
「うん。そう見える。加奈は気さくなヤツだからすぐに馴染むと思うよ」
「、、、、」
すると加奈がやって来た。
「ごめん、待ったー?」
「いいや、今来たとこ」
一瞬、加奈は和を見て陸の隣に座った。
「この方は?」
「あ…部下の大村くん。一緒でもいいだろ?」
「あっ、うん。初めまして。陸の友達の加奈です」
「はっ…初めまして。佐田先輩の部下の大村和です」
加奈は気さくな感じでキレイな人だった。
「お腹空いたぁ~。注文しよっ」
「うん。昨日は肉食べたからな~。パスタかな~」
陸がメニューを開くと加奈は陸に寄り添ってメニューを見ていた。
「私、ハンバーグ定食!」
「オレは日替わりパスタでいいや。大村は?」
「あっ…じゃ僕も同じのにします」
注文すると陸はお手洗いに行った。
「大村くんだっけ?」
「はい」
「まだ若いでしょ。いくつ?」
「23です」
「若いねー。7つも下か」
「じゃ、先輩と同じ年ですか?」
「そうよ。30歳の独身女よ」
「でもキレイだし、彼氏さんはいるんでしょ?」
「キレイだなんて…嬉しいこと言ってくれるわね。でも寂しいことに彼氏いないのよ…」
「そっ…そうですか」
「好きな人はいるんだけどね」
「え」
和はその時、加奈の好きな人は陸だと勘づいた。
陸が戻って来ると料理が運ばれてきた。
「いただきまーす」
「大村も食べよっ」
「はいっ」
「このハンバーグめちゃくちゃ美味しいんだけど。陸も食べてみてっ」
加奈はハンバーグを刺したフォークを陸の口元にやった。
「いいよっ」
「いいからっ、ほら」
和の目の前で恥ずかしかったが、陸は仕方なく口にした。
「美味しいでしょ」
「…うん」
「これ食べたらどうする?カフェでも行く?」
「帰るよ」
「えー、カフェ行こうよ」
「ご馳走さまでしたっ。僕お先に失礼しますね」
「えっ」
「じゃ、失礼しますっ」
和は自分の分の料金をテーブルに置き、足早に店を出て行った。
「大村…」
「私たちに気を使ってくれたのかな」
「どうしてオレと加奈に気を使うんだよ」
「さぁね~。何か感じたんじゃない?」
「アイツ…本当に人見知りだな」
「そんな感じはしなかったけど。それよりこの後カフェ行こうよっ」
「だから行かないって」
「そんなこと言わないでっ。1時間だけ。ねっ」
「加奈は言い出したら聞かないからな~。1時間だけだぞっ」
「やったー」
そして、1時間のつもりが結局お酒を飲んでしまい、4時間後に陸はマンションに帰った。
陸はそのまま6階へ行き、和の家のチャイムを押した。
しばらくして和が出てきた。
「よぉ」
「あ…今帰ってきたんですか?」
「…うん。あっ…これ」
陸は和が置いていったお金を渡した。
「何ですか」
「置いていっただろ。返すよ」
「いいですっ」
「いいからっ」
「、、、、」
「ごめんな。オレが気が利かなかった」
「別に先輩のせいじゃありません。途中でやっぱりお邪魔だったことに気づいただけです」
「そんなんじゃないって」
その時、お酒の匂いが漂った。
「お酒…飲んだんですね」
「あ、うん。夕食どうする?飲み直したいし何か適当につまみでも作って飲むか?」
「…すみません。今日は1人で食べます。では」
和はそう言うと玄関のドアを閉めた。
何だよ…
陸は仕方なく自分の家に帰った。
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