Pure love 〜純粋な恋愛〜【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
7 / 45

7 嫉妬

しおりを挟む

それから2人は毎日一緒に出勤し、そのうち和の家で食事をするようになった。

休みの前日、この日は陸の家で焼き肉をしていた。


「家で焼き肉っていいですね。ゆっくり飲めるし」

「これは煙が出にくいからいいんだよ。じゃなかったら家で焼き肉なんてしない」

「ですよねっ。でも最近、先輩と食事するようになって食事が楽しくなりました」

「オレも。ずっと1人で食事してたからな…今までは適当に食べてたし」

「結婚したいとか思わないんですか?」

「結婚?そもそも相手もいないし、それに1人が楽だよ」

「でも…親から何も言われませんか?」

「言われるよ。だから実家には帰ってない」

「そうですか。でもガールフレンドくらいいるでしょ?」

「まぁ…あっ、そう言えば明日ランチに誘われてたんだった」

「え?女の人…ですか?」

「うん。友達だけどね」

「…そうですか」

「大村も来る?それとも明日は予定あるかな?」

「特にないですけど…お邪魔じゃ?」

「そんな訳ないだろ。大村イケメンだし加奈も喜ぶと思うけど」

「加奈…さんって言うんですね…」

「うん。行こうよ」

「…はい」


そして翌日、陸と和は約束の店に入りテーブル席に案内された。


「オレたちが先だったか…」

「あの…僕、どこに座ったらいいですか?」

「オレの向かいに座っていいよ」

「あ…はい…」

「大村って人見知り?」

「どうしてですか?」

「何かいつもと違うし…緊張してるみたいだから」

「そうですかっ?」

「うん。そう見える。加奈は気さくなヤツだからすぐに馴染むと思うよ」

「、、、、」


すると加奈がやって来た。


「ごめん、待ったー?」

「いいや、今来たとこ」


一瞬、加奈は和を見て陸の隣に座った。


「この方は?」

「あ…部下の大村くん。一緒でもいいだろ?」

「あっ、うん。初めまして。陸の友達の加奈です」

「はっ…初めまして。佐田先輩の部下の大村和です」


加奈は気さくな感じでキレイな人だった。


「お腹空いたぁ~。注文しよっ」

「うん。昨日は肉食べたからな~。パスタかな~」


陸がメニューを開くと加奈は陸に寄り添ってメニューを見ていた。


「私、ハンバーグ定食!」

「オレは日替わりパスタでいいや。大村は?」

「あっ…じゃ僕も同じのにします」


注文すると陸はお手洗いに行った。


「大村くんだっけ?」

「はい」

「まだ若いでしょ。いくつ?」

「23です」

「若いねー。7つも下か」

「じゃ、先輩と同じ年ですか?」

「そうよ。30歳の独身女よ」

「でもキレイだし、彼氏さんはいるんでしょ?」

「キレイだなんて…嬉しいこと言ってくれるわね。でも寂しいことに彼氏いないのよ…」

「そっ…そうですか」

「好きな人はいるんだけどね」

「え」


和はその時、加奈の好きな人は陸だと勘づいた。


陸が戻って来ると料理が運ばれてきた。


「いただきまーす」

「大村も食べよっ」

「はいっ」

「このハンバーグめちゃくちゃ美味しいんだけど。陸も食べてみてっ」


加奈はハンバーグを刺したフォークを陸の口元にやった。


「いいよっ」

「いいからっ、ほら」


和の目の前で恥ずかしかったが、陸は仕方なく口にした。


「美味しいでしょ」

「…うん」

「これ食べたらどうする?カフェでも行く?」

「帰るよ」

「えー、カフェ行こうよ」

「ご馳走さまでしたっ。僕お先に失礼しますね」

「えっ」

「じゃ、失礼しますっ」


和は自分の分の料金をテーブルに置き、足早に店を出て行った。


「大村…」

「私たちに気を使ってくれたのかな」

「どうしてオレと加奈に気を使うんだよ」 

「さぁね~。何か感じたんじゃない?」

「アイツ…本当に人見知りだな」

「そんな感じはしなかったけど。それよりこの後カフェ行こうよっ」

「だから行かないって」

「そんなこと言わないでっ。1時間だけ。ねっ」

「加奈は言い出したら聞かないからな~。1時間だけだぞっ」

「やったー」


そして、1時間のつもりが結局お酒を飲んでしまい、4時間後に陸はマンションに帰った。

陸はそのまま6階へ行き、和の家のチャイムを押した。
しばらくして和が出てきた。


「よぉ」

「あ…今帰ってきたんですか?」

「…うん。あっ…これ」


陸は和が置いていったお金を渡した。


「何ですか」

「置いていっただろ。返すよ」

「いいですっ」

「いいからっ」

「、、、、」

「ごめんな。オレが気が利かなかった」

「別に先輩のせいじゃありません。途中でやっぱりお邪魔だったことに気づいただけです」

「そんなんじゃないって」


その時、お酒の匂いが漂った。


「お酒…飲んだんですね」

「あ、うん。夕食どうする?飲み直したいし何か適当につまみでも作って飲むか?」

「…すみません。今日は1人で食べます。では」


和はそう言うと玄関のドアを閉めた。


何だよ…


陸は仕方なく自分の家に帰った。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜

中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」 大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。 しかも、現役大学生である。 「え、あの子で大丈夫なんか……?」 幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。 ――誰もが気づかないうちに。 専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。 「命に代えても、お守りします」 そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。 そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める―― 「僕、舐められるの得意やねん」 敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。 その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。 それは忠誠か、それとも―― そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。 「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」 最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。 極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。 これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

義兄が溺愛してきます

ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。 その翌日からだ。 義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。 翔は恋に好意を寄せているのだった。 本人はその事を知るよしもない。 その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。 成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。 翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。 すれ違う思いは交わるのか─────。

旦那様と僕

三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。 縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。 本編完結済。 『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。

処理中です...