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12 彼女
しおりを挟む次の日の夕方、陸は待ち合わせのホテルにあるレストランに行った。
陸に気が付いた木村が彼女を連れて陸の元へ来た。
「来たか。あっ…オレの彼女」
「どーも初めまして」
「初めまして。尚人の彼女のサキです」
「佐田に紹介する子はあの席にいる子だから」
「えっ…木村も一緒にいるんだよね?」
「オレたちは帰るよ。2人で楽しんで」
「彼女…ミクって言うんですけど、今日楽しみにしてたみたいなんでよろしくお願いします」
「あっ…はっ…はい」
そう言って2人は帰って行った。
マジか…初めから2人きりか…
陸はゆっくりと彼女が待っているテーブルへ行った。
「どっ…どうも…佐田です…」
彼女は立ち上がった。
「あっ…どっ…どうも。加藤ミクと言います」
ミクは木村の言う通り可愛い顔をした子だった。
「座りましょうか」
「はいっ」
「とりあえず何か注文しましょう。お酒は飲めますか?」
「はい」
注文して待っている間、ミクはずっと陸のことを見ていた。
「どっ…どうされました?」
「想像以上にイケメンでびっくりしました」
「そっ…それはどうも…」
「佐田さんは私を見てどう思われました?」
「え…あ…おキレイな方だなと…」
「本当ですかっ?嬉しいっ‼︎」
「自分は30ですけど、おいくつですか?まだ若いですよね?」
「私は22歳です」
「22?えっ…オレの年齢は聞いてました?」
「はい。もちろん」
「そっ…そう…」
「私、年上好きなので」
「そう…ですか」
料理が運ばれ飲みながら食事を始めた。
「佐田さんはどのくらい彼女いないんですか?」
「もう何年もいませんよ」
「何年も?モテそうなのに。理想が高かったりして」
「いや…別に」
「私は1年前に別れました」
「そうですか」
「あの…タメ口でいいですよ」
「え」
「私より年上だし」
「あ…うん」
何か積極的な子だな…
早くも陸は疲れてきた。
その後2時間経ち、食事も済んだ。
「何か私ばっかり喋ってごめんなさい…」
「あ…うん」
「佐田さんみたいな人とこうして会えて嬉しくて」
「え」
「佐田さんは?私と会ってどうですか?」
「どうって…楽しかったよ」
「本当?どうします?私たち…」
「…どうって…まだお互いよく知らないし」
「そうですよね。私もっと佐田さんのこと知りたいです。私のことももっと知ってもらいたい」
「とりあえず出ようか」
2人でレストランを出るとミクが立ち止まった。
「どうしたの?」
「あの…これ」
ミクが陸に差し出したのはホテルの部屋のカギだった。
「これって…」
「よかったら部屋で飲み直しません?もっと佐田さんと話したい」
下を向いたまま恥ずかしそうに言うミクを見て陸は迷った。
その時陸は和の顔が思い浮かんだ。
何でこんな時に大村を思い出すんだ…
ダメだ…何の為に紹介してもらったんだ…
陸はホテルの部屋のカギを握りしめ、ミクと部屋に入った。
部屋の中はダブルベッドと小さなテーブルがあり、2人はベッドに腰を下ろした。
「あっ…ワ…ワインあるので飲みましょうかっ…」
「うっ…うん」
「あのっ…嬉しかったです」
「え?」
「正直言うと…断られるんじゃないかって思って」
「あ…」
「私からホテルに誘うなんて初めてで自分でもびっくりしています」
「オレも…女性に初めて誘われた…」
「私…佐田さんに一目惚れしました」
「えっ」
「嫌ですか?」
「嫌じゃ…ないよ」
「本当に?」
「…うん」
「じゃあ…私たち…」
「付き合おっか」
「本当ですかっ。嬉しい‼︎」
そして2人はそのままベッドに入った。
これでいいんだ…これで…
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