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23 嫉妬の嵐
しおりを挟むそれから1週間後、仕事を終えた2人は陸が調べたバーへ行った。
飲み屋街で入りこんだとこにある隠れ家的な店だった。
入口の前に立つと2人は立ち止まった。
2人とも緊張した様子だ。
「どうする?やっぱりやめとくか?」
「…いいえ。入りましょう」
「うっ…うん」
2人は勇気を出して中へ入った。
すると中にいる男性たちが一勢に2人を見る。
恐る恐る2人がゆっくり歩いて行くと従業員らしき人がカウンターへ案内してくれた。
店の中は薄暗く独特な雰囲気で男性客があふれていた。
「いらっしゃいませ。初めてですよね?」
「はっ…はい」
「何飲まれますか?」
「じゃ…ビールで」
「僕も」
「かしこまりました」
2人は固まってしまい、一言も喋らなかった。
「はい…ビールどうぞ」
「あっ…どうも」
「緊張しなくて大丈夫ですよ。うちのお客さんいい人ばかりですので」
「はぁ…」
「陸さん、乾杯」
「うん」
「せっかくだから飲みましょう」
「そうだな」
何か…後ろの方からすごい視線感じる...
陸がチラッと後ろを見ると3人の男性がじっとニヤニヤしながらこっちを見ていた。
うわっっ…何なんだ…
慌てて陸は和の方へ体を向けた。
「りっ…陸さん…近いですよっ」
「あっ…ごめん…」
「でも…嬉しいですっ」
すると20代後半くらいのガタイのいい男性が陸の隣に座ってきた。
「初めて見る顔だね~…2人ともともいくつ?」
「えっ…30です」
「お~いいじゃん。君は?」
「…23です」
「若いねぇ。でもオレは君がタイプ」
「えっ」
男は陸の手を握ってきた。
和が驚いた顔でその手を見ると陸は慌てて男の手を振り払った。
「照れてるっ。可愛いな~」
うわー…どうしたらいいんだ…
「ちよっと…トイレに行ってくる」
「え…」
陸は気持ちを落ち着かせる為にトイレに行った。
あ~…落ち着かない…
でもここに来るってことは…
オレたちもそういう目で見られて当然だよな…
オレが手を握られた時、和は嫌だっただろうな…
もう来ることはない…今日が最初で最後だ…
すると、さっき陸の手を握ってきた男がトイレに入ってきた。
げっ…さっきの奴だ…
さっさと出よっ…
えっ…
出ようとする陸の腕を男が掴んだ。
「なっ…何ですかっ」
「この店出で2人でゆっくり話せるとこ行こうよ」
「えっ…」
「ねっ」
「むっ…無理ですっ…」
「何で?そういうつもりでこの店来たんでしょ⁈」
「いや…自分たちはそんなつもりで来たわけじゃ…」
「自分たちって…一緒に来た子とってこと?」
「はい…僕たち付き合ってるので」
「はっ?恋人とこの店に来たのか⁈ここは相手を探すために来るとこなのに…何だよっ…」
「ですよね…初めてなのでよくわからなくて」
「じゃオレが色々教えてやるから。ここ出ようよ」
「だから…無理ですって」
「いいじゃん。相棒ももうモテモテだし…」
「えっ?どういうことですか?」
「だって5~6人から言い寄られてたよ。1人にさせるから」
マジかっ…
陸は急いで和のとこへ行った。
和は男に囲まれていた。
「かっ…和っ」
「陸さんっ」
陸は割り込んで和の隣に座った。
「何だよっ」
「すみません…ここオレが座ってた席です」
「チッ。それより和はどこに住んでるの?」
和っ…?
呼び捨てしやがって…
「えー、それは..内緒です」
「いいじゃんっ、教えてよ!可愛い顔して」
「ハハハ」
和の後ろには4人の男がピッタリついて和の髪の毛を触ったり手を触ったりしていた。
「髪の毛サラサラだねー」
「手もキレイ」
「これからどこか行こうよ」
「えー、どこかって…どこですか」
和の奴…
オレの前で他の男と楽しそうにしやがって‼︎
「誰にもじゃまされないとこだよ。ねー行こうよ」
ダメだ…このままじゃオレ…どうにかなりそうだ…
限界がきた陸は和の腕を掴み立ち上がった。
「陸さんっ?」
「お前何だよっ。和はオレたちと話してるだろー」
「呼び捨てするなっ!和はオレのものだ」
「りっ…陸さん」
「帰るぞ」
陸はテーブルにお金を置くと和を連れて店を出た。
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