38 / 45
38 ずっと大好きです…
しおりを挟む「ホテル行くの…?しかもここ高級ホテルだよな?」
「レストランを予約してるんです。行きましょう」
「マジか」
レストランに入るとコース料理が次々出てきた。
「乾杯しましょう」
「お前飲めよ。オレ運転するから」
「大丈夫です…部屋とってますから。今日はここに泊まりましょう」
「マジでっ⁈」
「はい。だから気兼ねなく飲みましょ」
「じゃ…オレ払うから。ここも高いだろうし。ホテル代も…」
「大丈夫ですよ。いつも陸さん出してくれるし今日は僕に任せて下さいっ!」
「和…本当に大丈夫なのか?」
「はいっ」
「わかった。ありがとう…和」
食事を終えた2人はそのままホテルの部屋に行った。
「お~!いい部屋じゃん」
「ですねっ」
「何でスーツなのかわかったよ。さすがにさっきのレストランは私服じゃ入りづらいもんな」
「はい…すみません。休みの日にまでスーツ着させて…」
「いいって…嬉しかった。まさかここまで予約してくれてたなんて驚いたよ」
「喜んでくれたならよかったです‼︎」
「初めは静岡と千葉行って無謀な計画してるなとは思ったけど…夕日といいレストランの時間といい…ちゃんと考えてたんだな」
「ハハハ。思い通りになってよかったです」
「本当にありがとう」
陸が和にキスにようとすると和は慌てて冷蔵庫に向かった。
「なっ…何か飲みますっ?ビールありますよっ」
「えっ…あ…うん」
「はい、どうぞっ」
「ありがとう…」
「二次会、乾杯!」
「おっ…おう」
さっきオレを避けたよな…?
いや…気のせいか…
「ところで陸さん…仕事好きですか?」
「いきなり何だよ」
「好きですかっ?」
「好きだよ。和が…」
えっ…
「しっ…仕事ですよっ」
「わかってるよ。仕事は好きだよ。服が好きだからな」
「そうですか。陸さんセンスいいですもんねっ」
「それに今の会社にはお世話になってるからな」
「そうですか…陸さんには今の会社すごく合ってると思います。頑張って下さいね」
「お前もな。一緒に頑張ろうぜ」
「、、、、」
「返事は?」
「…はい」
「よーし…いい子いい子」
陸さん…
和は陸にキスをした。
えっ…
「ふっ…風呂にでも入ってくるかなっ」
「一緒に入ります?」
「えっっ⁈なっ…何言ってんだよ」
「冗談ですよっ」
「ハハ…じゃ先に入ってくるわ」
いざアイツからキスしてきたら照れるなっ…
しかも一緒に風呂入るだなんて…
裸も見たことないのにっ…
心臓が飛び出そうだった…
結局は長く浸りすぎて、のぼせて出てきた。
「陸さん、長かったですね」
「ああ…次、入ってきていいぞ」
「はーい。行ってきまーす」
アイツ…やけに明るいな…
今日は長時間運転したせいか風呂に浸りすぎたな…
でも和はオレの為にプラン考えてくれて…
ホテルまで…オレって幸せ…
5分後。
「あがりました~」
「えっ?早っっ‼︎もうあがったのっ⁈」
「はいっ!早く陸さんに会いたくてっ」
かっ…可愛い…
「ちゃ…ちゃんと浸ったかっっ?」
「はいっ。どうしたんですか顔赤いですよ」
「そうかっ?」
「フフッ…照れてるんですねっ」
「照れてなんか…ないよ」
「陸さん…可愛いですね~」
和は陸の頭をポンポンした。
なっ…何だっ…
和からされると調子狂う…
「そろそろ寝ましょうか?」
「うっ…うん」
ベッド2つか…寝るのは別々だよな…
「じゃ、オレこっちでいい?」
「はい。じゃ僕もっ」
「えっ…一緒のベッド?」
「え…いつも一緒に寝てるじゃないですか」
「そうだけど…」
何かいつもと違うベットだから緊張するなぁ…
「嫌ですか?」
「嫌じゃないよっ」
2人へ同じベッドに入った。
「じゃ…照明消すぞ」
「はい」
和は陸の腕を自分の首に回した。
「和…どうした?」
「え…何がですか?」
「何か今日は積極的というか…いつもと何か違う」
「そうですかね~気のせいですよ」
気のせい…?そうかな…
でも…和からこられると嬉しい…
「和、今日はありがとな。オレの為にここまでしてくれて…嬉しいよ」
「そう言ってくれて僕も嬉しいです」
「来週は温泉でゆっくりしような」
「、、、、」
「和…?」
「あっ…はい」
「会社には居づらいけど…オレたち何も迷惑かけてないし堂々としていよう」
「、、、、」
「オレが和を守るから」
陸さん…
和の目からは涙が溢れていた。
「和?寝たの?」
「…いいえ」
「何があっても和を守るからな」
「…陸さん」
「ずっと…これからもずっと…好きです」
「…オレもだよ」
陸は力いっぱい和を抱きしめた。
「これからもずっと一緒にいような」
「……は…い」
和は溢れそうになる涙を必死で堪えた。
しばらくすると陸は眠った。
陸さん…好きです…たまらなく…好き…
だから…僕…
僕…ごめんなさい…
堪えていた涙が溢れ出し、和は陸にそっとキスをして部屋を出て行った。
これが陸を守る為の和の決断だった。
9
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
海のそばの音楽少年~あの日のキミ
夏目奈緖
BL
☆久田悠人(18)は大学1年生。そそかっしい自分の性格が前向きになれればと思い、ロックバンドのギタリストをしている。会社員の早瀬裕理(30)と恋人同士になり、同棲生活をスタートさせた。別居生活の長い両親が巻き起こす出来事に心が揺さぶられ、早瀬から優しく包み込まれる。
次第に悠人は早瀬が無理に自分のことを笑わせてくれているのではないかと気づき始める。子供の頃から『いい子』であろうとした早瀬に寄り添い、彼の心を開く。また、早瀬の幼馴染み兼元恋人でミュージシャンの佐久弥に会い、心が揺れる。そして、バンドコンテストに参加する。甘々な二人が永遠の誓いを立てるストーリー。眠れる森の星空少年~あの日のキミの続編です。
<作品時系列>「眠れる森の星空少年~あの日のキミ」→本作「海のそばの音楽少年~あの日のキミ」
【完結】アイドルは親友への片思いを卒業し、イケメン俳優に溺愛され本当の笑顔になる <TOMARIGIシリーズ>
はなたろう
BL
TOMARIGIシリーズ②
人気アイドル、片倉理久は、同じグループの伊勢に片思いしている。高校生の頃に事務所に入所してからずっと、2人で切磋琢磨し念願のデビュー。苦楽を共にしたが、いつしか友情以上になっていった。
そんな伊勢は、マネージャーの湊とラブラブで、幸せを喜んであげたいが複雑で苦しい毎日。
そんなとき、俳優の桐生が現れる。飄々とした桐生の存在に戸惑いながらも、片倉は次第に彼の魅力に引き寄せられていく。
友情と恋心の狭間で揺れる心――片倉は新しい関係に踏み出せるのか。
人気アイドル<TOMARIGI>シリーズ新章、開幕!
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
キャロットケーキの季節に
秋乃みかづき
BL
ひょんな事から知り合う、
可愛い系26歳サラリーマンと32歳キレイ系美容師
男性同士の恋愛だけでなく、ヒューマンドラマ的な要素もあり
特に意識したのは
リアルな会話と感情
ほのぼのしたり、笑ったり、時にはシリアスも
キャラクターの誰かに感情移入していただけたら嬉しいです
若頭、初恋を掴む
うんとこどっこいしょ
BL
新人賞を受賞したばかりの小説家・前田誠也。
憧れの作家・小山内のもとに弟子入りし、夢に向かって歩き始めた矢先、彼の裏切りによって誠也の日常は崩れ去る。
逃げ出したホテルの廊下で、誠也は思いがけず“初恋の人”──幼なじみの桐生翔吾と再会する。
かつては隣にいた少年が、今は関東屈指の組織「桐生組」の若頭。
冷たくも優しいその瞳に、誠也は再び惹かれていく。
しかし翔吾は、誠也の知らぬところで警察との危うい駆け引きを続けていた。
守りたいのに、関わればまた傷つけてしまう──。
それでも翔吾は誓う。
「もう二度と、お前を泣かせない」
恋人はメリーゴーランド少年だった~永遠の誓い編
夏目奈緖
BL
「恋人はメリーゴーランド少年だった」続編です。溺愛ドS社長×高校生。恋人同士になった二人の同棲物語。束縛と独占欲。。夏樹と黒崎は恋人同士。夏樹は友人からストーカー行為を受け、車へ押し込まれようとした際に怪我を負った。夏樹のことを守れずに悔やんだ黒崎は、二度と傷つけさせないと決心し、夏樹と同棲を始める。その結果、束縛と独占欲を向けるようになった。黒崎家という古い体質の家に生まれ、愛情を感じずに育った黒崎。結びつきの強い家庭環境で育った夏樹。お互いの価値観のすれ違いを経験し、お互いのトラウマを解消するストーリー。
恋をあきらめた美人上司、年下部下に“推し”認定されて逃げ場がない~「主任が笑うと、世界が綺麗になるんです」…やめて、好きになっちゃうから!
中岡 始
BL
30歳、広告代理店の主任・安藤理玖。
仕事は真面目に、私生活は質素に。美人系と言われても、恋愛はもう卒業した。
──そう、あの過去の失恋以来、自分の心は二度と動かないと決めていた。
そんな理玖の前に現れたのは、地方支社から異動してきた新入部下、中村大樹(25)。
高身長、高スペック、爽やかイケメン……だけど妙に距離が近い。
「主任って、本当に綺麗ですね」
「僕だけが気づいてるって、ちょっと嬉しいんです」
冗談でしょ。部下だし、年下だし──
なのに、毎日まっすぐに“推し活”みたいな視線で見つめられて、
いつの間にか平穏だったはずの心がざわつきはじめる。
手が触れたとき、雨の日の相合い傘、
ふと見せる優しい笑顔──
「安藤主任が笑ってくれれば、それでいいんです」
「でも…もし、少しでも僕を見てくれるなら──もっと、近づきたい」
これは恋?それともただの憧れ?
諦めたはずの心が、また熱を持ちはじめる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる