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39 姿を消した和
しおりを挟む翌朝9時
「あ~よく寝た…ん?アレ…和は?」
横に和がいないことに気づいた陸は起き上がり部屋を見渡す。
「和…?トイレかな…」
トイレのドアを開けるが和の姿はない。
えっ?どこ行ったんだ?靴もないし…
電話をかけるが繋がらない。
散歩でも行ってるのかな…
陸は深く考えずコーヒー飲みながらくつろいでいた。
10時45分
何で戻って来ないんだ?
携帯も繋がらないし…
チェックアウトは11時だし…
しびれを切らした陸は部屋を出る準備をしてフロントに行った。
カードキーを渡すと思いがけない言葉が返ってきた。
「お会計はお済みですね。ありがとうございました」
「えっ?会計済みって…」
「はい。お済みですよ」
「いつですか?」
「昨日の深夜にお連れの方がお支払いされてますよ」
「深夜に⁈わっ..わかりました」
どういうことだよ⁈
ってか…何で携帯繋がらないんだ⁈
とりあえず…帰ってるかも知れないし…帰るか…
アイツ何だよ!今日お仕置きしてやるっ!
30分後、マンションに着き玄関のドアに鍵を挿して開けようとしたが開かなかった。
えっ?開いてる?
和っっ…帰ってるんだっ…
鍵を戻して中へ入って行った。
「おい和っ‼︎お前何で先に帰るんだよっ」
部屋中見て回るが和はいない。
クローゼットを開けると和の服が全てなくなっていた。
えっ⁈なっ…何で⁈
どういうことだ⁈
何で和の服がないんだよ…
そしてふとテーブルを見ると和に渡したマンションの合鍵が置いてあった。
そしてその横にはメモ用紙が置いてあった。
陸さん…僕は目が覚めました。
男同志なんて無理です。
すみません。
今までありがとうございました。
マ…マジかよっ…
じゃあ昨日言ってたことは何だよ⁈
和っ…何の冗談だよっっ…
もう1度和に電話するが、もう既に“現在使われておりません”になっていた。
嘘だろって…アイツ…
ふざけやがって!!
陸はそのメモ用紙をビリビリに破り捨てると一気に力が抜けその場に崩れ落ちた。
男同志が無理…?
目が覚めた…?
何だよ…今頃…
昨日オレにずっと好きですって言ってたのは何だったんだよ…
結局…本気だったのはオレだけかよ…
和とお揃いのネックレスを握りしめ、陸は涙を流していた。
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