プラグマ 〜永続的な愛〜

真凛 桃

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第2章

60話 懲らしめのパーティー

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翌日、シュンは秘書と今後の事で話していた。


「来週うちのホテルの会場…空きある?」

「火曜なら空いていますが」

「押さえといて。関係者呼んでパーティーする」

「えっ⁈盛大にですか?何の目的で?」

「盛大にする。会長の誕生日も近いし」

「では会長の誕生祝いパーティーって事ですね。会長喜ばれると思います」

「趣旨はそれでいい」

「他に何かあるんですか?」

「会長や妻の助けはいらないってとこを見せたい。それと柳本グループの危機感も教えてあげないと」

「柳本社長も招待するんですか⁈」

「うん。招待状郵送しといて」

「わかりました。でも来ますかね…」

「来るよ」

「それと…奥様はどうされます?」

「呼んで」

「…わかりました」


そしてパーティー当日、地曽田グループの関係者達が続々と会場入りした。
会長はご機嫌そうに他社の会長達と話していた。
裕二は行くかどうか悩んだが、地曽田グループの取引先をまた奪おうと人脈作りの為に来たのだ。


裕二はシャンパンを飲みながら周りを見渡しているとシュンの姿を見つけた。


あいつ…笑いやがって‼︎
何でここまで会社を立ち直せられたんだ!


その時シュンと一緒に話している男性を見た裕二は一瞬目を疑った。


え…あの人、M社の社長じゃないか‼︎
何でここに居るんだ⁈


すると裕二の視線に気付いたシュンが裕二の元へやって来た。


「柳本社長、来て頂けると思ってましたよ」

「おっ、お前!どうしてM社の社長がここに居るんだよ‼︎」

「あっ…以前そちらと取引きされてたんですよね。今はうちと取引きしてるんですよ」

「なっ、何だと⁈」


すると1人の中年男性がシュンのとこへ来た。


「あっ、山見社長」

「本日はお招き頂きありがとうございます」


え…山見社長…
うちの取引先だったB社の社長…


「山見社長⁈ど、どうしてここに⁈」

「柳本社長…それは…今は地曽田グループさんと取引きしてるんです」

「えっ」

「S社とJ社の社長も来られてますよ」

「S社とJ社⁈」

「今はうちの取引先ですから」

「全部俺の会社と取引きしてたところじゃないか‼︎」

「そうですね」

「まっ、まさか…知ってて全部奪ったのか⁈」

「奪ったなんて。元々7社はうちの取引先だったでしょ」

「おっ、お前どうやって‼︎」

「すみません。そろそろ挨拶の準備しないといけないので失礼します」


シュンはその場を離れた。
裕二は山見社長のところへ行った。


「社長っ、あいつ…いや、地曽田社長がどんな人か知ってますか⁈」

「え?どんな人って…正直で一生懸命な人だと思ってますけど…」

「私の妻と不倫してるんですよ‼︎」


裕二は携帯を取り出して例の写真を見せた。


「こういう奴なんですよ‼︎」

「知ってますよ。地曽田社長本人から聞きました」

「え…あいつが自分で話したんですか⁈そ、それ聞いて社長は何とも思わなかったんですか⁈」

「初めはあり得ないと思いました」

「でしょ‼︎あり得ないんですよ‼︎」

「だけど、あの地曽田社長が自ら何度も顔出しに来られるし…話してるうちに人間性に惹かれました」

「え…」

「柳本さんの奥さんの事だって、なかなか話せる事じゃないし言わなくていいのに。あの人は正直で嘘つかない人だから信用できます」


そう言うと山見社長はその場を立ち去った。


そんな…地曽田‼︎ふざけやがって!!
クソッ、クソッ、クソーッ!!!


会長の挨拶が終わり、次は社長の挨拶でシュンは舞台に上がった。


「本日はお忙しい中、足を運んで頂き心から感謝致します。今回お集まり頂いたのは会長のお祝いもありますが、皆様にお礼がしたかったからです。ご存知の通り我が地曽田グループは一時、株価が暴落し沈むところまで沈みました。ですがそういう危機を乗り越えて今またこうしています。それも全てここに居らしてくれてる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。皆様と共に更なる発展に取り組み、成長していきますので今後とも宜しくお願いします」


周りから盛大な拍手が飛び交った。


「あ…それともう1つ言い忘れてました。今はまだどこかは言えませんが、ある会社を買い取り分野を広げていきますのでその時は皆様にもご報告致します」


客席はザワザワし出した。


「それでは皆様、今日は最後まで楽しんでいって下さい」


シュンの意味深な言葉を聞いて裕二は正常では居られなかった。


あいつ…俺の会社を買い取るつもりだな‼︎
これを聞かせる為に俺を招待したんだな‼︎
クッソー‼︎こうなったら!!


裕二は新たな企みを考えた。


もうこうするしかない!!





 


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