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第2章
61話 親子の取引き
しおりを挟むパーティーが終わった後、裕二はシュンに気付かれないように会長のところへ行った。
「あの…会長…」
「おっ…お前‼︎来てたのか⁈どうして⁈」
「えっ…それは…地曽田社長から招待状が届きましたので…」
「シュンが⁈あいつ何考えてるんだ‼︎それよりお前、よく顔出せたな‼︎うちの会社の物奪っておきながら‼︎」
「…すみませんっ…あの…それより会長に大事なお話があるんですが」
「何⁈大事な話だと⁈」
「明日お時間頂けませんか?伺いますので」
「何だ‼︎今言えないのか⁈」
「はい…明日お話しします」
「…じゃあ18時に来い」
「わかりました。それとこの事は社長には内緒にしておいて下さい」
「…ああ」
スミがあいつにまだ何も話してないようだから俺が教えてやるよ!
あいつに会社を奪われてたまるものか‼︎
後先なくなった裕二は全て会長に話す事にしたのだ。
関係者は全員帰り、地曽田家だけが会場に残った。
「父さん、少しいいですか?」
「何だ?」
「少し話したいんですが…」
「そうだな。たまには話そう」
「私とは⁈久しぶりに会ったのに‼︎」
「由希も一緒に来て」
3人はホテルの一室に入った。
「いや~それにしてもさすが俺の息子だ。取引先もあそこまで増えたとはな~。よくやった‼︎」
「柳本グループから奪い取っただけです」
「そういえば会社を買い取るって言ってたが…」
「はい。柳本グループの事です」
「そうなのか⁈でも柳本が許さないだろ」
「柳本グループは今、経営危機もいいとこです。破産するのも時間の問題です」
「そっ…そうなのか?」
「柳本グループを潰すと言ったでしょ」
「シュン‼︎さすがだ‼︎」
「父さん」
「何だ」
「柳本グループを買い取ったら…認めて下さい」
「何をだ?」
「離婚です」
「シュンっ‼︎何言ってるのよ‼︎」
「お前っ」
「父さんと由希に頼らずここまで来たんです。今後もそのつもりなので…」
「、、、、」
「シュン、離婚は絶対イヤよっ」
「父さんっ」
「柳本グループを買い取る自信はあるんだな?」
「あります」
「もし出来なかったら離婚は諦めるって事…でいいか?」
「はい。必ず買い取りますので」
「よっぽど自信があるんだな。わかった」
「お義父さんっ‼︎」
「ありがとうございます」
話を終えたシュンは部屋を出て行った。
「お義父さん!本気なんですか⁈シュンは本当に柳本グループを買い取りますよ!」
「今までシュンのことを甘く見ていた。あそこまで株も暴落して危ない状態からここまで立ち直らせたんだ…もう私と由希さんの助けは必要ないみたいだ」
「私はどうなるんですか⁈」
「シュンが別れたがってるんだ。シュンが柳本グループを買い取ったら、悪いが由希さんが折れてくれ…」
「そんな…」
そう言うと会長は由希を残し部屋を出て行った。
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