プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
11 / 110

11話 心苦しい日々

しおりを挟む

冷めた態度を取るといってもスミにとってとても辛い事だった。
だがスミは覚悟を決めた。
普段はシュンが帰って来たら喜んでお出迎えしているが、この日はシュンを待たずに先に夕食を済ませた。


19時30分頃、シュンが帰って来た。


「ただいま」

「おかえり。ご飯出来てるから」

「えっ、スミは?」

「先に食べたよ。シャワー浴びて来るね」

「あっ…うん」


シュンが1人で食事をしている中、スミはシャワーを浴びながら考えていた。


急に冷たくしたら変に思うよね…
徐々にやっていこう…
私が嫌われればいいんだ…


スミがシャワーを済ませてリビングに行くとシュンは食事の後片付けをしていた。
その姿を見てスミは心苦しかった。


「あっ…スミ、ごちそうさま。美味しかったよ」

「う…うん」

「じゃ俺もシャワー浴びて来ようかな」

「うん」


シュンがシャワーを浴びている間に、スミは寝室に行きベッドに入った。
頑張って寝ようとするが、まだ20時過ぎなので眠れない。


しばらく経ってシャワーを済ませたシュンが寝室に入って来た。


「スミ…寝てるの?」


スミは寝たふりをしていた。


「疲れてるんだね…ゆっくりおやすみ」


シュンはスミの頭を撫でてリビングに行った。


シュン…ごめんね…


翌朝、スミが目覚めると隣にシュンの姿はなかった。
いつもは朝食の準備をしているが、もう作らない事を決めたスミがリビングに行くと、朝食とメモが置いてあった。


“おはよう。朝食作ったから食べてね。行って来ます”


シュン…


スミはシュンが作った朝食を味わって食べた。


そしてこの日の夜も翌日もスミは家事を一切しなかったが、シュンは一言も文句を言わなかった。


3日後、早く帰って来たシュンはスミを連れ出し車に乗せた。


「どこに行くの?」

「内緒っ」

「え…」


シュンはスミに微笑んで車を走らせた。


しばらく車を走らせると、湖が目の前にある別荘に着いた。


「ここは?」

「会社の別荘だよ。ずっと使ってなかったからたまには使ってあげないとね」


最近スミの様子がおかしいと思ったシュンは、少しでもスミに元気になって欲しいと思って連れて来たのだ。


「行こっ」

「うっ…うん」


中へ入るとテーブルに料理が並べてあった。


「えっ、これ…どうしたの?」

「どうしたって…俺が作ったけど?」

「いつ?今日は仕事だったんじゃ?」

「早く切り上げたんだよ。どう?驚いた?」

「うん…」

「俺だって本気出せば料理出来るんだよ」


確かに盛り付けも丁寧で美味しそうに出来ていた。


「座って。食べよ」

「う…うん」


シュンはグラスにワインを注いだ。


「えっ…飲むの?帰りは?」

「明日は休むから泊まろう」

「どうしてそこまでして…」

「最近どこにも連れて行ってないし、色々上手くいかなくてスミも疲れてそうだったから。たまには気晴らしにいいでしょ」

「、、、、」

「さぁ、食べよ」

「…うん」


料理を口にしたスミはあまりの美味しさにシュンの愛を感じたが、美味しいとは口に出さなかった。
スミは素直になれない自分が嫌になり、ワインを早いペースで飲んだ。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

二度目の初恋は、穏やかな伯爵と

柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。 冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

処理中です...