プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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49話 シュンの打ち明け

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秘書が社長室に入るとシュンが待っていた。


「社長、遅くなりました」

「どうだった?」

「無事に帰られたので今日はもう大丈夫そうです」

「スミは…大丈夫だった?」

「…社長、今からちょっと飲みに行きませんか?」

「今から?」

「はい」

「ここでは話せないの?」

「社長に聞きたい事もあるし…飲みに行きましょう」


2人は居酒屋に行った。


秘書は2杯目のビールを飲むとようやく話し始めた。


「社長…スミさんって勘が鋭いですね。柳本が釈放されて心配で来たって事バレました」

「えっ⁈じゃ…俺のことも⁈」

「いえ、社長は知らないって言いましたよ。スミさんもこの事は社長には言わないで欲しいって。心配するからって」

「そっ…そう。それでスミは大丈夫だった?」

「…はい。会社に柳本が来た時も特に何事もなかったみたいです」

「実家には来てないって?」

「今のところ1度会社に来ただけみたいです。保釈金払って出た事も知ってました」

「あいつ…次は何をしでかすつもりだ」

「社長、教えて下さい‼︎」

「何を?」

「スミさんと別れた本当の理由です」

「えっ…それは話しただろ…」

「スミさんは社長のこと嫌いになんかなってないし、むしろ未だに想っているのがわかります。それは…社長も同じでしょ?他に理由があるはずです」

「、、、、」

「僕のこと…そんなに信用ないですか?」

「信用してるに決まってるだろ。そんなに知りたいのか?」

「…はい。2人を見てたら納得出来ないんで」


シュンは別れる事になった本当の理由を全て話した。


「えっ⁈そんな事って…社長のお母様とスミさんのお父様が…」

「だから俺とスミは別れるしかなかった。俺も後から知ったから…スミから別れを切り出された時はてっきり俺のことが嫌になったと思ってたけど…」

「そんな…お互い好きなのに…どうにか出来ないんですか⁈」

「無理だろ…スミのお母さんの立場を考えたら」

「そうですけど…でもそんなの辛すぎます。好きなら駆け落ちでもすればいいじゃないですか。この件が落ち着いたら社長はまた福岡に行くんでしょ?スミさんを連れてい行けばいいじゃないですか」


シュンは秘書を見て笑った。


「何ですか?」

「…ちょっと知ってる子に岸田秘書が似てるなーと思って」


シュンは岸田秘書を見てテルのことを思い出していた。


「社長!僕は真面目に言ってるんですけど」

「ごめんごめん。スミは1人娘だし、お母さんのこと考えたらそんな事は出来ない」

「でも好きなら」

「好きだから…だよ」

「社長…」

「さぁ、食べよ。冷めるよ」

「…はい。ちなみに…」

「何?」

「僕に似てる子って…そんなに似てるんですか?」

「似てる。考えてみたらあいつも秘書だったな…」

「秘書?ですか?」

「うん。スミの秘書をしてた子。年も同じくらいじゃないかな」

「へぇー…初耳です。じゃ専務も知ってるんですね」

「うん。いつか会わせるよ。今は福岡の施設で働いてるし」

「えっ⁈本当ですか⁈何だか…僕の知らない事ばかりです…」

「ごめん。これからは何でも話すから。その子テルって言うんだけどすごくいい子だよ。岸田秘書とも気が合うと思う」

「もう…その人の話はいいです」


岸田秘書は密かにテルに嫉妬していた。


「それより…スミは今どうやって出勤してるって?」

「あっ…はい。自分で運転されてます。今日帰ってる所を確認しましたが、ちょっと危なっかしかったです」

「スミは運転慣れてないと思うし危ないな」

「雨の日は怖いからタクシーかバスを使うって言ってました」

「そっか…会社出る時間は聞いた?」

「はい。19時前後です」

「わかった。ありがとう」

「明日から帰宅まで見届けるんですか?」

「うん。あいつにも近いうち話しに行く」


翌日からシュンは19時前に柳本グループの近くへ行き、スミが家に帰り着くのを見届けて帰るようになった。


3日後、この日は雨だった。


いつも通りシュンは会社の近くでスミが出て来るのを待っていた。
スミは歩いてバス停に向かっていた。


雨だから…今日はバスで帰るのか…


しばらくバス停の近くに車を停めて待っているとスミがバスに乗り込んだ。
シュンはバスの後ろを走った。


スミはバスを降りると自宅までの長い距離を歩いていた。
シュンは車を降りてスミの後ろを離れて歩いた。


この辺は暗いし…雨の日バスだと危ないな…


すると1人の男がスミに近寄って話しかけていた。
裕二だと思ったシュンは急いでスミの元へ走り寄り男の手を掴んだ。


「なっ…何するんですかっ⁈」


え…


「シ…シュン!!」


その男は裕二ではなかった。


「すっ…すみませんっ。何してるんですかっ?」

「私はただ道を尋ねてただけですよ」


男は迷惑そうな顔でその場を去って行った。


突然シュンが現れた事にスミは驚きを隠せなかった。


「どうして…どうしてここに居るのっ⁈」

「あの…それは…」

「もしかして…岸田さんから聞いて戻って来たのっ⁈」

「、、、、」

「そうなのね、口止めしてたのに…」

「スミ…全部話すよ」


隠すのが面倒臭くなったシュンは全てを話そうと思い、スミを誘って近くのカフェに入った。







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