プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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61話 嫌な予感

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レストランに着いたシュンは店長を呼び、スミに渡す花束を預けた。


「俺が合図したら持って来てくれよ」

「わかりました。社長」

「合図したら…だからな」

「はい」


約束の時間になりシュンはテーブル席で待っていたが20時になってもスミが来ない。


スミ…遅いな…


「あの…お料理はもう運んでいいですか?」

「もうちょっと待って」

「わかりました」


シュンはスミに電話をかけた。
しかし何度かけても出ない。


どうしたんだ…
スミは遅刻しないのに…
何で電話にも出ないんだ…


20時半になりレストランを出て車に乗った。


電話にも出ないし…
何かあったに違いない…


心配になったシュンは柳本グループに行った。
会社の下に着き8階を見上げると電気がついていた。
シュンは急いで社長室に行きドアを開けるとそこにはボロボロになったスミが床に横たわっていた。


「ス…スミ…?」


うっ…嘘だろ…


シュンは慌ててスミを抱き起こした。


「スミ…どうしたんだ⁈えっ…」


スミの腫れあがった顔を見てシュンはショックを受けた。


「見ないでっ…」


スミは顔を隠し声を張り上げて泣いた。


「誰に殴られた…?」

「、、、、」

「あいつか⁈」


スミは首を横に振った。


「じゃあ誰だよ!誰がこんな酷いことを⁈」


シュンはスミを抱え上げた。


「病院に行こう」

「いやっ‼︎こんな顔で行きたくない」

「大丈夫なのか⁈」

「他は大丈夫だから」


シュンはスミを車に乗せ、ひとまずホテルの部屋に行った。


「スミ…説明できる?」

「、、、、」

「スミ…」

「…今日…急に…男の人が…面接に来たの…」

「面接に?」

「そしたら…急に押し倒されて…顔を…」


シュンは怒りを押し殺していた。


「顔を殴ってきた…」

 
シュンはスミの破れたブラウスを見た。


「…他は?」

「…それだけ…顔だけを殴られた」

「顔…見せて」


スミがゆっくり顔を上げるとシュンはスミを抱きしめた。


「スミ…その男、必ず捕まえるから」

「その男は指示に従っただけ…裕二の指示よ…」


その言葉を聞いた瞬間、シュンは怒りを抑えきれずその場を離れた。


「シュン…?」


シュンは洗面台に行き拳を握りしめた。


岡田裕二…
どうしてスミばっかりこんな目に…
絶対に許さない…


「シュン…大丈夫?」

「あっ…うん。スミ…顔冷やそうか」


シュンはスミをベッドに寝かせると濡れたタオルをスミの頬に当てた。


「痛っ…」

「ごめんっ」

「ううん。でも…どうしよう。こんな顔じゃ誰にも会えない…」

「…会社はどうにかするからスミはしばらく休むといいよ」

「どうにかって?」

「今は会社は稼働しないといけないから専務に見てもらうように頼んでみるよ」

「専務に?何か申し訳ないな…」

「専務は柳本グループに居たし、ある程度の事はわかるはずだから」

「…うん。すごく助かる…」

「家は…どうする?」

「お母さんに会えない…」

「じゃ…どうするの…?」

「、、、、」

「しばらくここに居るといいよ」

「え…」

「明日、お母さんに話しに行って来る。心配しないように話すから」

「シュン…大丈夫?」

「うん…俺にも責任があるし。あいつは何も出来ないって安心してた…そんな自分に腹が立つよ…」

「シュン…」

「スミ…こんな目に合わせてごめんね」

「シュンは何も悪くないから謝らないで」

「スミ…こんな時にアレだけど…」

「え?」

「誕生日おめでとう」


そっか…
私…今日誕生日だったんだ…


「…ありがとう」


いつの間にかスミはシュンの腕の中で眠っていた。


翌朝、シュンは寝ているスミに声をかけた。


「スミ」

「ん?」

「おはよう」

「…おはよ」

「今から行って来るから。今日はちょっと帰りが遅くなるかも知れないからゆっくりしてて。ルームサービスはドアの外に置いてもらうように頼んだからちゃんと食べてね」

「ありがとう。今からお母さんの所に行くの?」

「うん」

「ごめんね。シュン1人で行かせて…」

「何言ってるんだよ。スミは何も心配しなくていいから」

「シュン…あの人の所には行かないよね?」

「、、、、」

「シュン?」

「うん…じゃ行って来る」

「シュン…何時ごろ帰る?」

「22時くらいかな」

「必ず帰って来てよ」

「当たり前だろ。待ってて」

「…うん」

「愛してるよ」


シュンはそう言うとスミのおでこにキスをして出て行った。


スミの家に着いたシュンは母親に説明した。


「朝早くから突然すみません」

「どうしたの?会社の事かしら?」

「…お母さん、すみません!」

「えっ、何かあったの⁈」

「スミさんは今、僕と一緒に居ます」

「スミが⁈どういう事⁈」


シュンは昨日の出来事を伝えた。
母親が心配しないように殴られた事は言わなかった。


「えっ?スミが襲われかけたの⁈」

「はい。昨日仕事で柳本グループに行ったら見知らぬ男が社長室にいて…」

「それで…スミは大丈夫なの⁈」

「大丈夫です。だからしばらく僕の会社のホテルにスミさんを置いておきたいんですが…」

「…裕二さんが指示したって…どこまでしつこいのあの男」

「お母さん、僕は実家に帰らず今はホテル暮らしなのでスミさんは僕が泊まってる部屋に居るんですが…お母さんは嫌でしょうから部屋は別に取りますので…いいですか?」

「会社は?スミは会社に行かないの?」

「はい。しばらくは専務に行ってもらいます。僕が岡田と話をつけますので…それまでスミさんを守ります」

「…そうね。ここに居るより安全かもね。地曽田さん…」

「はい」

「同じ部屋でいいからスミと一緒に居てあげて」

「えっ…いいんですか?」

「その方がスミの為にもいいわ…」

「ありがとうございます!」

「、、、、」

「スミさんと会社の事は安心して下さい。僕が守り通しますので」

「…ありがとう。信じてるわ」


スミの家を出たシュンはSS社に向かった。





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