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72話 確保
しおりを挟む2日後の夜、岸田秘書と専務はスミの居るホテルで打ち合わせをしていた。
「明日、ある男を会社に呼び出し捕まえようと思います」
「ある男って?」
「スミさんを襲った男です」
「え⁈」
「岡田の指示のフリして自分か専務を襲うようにメールして会社に来させます」
「メールって…知ってるんですか?」
「はい。岡田の携帯から探しました」
「えっ、どうやって⁈」
「それは…色々と…」
「でも大丈夫ですか?危険じゃないですかっ?」
「僕たちこう見えても強いんですよ。特に岸田秘書は」
「そうなんですね」
「はい。ただ問題は捕まえてからです。どうやって白状させるか…」
「もし裕二の指示でやったって白状したら…」
「警察は岡田を調べますよね」
「…何としてでも白状させないと」
「色々と方法を考えましたが…1番いいのがスミさんなんです」
「私?」
「はい。スミさんの協力が必要なんです」
「もちろん協力します。何をすれば?」
「スミさんにその男を脅して欲しいんです。警察に被害届を出すって」
「そうなるとスミさんはその男と会う事になります。それで当時の事を思い出して目の前にするのが嫌なら別の方法を考えます」
「…会いますっ」
「本当ですかっ⁈」
「ありがとうございます。自分たちがしっかり捕まえておきますので安心して下さい」
「わかりました」
「では早速メールしてみましょう」
「そうだな。俺がおとりになっていいから」
「はい、わかりました」
岸田秘書は早速、裕二のフリをして斉藤にメールした。
“岡田だ。明日19時地曽田グループの18階の右奥の部屋に黒川という男が居る。立てなくなるくらいヤレ。報酬は500だ”
するとすぐに返事が来た。
「返事が来ましたっ」
“お疲れ様です。岡田社長ですか?”
“そうだ。携帯変えた”
”了解しました。入ってすぐ襲えばいいんですか?”
“ああ”
“わかりました”
「よしっ、上手くのってくれました」
「じゃ明日実行だな」
「私はどうすればいいですか?」
「18時ここに迎えに来ます。男が来る部屋は倉庫として使ってる部屋なので自分は棚の後ろに隠れます。スミさんは隣の部屋に居て下さい。捕まえたら呼びに来ますので」
「わかりました」
そして翌日、スミは18時に迎えに来た岸田秘書の車に乗り地曽田グループに向かった。
「他の社員たちは?」
「17時には全員退社させましたので僕たち以外誰も居ません」
「そうですか」
「社長の為にも頑張りましょう」
「はい」
会社に着くと岸田秘書は専務が居る部屋へ行き、スミは隣の部屋に行った。
「失敗は許されないな。もし逃げられたりでもされたら岡田にバレるからな」
「はい。ちゃんとロープ準備してきたので捕まえたら縛ります」
「わかった。お前はどこに隠れる?」
「あの棚の後ろに隠れます」
「ああ、あそこならバレないな」
「もうすぐですね」
「何か緊張してきたなっ」
「専務にケガさせませんので安心して下さい」
時刻は19時になった。
ドアの外から足音が聞こえ専務は待ち構えた。
ドアが開き、フードを深く被った斉藤がバットを片手に持って入って来た。
その姿を見て専務は思わず後退りした。
「黒川ってお前か?」
「そっ…そうだ。お前は⁈」
斉藤は突然専務に襲いかかった。
それと同時に岸田秘書が出て来て斉藤を蹴り飛ばした。
「専務っ、大丈夫ですかっ⁈」
「…ああ…大丈夫だ」
「クッソー!何だお前っ」
斉藤はすぐに立ち上がりバットを振り回した。
岸田秘書は上手く交わして斉藤のみぞおちを思い切り殴った。
斉藤が倒れ込んだ隙にロープを出し、暴れる斉藤を2人がかりで押さえ付け両手と両足を縛った。
「お前らっ!何する気だっ」
専務が斉藤のフードをめくるとあまりの若さに2人は驚いた。
「まさか…未成年じゃないよな?」
「…有り得ますね。とりあえずスミさんを連れて来ます」
「わかった」
岸田秘書は隣の部屋に行きスミを連れて戻って来た。
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