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90話 関係をはっきりさせたいシュン
しおりを挟む翌日、会議が終わりシュンは岸田と打ち合わせをしていた。
「この件は柳本グループに任せよう」
「えっ、いいんですか?」
「もうちょっと伸ばさないといけないから」
「わかりました」
「あっ…テルを泊めてくれてありがとう」
「社長っ!聞いて下さい。あいつ…いびきがすごくて全然眠れませんでしたっ」
「あー、確かにテルのいびきはすごいなぁ」
「俺の布団も取りやがって」
「帰ってすぐ寝たの?」
「いいえ。また飲みました」
「そっか」
「気付いたら語り合ってました。社長のことを…」
「え、どうして俺のこと…」
「あいつ…心底社長のこと信頼してるし大好きですね。僕には負けるけど」
「そっ…そう…」
「でも…話しててわかりました。あいつ意外といい奴でした」
「だろー、よかった。今度みんなでテルに会いに行こう」
「はいっ。ところであれからスミさん、すぐ帰ったんですか?」
「え…いいや、ちょっと飲んだよ」
「それから?」
「それからって…」
「あいつ心配してましたよ。社長とスミさんのこと…今現在の関係を聞けなかったみたいで…あいつも社長とスミさんには幸せになって欲しいって言ってました」
「テルの奴…」
「僕も社長とスミさんには幸せになって欲しいです」
「ヨリは戻すよ」
「本当ですかっ?」
「うん。今からスミのお母さんに話して来るから」
「そうなんですね。わかりました。きっと歓迎してくれますよ」
「…じゃ行って来る」
シュンはスミの母親に連絡して家まで会いに行った。
「話って?会社の事かしら?」
「…いいえ、スミさんとの事です」
「スミの事?」
「はい…」
「…何?」
「会長っ…いや…お母さんっ」
「え?」
「スミさんとの交際を認めてもらえませんか?」
「えっ」
「継母は出て行ったし、もう会う事はありません」
「、、、、」
「堂々と付き合いたいんです」
「スミとは…プライベートで会ってるの?」
「はい…すみません」
「もしかして…一昨日帰って来なかった時も…?」
「…僕と一緒に居ました」
「あの子ったら‼︎嘘なんかついて」
「すみません。もう嘘をつかせたくないんです」
「、、、、」
「お母さん…」
「少し…考えさせて」
「…え」
「あなたのことが嫌な訳じゃないの。ただ色々あり過ぎたから…ちょっと考えさせてちょうだい」
「…わかりました」
「ごめんなさいね」
「いいえ。お母さんの気持ちもわかります」
「スミのせいであなたも散々巻き込まれたのに…本当にスミのこと好きなのね」
「巻き込まれたなんて思ってませんし、スミさんのことは別れた後もずっと想ってました。好きな気持ちは変わりません」
「地曽田さん…」
スミの母はスミにはシュンはもったいないと思う気持ちと、シュンに対して申し訳ないという気持ちが強かった。
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