プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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98話 過労

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コンコン…


「どうぞ」

「お疲れ!」

「社長っ!」

「今スミに会って来た」

「そうですか。それより岡田のこと聞きましたか⁈」

「聞いたよ。本当すごい奴だよ」

「すぐ捕まると思いますけどね」

「だと思うけど、念の為スミのことよろしく頼む」

「わかりました」

「それと…斉藤くんは毒殺だった」

「毒殺⁈ですか⁈自分で毒を飲んだんじゃ…?」

「それはまずない。溺れたんだったら事故だけど毒って事は他殺だ」

「そんな…一体誰がっ」

「金目当てだろう。計画的な犯行ではないと思う。本当にタチが悪過ぎる」

「弱い者を殺すなんて。岡田みたいな奴ですよ、きっと」

「ああ…岡田は一昨日脱走したんだよね?」

「そう聞きました」

「斉藤くんも一昨日見つかった…」 

「…そっ…そうですね」

「ま…まさか」

「まさかー」

「そうだよね…まさかね…」

「あとは警察に任せましょう」

「…うん。あっ、もう18時か!仕事が溜まってたんだった。もう行くよ」

「わかりましたっ」


シュンは急いで会社に戻って行った。


会社に戻り、ここ2日分の溜まった書類に目を通していると岸田が入って来た。


「社長、戻られてたんですね」

「うん」

「結果…どうだったんですか?」

「毒が検出されたよ」

「えっ⁈じゃ殺人ですか⁈」

「うん」

「どうしてあいつが殺されなきゃいけないんだっ‼︎」

「岸田秘書、俺が急いで目を通しておかないといけない書類はこれで全部?」

「はいっ。サインもお願いしますね」

「了解」


岸田はシュンに栄養ドリンクを開けて渡した。


「え」

「1人で動き回ってたから疲れてるでしょう?飲んで下さい」

「ありがとう…頂くよ。岸田秘書、もう上がっていいからね」

「…はい」


岸田は帰らず、シュンの仕事が終わるまで社長室で自分の仕事をしていた。
集中しているシュンは岸田の存在に気付かず黙々と書類に目を通していた。


「終わりましたか?」

「うわっ、びっくりしたぁー!えっ…ずっとそこにいたの⁈」

「もしかして気付かなかったんですかっ⁈」

「ごめん。帰ってよかったのに」

「社長置いて帰れませんよっ。ところで夕食はどうするんですか?」

「夕食?あーもうこんな時間か」

「ちゃんと食べてます?」

「そういえば…ここ2~3日まともに食べてないかも」

「でしょうね。お腹空きません?」

「あんまり空いてないけど…岸田秘書は?」

「もうすぐ21時ですよっ。僕はお腹ペコペコです」

「よしっ、じゃ何か食べに行くかっ」

「行きましょう」


シュンは立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になった。


えっ…


そのままシュンは倒れてしまった。


「社長っ‼︎社長っ‼︎」


岸田は慌てて救急車を呼び、シュンは病院に運ばれた。


翌朝、目が覚めたシュンは少しずつ目を開けた。


ここはどこだ…?


「シュン‼︎」


え?


「社長っ」

「社長っ!大丈夫ですか⁈」


シュンが目を開くと、自分の手を握っているスミとその後ろに岸田と黒川が立っているのが見えた。


「スミ…岸田秘書…黒川社長…」

「シュン、大丈夫⁈」 

「…うん。ここは…病院…?」

「そうですよ。社長…昨日倒れたんですよっ‼︎」

「あ…あの時…」

「昨夜、岸田秘書から連絡あって…スミさんとすっ飛んで来ましたよ」

「ごめん。俺…どうして倒れたんだ…?」

「重度の過労だそうです。食事も睡眠もろくに摂ってなかったでしょ?」

「、、、、」

「入院する必要ないみたいですから帰ってゆっくり休んで下さい」

「もう大丈夫だから会社に戻るよ」

「何言ってるんですかっ。休んで下さい」

「そうよっ。安静にしててっ」

「スミさんも今日は休んでいいですから、社長についててあげて下さい」

「わかりました」

「じゃ僕たちは会社に行きます。スミさんお願いしますね」

「はい」

「2人とも…ごめん」

「あまり1人で無理しないで下さいね」


岸田と黒川は病室を出て行った。


「シュン…ごめんね。シュン1人で動いてもらってた…本当ごめんなさい」

「俺が勝手にした事だからスミが謝ることないよ。心配かけてごめん」

「…シュン」

「スミ、タクシー呼んで。帰りたい」

「わかった。ちょっと待ってて…先生呼んで来るね」


先生の許可が出て2人はシュンの家に帰った。


「シュンは部屋着に着替えてベッドで休んで」

「え、もう大丈夫だからいいよ」

「ダメ!私は買い物に行って来るから。何食べたい?」

「スミの手料理だったら何でもいいけど…買い物なら俺が連れて行くよ。一緒に行こう」

「シュンは寝てて。シャワー浴びるなら転ばないようにね。じゃ私行って来るから」

「…はい」


スミには敵わないな…


シュンはシャワーを浴びてベッドで横になるといつの間にか眠りについていた。


シュンが目を覚ました時はもう18時を過ぎていた。


えっ…もうこんな時間…⁈


リビングに行くとスミは料理の盛り付けをしていた。


「起きたのね」

「こんな時間まで寝てたなんて…」

「ぐっすり寝てたね。お腹空いたでしょ。食べよっ」

「うん」









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