24 / 25
24話 セナの決意
しおりを挟む
テソンが亡くなって、何もやる気がなくなった寿美子は、仕事も辞め、毎日テソンのお墓に行っていた。
ある日、いつものようにお墓に行った寿美子はテソンに話しかけていた。
(テソン…私これからどうしたらいいの?テソンがいない人生なんて無理。あの時、私が走ってテソンのとこに行かなければ…テソン…ごめんなさい。テソン…私…テソンのとこに行きたい…)
そんな寿美子をセナは影で見ていた。
(あいつ…何言ってるんだ)
そして寿美子はあてもなく歩いて行く。
ひたすら歩いてビルに入って行った。
自然に…足が勝手に、屋上に向かう。
屋上につくと、靴を脱ぎ、飛び降りようとする。
すると、後から手を引かれ、抱きかかえられた。
「何やってるんだ‼︎」
「セナさん⁈…イヤッ、テソンのところに行きたいんです‼︎行かせてください‼︎」
寿美子は泣き叫ぶ。
「こんなことしてテソンが喜ぶと思うか‼︎いい加減で目を覚ませ!」
「だって…私…もう生きたくない‼︎」
「子供は⁈テソンとの子供がいるんだろ?子供も殺してしまうのかよ‼︎しっかりしろ‼︎」
寿美子はお腹に触れる。
「テソンは、お前と子供を守ってくれたんだよ。身代わりになった。あいつの為にも頑張って生きろよ‼︎」
セナは寿美子を抱きしめた。
「お前の気持ちもわかる。俺だってたった1人の兄弟なくして辛いんだ…頼む…生きてくれ。あいつのことを想うなら…」
(わかってる…わかってるけど…もうテソンは居ないんだ…)
そしてセナは寿美子を連れて帰った。
マンションに着き、リビングに入っても寿美子はずっと黙ったままだ。
「スミコ、ちゃんと食ってるのか?何もないじゃん」
寿美子は何も言わず、テソンの寝室に行った。テソンの匂いが残っているベッドで、毎日寿美子は泣いていた。
(あいつ…どうしたらいいんだ…一体どうやったら…)
テソンは俺と違って優しかった…
テソンは俺と違って思いやりがあった…
テソンは俺と違って、自分より相手優先だった…
あいつは…いつでも真っ直ぐな男だった…
セナは一晩中考えていた。
寿美子はテソンの枕を抱いて眠りにつき、翌朝目が覚めた。
「スミ…」
(誰か私を呼んでいる)
「スミ」
(えっ、テソン?)
寿美子が目を覚ますと、目の前にテソン?がいる…
寿美子は泣きながら飛びついた。
「テソンなのね?テソン‼︎」
テソンそのものだった。
「俺がテソンの代わりになるよ」
「え…セ、ナさん?」
髪型も、服装も、喋り方もテソンだ。
慌てて離れる寿美子を引き止めた。
「俺がスミを守るから。もっとテソンになれるように頑張るから」
「…セナさん…」
セナは寿美子を抱きしめた。
セナは一晩中考えて、テソンになろうと決めた。
1ヵ月後、みるみるうちにセナはテソンにそっくりになっていた。
セナの努力のおかげで、寿美子は精神的にも落ち着き、普通の生活に戻った。
2人は久しぶりにテソンのお墓へ行き、テソンに話しかけた。
「テソン…私、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね。テソンが安心出来るように私、前向くから。この子のためにも…」
寿美子はお腹を触りながら言った。
「兄貴、俺、スミを守るから。兄貴みたいになるには、まだまだ程遠いけど努力する。そして兄貴が心から愛した人を俺が幸せにしたい。いいよね?テソン…」
「セナさん…」
そして2人は車に乗る。
「このままどこか行こうか?」
「うん」
「どこに行きたい?」
「んーと… 済州島‼︎済州島に行きたい!」
「済州島?」
「うん。済州島行きたい」
「そっか。わかった。行こう!」
そして、その日の夜、済州島に着いた。
少し歩くと、静かな別荘があった。
「誰かいるかな?」
セナがドアを開ける。鍵はかかっていない。
「誰もいないみたいだね」
「どうする?」
「ここ、泊まろう‼︎」
「そうだね。誰もいないし」
「お庭、いい感じだよ~」
2人は庭にある椅子に座り、買ってきたビールを飲む。
「テソンもきっと見守ってくれてるよ」
「うん」
「俺、少しはテソンに近づいているかな…」
「うん。テソンにしか見えない…」
「ほんと⁈」
「初めて会ったときの派手な格好や、強引さ、俺様な話し方はどこへ行ったんだろうね…」
「それは…努力してるから…」
「…ありがとう」
「スミ、テソンの分まで幸せになろうね」
2人は初めてキスをした。
部屋に戻り、セナが寝た頃、寿美子は眠れず、海が見たくなり、1人歩いて海岸を歩く。荒れている海を見ながら、浜辺に座りテソンとの思い出を振り返っていた。
(テソン、私…テソンの分まで生きるからね…もう泣かない。テソン…永遠に愛してる…)
暗い海の中に、何かが見えた。
「あれ…何?」
よく見ると、何かが波に流されている。
寿美子は慌てて海に向かって走って行った。
子供が溺れていた。
寿美子は海に入り、子供のところに行こうとするが、波に邪魔され、なかなか思い通りに進まない。
必死で子供のところに行った寿美子は、溺れた子供を抱きかかえ、砂浜の近くまで連れて行った。
すると、大きな波が寿美子を襲う。
そして、そのまま寿美子は波にのまれた…
(まだ、死にたくない……テソン……せめて……この子だけは……)
だが、波が引いても寿美子は上がってくる事はなかった…
(でも、これで…テソンの所へ行けるのね…)
ある日、いつものようにお墓に行った寿美子はテソンに話しかけていた。
(テソン…私これからどうしたらいいの?テソンがいない人生なんて無理。あの時、私が走ってテソンのとこに行かなければ…テソン…ごめんなさい。テソン…私…テソンのとこに行きたい…)
そんな寿美子をセナは影で見ていた。
(あいつ…何言ってるんだ)
そして寿美子はあてもなく歩いて行く。
ひたすら歩いてビルに入って行った。
自然に…足が勝手に、屋上に向かう。
屋上につくと、靴を脱ぎ、飛び降りようとする。
すると、後から手を引かれ、抱きかかえられた。
「何やってるんだ‼︎」
「セナさん⁈…イヤッ、テソンのところに行きたいんです‼︎行かせてください‼︎」
寿美子は泣き叫ぶ。
「こんなことしてテソンが喜ぶと思うか‼︎いい加減で目を覚ませ!」
「だって…私…もう生きたくない‼︎」
「子供は⁈テソンとの子供がいるんだろ?子供も殺してしまうのかよ‼︎しっかりしろ‼︎」
寿美子はお腹に触れる。
「テソンは、お前と子供を守ってくれたんだよ。身代わりになった。あいつの為にも頑張って生きろよ‼︎」
セナは寿美子を抱きしめた。
「お前の気持ちもわかる。俺だってたった1人の兄弟なくして辛いんだ…頼む…生きてくれ。あいつのことを想うなら…」
(わかってる…わかってるけど…もうテソンは居ないんだ…)
そしてセナは寿美子を連れて帰った。
マンションに着き、リビングに入っても寿美子はずっと黙ったままだ。
「スミコ、ちゃんと食ってるのか?何もないじゃん」
寿美子は何も言わず、テソンの寝室に行った。テソンの匂いが残っているベッドで、毎日寿美子は泣いていた。
(あいつ…どうしたらいいんだ…一体どうやったら…)
テソンは俺と違って優しかった…
テソンは俺と違って思いやりがあった…
テソンは俺と違って、自分より相手優先だった…
あいつは…いつでも真っ直ぐな男だった…
セナは一晩中考えていた。
寿美子はテソンの枕を抱いて眠りにつき、翌朝目が覚めた。
「スミ…」
(誰か私を呼んでいる)
「スミ」
(えっ、テソン?)
寿美子が目を覚ますと、目の前にテソン?がいる…
寿美子は泣きながら飛びついた。
「テソンなのね?テソン‼︎」
テソンそのものだった。
「俺がテソンの代わりになるよ」
「え…セ、ナさん?」
髪型も、服装も、喋り方もテソンだ。
慌てて離れる寿美子を引き止めた。
「俺がスミを守るから。もっとテソンになれるように頑張るから」
「…セナさん…」
セナは寿美子を抱きしめた。
セナは一晩中考えて、テソンになろうと決めた。
1ヵ月後、みるみるうちにセナはテソンにそっくりになっていた。
セナの努力のおかげで、寿美子は精神的にも落ち着き、普通の生活に戻った。
2人は久しぶりにテソンのお墓へ行き、テソンに話しかけた。
「テソン…私、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね。テソンが安心出来るように私、前向くから。この子のためにも…」
寿美子はお腹を触りながら言った。
「兄貴、俺、スミを守るから。兄貴みたいになるには、まだまだ程遠いけど努力する。そして兄貴が心から愛した人を俺が幸せにしたい。いいよね?テソン…」
「セナさん…」
そして2人は車に乗る。
「このままどこか行こうか?」
「うん」
「どこに行きたい?」
「んーと… 済州島‼︎済州島に行きたい!」
「済州島?」
「うん。済州島行きたい」
「そっか。わかった。行こう!」
そして、その日の夜、済州島に着いた。
少し歩くと、静かな別荘があった。
「誰かいるかな?」
セナがドアを開ける。鍵はかかっていない。
「誰もいないみたいだね」
「どうする?」
「ここ、泊まろう‼︎」
「そうだね。誰もいないし」
「お庭、いい感じだよ~」
2人は庭にある椅子に座り、買ってきたビールを飲む。
「テソンもきっと見守ってくれてるよ」
「うん」
「俺、少しはテソンに近づいているかな…」
「うん。テソンにしか見えない…」
「ほんと⁈」
「初めて会ったときの派手な格好や、強引さ、俺様な話し方はどこへ行ったんだろうね…」
「それは…努力してるから…」
「…ありがとう」
「スミ、テソンの分まで幸せになろうね」
2人は初めてキスをした。
部屋に戻り、セナが寝た頃、寿美子は眠れず、海が見たくなり、1人歩いて海岸を歩く。荒れている海を見ながら、浜辺に座りテソンとの思い出を振り返っていた。
(テソン、私…テソンの分まで生きるからね…もう泣かない。テソン…永遠に愛してる…)
暗い海の中に、何かが見えた。
「あれ…何?」
よく見ると、何かが波に流されている。
寿美子は慌てて海に向かって走って行った。
子供が溺れていた。
寿美子は海に入り、子供のところに行こうとするが、波に邪魔され、なかなか思い通りに進まない。
必死で子供のところに行った寿美子は、溺れた子供を抱きかかえ、砂浜の近くまで連れて行った。
すると、大きな波が寿美子を襲う。
そして、そのまま寿美子は波にのまれた…
(まだ、死にたくない……テソン……せめて……この子だけは……)
だが、波が引いても寿美子は上がってくる事はなかった…
(でも、これで…テソンの所へ行けるのね…)
5
あなたにおすすめの小説
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
清貧秘書はガラスの靴をぶん投げる
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お前、頬を叩いた詫びに婚約者になれ」
上司で社長の彪夏と秘書の清子はお似合いのふたりだと社内でも評判。
御曹司でイケメンの彪夏は女子の憧れの的。
清子はどこぞのご令嬢と噂され、男女問わず視線を集めていた。
……しかし。
清子には誰もが知らない、秘密があったのです――。
それは。
大家族のド貧乏!
上は高校生、下は生まれたばかりの五人弟妹。
おっとりして頼りにならない義母。
そして父は常に行方不明。
そんな家族を支えるべく、奮闘している清子ですが。
とうとう、彪夏に貧乏がバレたまではよかったけれど。
子持ちと間違われてついひっぱたいてしまい、償いに婚約者のフリをする羽目に。
しかも貧乏バラすと言われたら断れない。
どうなる、清子!?
河守清子
かわもりさやこ 25歳
LCCチェリーエアライン 社長付秘書
清楚なお嬢様風な見た目
会社でもそんな感じで振る舞っている
努力家で頑張り屋
自分がしっかりしないといけないと常に気を張っている
甘えベタ
×
御子神彪夏
みこがみひゅうが 33歳
LCCチェリーエアライン 社長
日本二大航空会社桜花航空社長の息子
軽くパーマをかけた掻き上げビジネスショート
黒メタルツーポイント眼鏡
細身のイケメン
物腰が柔らかく好青年
実際は俺様
気に入った人間はとにかくかまい倒す
清子はいつまで、貧乏を隠し通せるのか!?
※河守家※
父 祥平 放浪の画家。ほぼ家にいない
母 真由 のんびり屋
長男 健太(高一・16歳)服作りが趣味
次男 巧(高一・15歳)弁護士になるのが目標
三男 真(小五・10歳)サッカー少年
四男 望(保育園年中・5歳)飛行機大好き
次女 美妃(保育園児・五ヶ月)未知数
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる