君で変われた

赤城光城(あかぎみつしろ)

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キンセンカ

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次に会いに来る時は撮ってきた写真を見せると約束をしてから気がつくと2週間がたっていた。2週間空いたのは約束を忘れていたわけでは無く行くタイミングが分からなく考えていたら2週間も過ぎていたのだった。こんなに2週間が短く感じたのは初めてで自分の感覚時計が早く進んでいるみたいに思えた。今までの2週間の感覚は早いわけでもなくむしろ写真を撮る以外はつまらなさすぎて時が止まる寸前のように遅く感じていた。そんな自分がこの2週間は一日一日が少しずつ少しずつ早くなり知らないうちに日がすぎていた。「長塚さんはこの2週間何をやっていたのだろうか…」とふと思った。こんなに人について事を考えるのはいつぶりだろう、いや今まで考えた事無いかもしれない。今日こそは写真を見せに行かないと行けないと思い撮った写真が入っているSDカードとノートパソコンをカバンの中に入れ向かった。バス停で15分待ち病院行きのバスに乗り道沿いの木々が緑一色になったのを見ながら病院に着くまで見ていた。見ながらある事を考えていた。今日急に会いに行ってもよかったのだろうか…と余分なことか分からなかいがも考えていた。よく考えると連絡先も交換せずに話に夢中になり帰ってしまった事を思い出していると20分はあっという間に過ぎそうで気づいたら病院の一つ前の駅をすぎていた。病院に着き東館に向かっていると病院の広告を貼る場所に「8月3日夏祭り開催」と去年の花火だろう、写真と共に大きく書いてあった。毎年梅雨に入ってからは夏祭りの準備で町中が祭り当日まで活気が止まらない。夏祭りは小さい頃から行っていて毎年欠かさず行っている。今年も行く予定でいる。立ち止まっていたが見終わると病室に向かった。エレベーターで6階に上がり638番に着いた。手を殺菌して病室に入ると長塚さんが外を見ていた。見ていた景色は街が一望出来て夕焼けも綺麗に見えそうだった。長塚さんはそんな景色を悲しそうな今見ている景色とは別の景色を見ているように思えてならなかった。声をかけようとするとこっちを振り向く長塚さんは泣いていた。何か見ては行けない物を見てしまった罪悪感が自一瞬で自分を包み込んだ気がした。なんて声をかければいいのだろうか…そんな事を考えていた。長塚さんは自分を見ると直ぐに振り返り涙を拭いた。帰ろうかとも思ったが帰るに帰れないと思い長塚さんの隣にあるイスに座った。涙を拭き終わると長塚さんは毛布を覆いかぶさり顔を隠しながら話しかけてくれた。「中々来なかったから約束を忘れてたのかと声を思ってたよ…」と長塚さんはほっとした感じだった。「来れなかった理由はいつ行っていいのか分からなくて考えていたら2週間過ぎてて…とにかく来なくてごめん」涙を流してるのを見てからで動揺しながら説明しているから自分でも説明出来ているか分からなかった。でも分かった事もありタメ口になって話す事が出来ていると知った。2週間も考えればタメ口を使えるくらい自分の中で唯一気楽に話せるようになったのだろう。長塚さんは「何それ変なの」と笑って答えた。毛布を被さっているが素敵な笑顔が想像つく。少し落ち着くと「行くか悩んで考えて気づいたら2週間過ぎてたって…」と真剣に話すのかと思いきや「ちょっと待って考えば考えるほど馬鹿馬鹿しくて笑える」とまた笑い始めた。「なんで笑えてくるんだよ。こっちは真剣に考えていたら2週間過ぎていただけでなんだぞ」と言ってる自分だが笑う理由は分かる。考えなくても分かる事だが2週間も考えていたいたのだから馬鹿馬鹿しいと思うのは当然だと思う。自分の事を笑われているのに悪い気がしなかった。長塚さんはしばらく笑っていていたが笑いが止まると「笑ってごめん2週間もずっと考えていたんでしょ?私だったら他のことをして夢中になったりして忘れると思うんだけど大輔は凄いね」と被さっていた毛布から出ながら答えるとこの前来た時の笑顔になっていた。自分は笑顔を見たらほっと一安心をしたみたいな感じだった。「今日来たのはこの前約束した撮った写真を見せるために来たよ」カバンの中からパソコンと写真のデータが入ったSDカードを取り出した。
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