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人とのつながり
アダムの嘆き
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今回の貧血はなんだかんだで二週間くらい続いた。
月曜日に点滴した後は調子が良かったけど、その後もめまいが続いてーー火曜日、ビリーは私を心配してちょっとお互いにイライラしていた。
木曜日にシドニーへの一泊での出張を控えていたから。
「まだ顔色が悪いな。今日も学校行くの?」ってビリーは聞いた。
「うん。行かなきゃ。そろそろ卒論の準備も始まるし、学校の後はバイトにも行かなきゃないし。」
「カエ、そっちは休んだ方がいいよ。無理することないし、前みたいにゆっくり休んでいた方が早く治るから。」
「私が決めることだから。ーー行ってくる。」
その後もビリーからは何回も安否を確かめるSMSが来て、前より神経質になっている気がした。
前はもっとのんびり構えていてくれたのに、って。
そして、これは私が悪いんだけどウンザリして最後の方は無視してた。
語学学校でも着いた途端にスティーブンに「カエ、顔色が悪いんじゃない?って言われた。
「ちょっと体調崩してたの。大丈夫だよ。」私は必要以上に明るく言った。
明るくすることで、自分の体調も良くなるって昔から信じていた部分があったから。
両親に心配されないように、私は昔から病気の時でも出来るだけ明るく振る舞うことに慣れていたから。
「何?風邪?」ケビンが聞いた。
「ううん。ちょっと疲れが溜まったのか、また貧血気味で。昨日、ビリーに点滴してもらったんだけど、今朝まためまいがして。今は大丈夫だけど。」私は言った。
「あ、週末に南メルボルン市場行った?」ターニャが聞いた。体調以外の会話が本当に有り難かった。
「行った!いい所教えてもらっちゃった。楽しかったよ。美味しいものいっぱいありそうで、また行きたいなって思ってたの。」私は言った。
「あそこのパエリアが美味しいんだよ!食べた?」
「えー!食べてない!」
「ねえ、日曜日のお昼にみんなで食べに行かない?」ターニャが言った。
「いいね!俺まだ行ったことないから。」ケビンが言った。
「あー、俺はパス。ーー実はリンと新居を探してて。日曜日に不動産屋と会うことになってるから。」ジェイミーが言った。
「えー、そうなんだ?一軒家?」私は聞いた。
「うん。そろそろ家族を増やそうかっていう話になってて。ほら、子供部屋を作れる広さがある家を探そうって話してるんだよ。」
「わあ、素敵!いいね!」私は言った。
何よりも驚いたのはこの時、ビリーが語学学校に来たこと。ビリーはもちろん、私がメールの返信をしないから心配したんだけど、私はこの時、例えるならーー友達と遊んでいる時に「歯医者に行くわよ!」ってお母さんに引っ張っていかれる子供みたいな気持ちを感じた。恥と怒りを。
ビリーは顔も声も穏やかだったけど。
スクラブに松葉杖姿で、みんなに軽く挨拶をした後ーーまたターニャは「ビリー!」ってハグしてあげてたーー「カエ、メールの返信がないから心配して見に来たんだ。」って言った。
「ビリー!見に来たってーー車もないのにどうやって来たの?」私はビックリして聞いた。
「ちょっと外に出るついでに、テッドに乗せてもらった。」
私はそこでビリーを無理矢理引っ張って出入り口のドアまで連れて行った。ビリーはまだ足を着けないから、何回か転びそうになって「カエ!ちょっと!」って焦ってた。
私は「帰って!」って怒った。みんなに聞こえないように小さな声でだけど。
「カエ、顔色悪いし無理して働く必要はーー」
「無理してないから。過保護にしないで。」
私はそう言って、中に戻った。
「大丈夫?」スティーブンが心配そうに言ってくれた。
「うんーーごめんね。ビリーが心配しすぎて困る。前から割とそうだけど、午前中から一時間に一回くらいメールが来て。有難いけど嫌になっちゃう。」私は言った。
「心配してくれる人がいるって幸せなことだよ。ビリーは、ほら、まだ足もあんなだし、自分が不安な中でカエも体調が悪いと余計に心配になるんだと思う。分かってあげて。」
「ーー悪いことしちゃったかな。最後は目が怒ってた気がする。無理矢理引っ張っていったから。」私は言った。
その後はビリーの事が気になって、新しい入校生のデータの入力作業も全く集中できなかった。
その日は私が5時頃帰宅するとすぐにビリーが帰って来た。
そんなに怒ってる訳ではなさそうだったけど、目は笑っていなかった。
私は「あれ、アダムは?」って聞いた。私の声もいつもより低い気が自分でもした。
「ーー6時過ぎに来るって。それまでに仲直りしろって言われた。カエ、迷惑かけるつもりはなかった。押しかけたりしてごめん。ただ、返信が途切れたから心配になったし、ほら、木曜日から出張だから焦りがあった。俺がいない時に何かあったらどうしよう、って。この前の入院以来、ずっとカエに支えてもらって元気付けられてーーこれまでにないくらいーー今までももちろんそうだったけど、それ以上にっていう意味だよーーどうしようもないくらいカエを愛してる。だから、ちょっと過保護にしすぎたかもしれない。それはカエが望んでないって、自分でも分かってるけど、気になってーー」ビリーはそう言ってちょっと涙ぐんだ。
私はビリーをハグした。「私こそ、ごめんね。ビリーが心配してくれて来てくれてるって分かっていながら、あんな事言って反省した。ビリーが気にしてくれるのはすごく嬉しいし、感謝してるよ。でもね、スティーブン達だって私に何かあったらどうすればいいか分かってるし、私だってどうしようもなくなったらビリーの所に行ける。だから、あまり心配しすぎないで、黙って見守ってて欲しいの。でもーーありがとう。そして、本当にごめんね、あんな急いで歩かせて。かわいそうなことしたって、後から反省した。」
ビリーは片手でハグを返してくれてーー「リアム並みの暴力だと思った。」って笑いながら呟いた。私を抱いて私の顔を見下ろしながら、「リハビリに二、三日に一回行ってるけど、理学療法士の人が新人だからか時々リアムがチェックしに来て、足首を伸ばすフリとかして俺が痛がるのを楽しんでいじめる。それとカエがダブって見えてーー。」
「ビリー!やめて。」私は笑いながらビリーの胸を叩いた。
そして、ちょっと見つめあって私たちは長い、長いキスをした。
「んー、続きもしたかったけどアダムが来るかな。」
「それ以前に生理中だよ。」私は言った。
「ああ、じゃあ仕方ないな。今回もダメだった?」
「まあね。安全日だったしーー。」私達は笑った。
アダムは6時頃にラム肉のケバブのテイクアウトと自分と私が飲むビールを買って家に来た。ビリーが禁酒しているから、私たちは最近ビールを常備していなくて。
アダムは気まずそうな顔をして「仲直りした?」って聞いた。
私は笑って頷いて「入って。」って言った。
「どう?めまいは。」アダムが聞いた。
「朝は何回かあったけど、それからは落ち着いてる。大丈夫だよ。」
「ああ、良かったね。木曜日と金曜日もビリーはいないけど、俺は病院にいるから、もしまた酷かったらすぐに連絡して。」
「うん、分かった。ありがとう。」
私はお皿を出して、テーブルについた。
「で?どうだったの?あれ、ビリーはもう知ってる?」私は聞いた。
「詳しくは聞いてない。今日は外出したり忙しくて。」ビリーは言った。
「結論から言うとーー途中で帰られた。」アダムが言った。
ビリーは笑って「なんで?」って言った。
「結局、俺が乗り気じゃないのが相手に伝わって「つまらない」って言われた。30代前半くらいの、素敵な人だったんだけど、会った途端に「失敗した」って思った。やっぱりあんなアプリなんか使うんじゃなかったって。100%俺が悪い。なんか、深い関係になる用意がまだ出来ていないっていうかーー怖い。実は今までもそれが原因でフラれてきた。「熱意がない」って。」
「ーーなんで怖いの?」ビリーは聞いた。「アダムはーーモテるし、優しいし、面白いし何も怖がることないのに。」
「なんていうかーー深入りすると思うと、父親の姿が浮かんでくる。酒を飲むと母に暴力を振るってた時の。それで、自分もそのうちそうなるんじゃないかっていう恐怖がどこかにあるんだと思う。それで、そうなりたくないから躊躇して、なかなか一歩を踏み出せない。」アダムの目には少し涙が浮かんでいるように見えた。
「アダムはお父さんとは違うでしょ?お酒飲んでも全然変わらないし、全然暴力を振るうような素質がないじゃない?良い人すぎるくらい良い人だし、幸せになる権利は十分あると思うけど。」私は言った。
ビリーは黙って真剣な顔をしていた。
アダムは頷いて「まあ、それが一番の理由だけど、他にもある。ビリー、怒らないで聞いて。俺の中ではーーカエがスタンダードになってる。分かる?こんな女性に出会えたらいいなっていう理想っていうか。表情がコロコロ変わってかわいいし、言うことも予想がつかなくて面白いし、優しいし、明るいしーー近くにいるだけで癒やされる。だからって別に奪おうとかは全く思わない。人の物を奪う趣味はないし、それ以上にビリーとの友情の方が大事だから。ビリーには幸せでいてほしいし、十分すぎるくらいその権利があると思ってる。」って言った。
「ーー良かった。」ビリーは少し笑って言った。
「だから、変な言い方だけど、カエといるのが十分楽しいから他の女性とデートする意欲が湧かないのかもしれないとも思う。無理する必要がない気がする。ちゃんと自分がどんな人間かを分かるまでは。今のところはって事だよ、もちろんいつまでも今のままとは限らないし、人生に変化は付き物だからまたこれからどうなるかは分からないけど。」
私は、昨日病院で目が覚めたときのアダムの表情を思い出していた。私の事を真顔で見ていたあの顔を。そんな事を思いながら見ていたんだ、って。顔が赤くなっている気がして、私はちょっと顔を伏せた。いつだったかスティーブンに、アダムが私を狙ってるって言ったのは冗談だって私は言い切ったけど、実はそうじゃなかったのかもしれないって。もちろん本心は分からないけれど。
月曜日に点滴した後は調子が良かったけど、その後もめまいが続いてーー火曜日、ビリーは私を心配してちょっとお互いにイライラしていた。
木曜日にシドニーへの一泊での出張を控えていたから。
「まだ顔色が悪いな。今日も学校行くの?」ってビリーは聞いた。
「うん。行かなきゃ。そろそろ卒論の準備も始まるし、学校の後はバイトにも行かなきゃないし。」
「カエ、そっちは休んだ方がいいよ。無理することないし、前みたいにゆっくり休んでいた方が早く治るから。」
「私が決めることだから。ーー行ってくる。」
その後もビリーからは何回も安否を確かめるSMSが来て、前より神経質になっている気がした。
前はもっとのんびり構えていてくれたのに、って。
そして、これは私が悪いんだけどウンザリして最後の方は無視してた。
語学学校でも着いた途端にスティーブンに「カエ、顔色が悪いんじゃない?って言われた。
「ちょっと体調崩してたの。大丈夫だよ。」私は必要以上に明るく言った。
明るくすることで、自分の体調も良くなるって昔から信じていた部分があったから。
両親に心配されないように、私は昔から病気の時でも出来るだけ明るく振る舞うことに慣れていたから。
「何?風邪?」ケビンが聞いた。
「ううん。ちょっと疲れが溜まったのか、また貧血気味で。昨日、ビリーに点滴してもらったんだけど、今朝まためまいがして。今は大丈夫だけど。」私は言った。
「あ、週末に南メルボルン市場行った?」ターニャが聞いた。体調以外の会話が本当に有り難かった。
「行った!いい所教えてもらっちゃった。楽しかったよ。美味しいものいっぱいありそうで、また行きたいなって思ってたの。」私は言った。
「あそこのパエリアが美味しいんだよ!食べた?」
「えー!食べてない!」
「ねえ、日曜日のお昼にみんなで食べに行かない?」ターニャが言った。
「いいね!俺まだ行ったことないから。」ケビンが言った。
「あー、俺はパス。ーー実はリンと新居を探してて。日曜日に不動産屋と会うことになってるから。」ジェイミーが言った。
「えー、そうなんだ?一軒家?」私は聞いた。
「うん。そろそろ家族を増やそうかっていう話になってて。ほら、子供部屋を作れる広さがある家を探そうって話してるんだよ。」
「わあ、素敵!いいね!」私は言った。
何よりも驚いたのはこの時、ビリーが語学学校に来たこと。ビリーはもちろん、私がメールの返信をしないから心配したんだけど、私はこの時、例えるならーー友達と遊んでいる時に「歯医者に行くわよ!」ってお母さんに引っ張っていかれる子供みたいな気持ちを感じた。恥と怒りを。
ビリーは顔も声も穏やかだったけど。
スクラブに松葉杖姿で、みんなに軽く挨拶をした後ーーまたターニャは「ビリー!」ってハグしてあげてたーー「カエ、メールの返信がないから心配して見に来たんだ。」って言った。
「ビリー!見に来たってーー車もないのにどうやって来たの?」私はビックリして聞いた。
「ちょっと外に出るついでに、テッドに乗せてもらった。」
私はそこでビリーを無理矢理引っ張って出入り口のドアまで連れて行った。ビリーはまだ足を着けないから、何回か転びそうになって「カエ!ちょっと!」って焦ってた。
私は「帰って!」って怒った。みんなに聞こえないように小さな声でだけど。
「カエ、顔色悪いし無理して働く必要はーー」
「無理してないから。過保護にしないで。」
私はそう言って、中に戻った。
「大丈夫?」スティーブンが心配そうに言ってくれた。
「うんーーごめんね。ビリーが心配しすぎて困る。前から割とそうだけど、午前中から一時間に一回くらいメールが来て。有難いけど嫌になっちゃう。」私は言った。
「心配してくれる人がいるって幸せなことだよ。ビリーは、ほら、まだ足もあんなだし、自分が不安な中でカエも体調が悪いと余計に心配になるんだと思う。分かってあげて。」
「ーー悪いことしちゃったかな。最後は目が怒ってた気がする。無理矢理引っ張っていったから。」私は言った。
その後はビリーの事が気になって、新しい入校生のデータの入力作業も全く集中できなかった。
その日は私が5時頃帰宅するとすぐにビリーが帰って来た。
そんなに怒ってる訳ではなさそうだったけど、目は笑っていなかった。
私は「あれ、アダムは?」って聞いた。私の声もいつもより低い気が自分でもした。
「ーー6時過ぎに来るって。それまでに仲直りしろって言われた。カエ、迷惑かけるつもりはなかった。押しかけたりしてごめん。ただ、返信が途切れたから心配になったし、ほら、木曜日から出張だから焦りがあった。俺がいない時に何かあったらどうしよう、って。この前の入院以来、ずっとカエに支えてもらって元気付けられてーーこれまでにないくらいーー今までももちろんそうだったけど、それ以上にっていう意味だよーーどうしようもないくらいカエを愛してる。だから、ちょっと過保護にしすぎたかもしれない。それはカエが望んでないって、自分でも分かってるけど、気になってーー」ビリーはそう言ってちょっと涙ぐんだ。
私はビリーをハグした。「私こそ、ごめんね。ビリーが心配してくれて来てくれてるって分かっていながら、あんな事言って反省した。ビリーが気にしてくれるのはすごく嬉しいし、感謝してるよ。でもね、スティーブン達だって私に何かあったらどうすればいいか分かってるし、私だってどうしようもなくなったらビリーの所に行ける。だから、あまり心配しすぎないで、黙って見守ってて欲しいの。でもーーありがとう。そして、本当にごめんね、あんな急いで歩かせて。かわいそうなことしたって、後から反省した。」
ビリーは片手でハグを返してくれてーー「リアム並みの暴力だと思った。」って笑いながら呟いた。私を抱いて私の顔を見下ろしながら、「リハビリに二、三日に一回行ってるけど、理学療法士の人が新人だからか時々リアムがチェックしに来て、足首を伸ばすフリとかして俺が痛がるのを楽しんでいじめる。それとカエがダブって見えてーー。」
「ビリー!やめて。」私は笑いながらビリーの胸を叩いた。
そして、ちょっと見つめあって私たちは長い、長いキスをした。
「んー、続きもしたかったけどアダムが来るかな。」
「それ以前に生理中だよ。」私は言った。
「ああ、じゃあ仕方ないな。今回もダメだった?」
「まあね。安全日だったしーー。」私達は笑った。
アダムは6時頃にラム肉のケバブのテイクアウトと自分と私が飲むビールを買って家に来た。ビリーが禁酒しているから、私たちは最近ビールを常備していなくて。
アダムは気まずそうな顔をして「仲直りした?」って聞いた。
私は笑って頷いて「入って。」って言った。
「どう?めまいは。」アダムが聞いた。
「朝は何回かあったけど、それからは落ち着いてる。大丈夫だよ。」
「ああ、良かったね。木曜日と金曜日もビリーはいないけど、俺は病院にいるから、もしまた酷かったらすぐに連絡して。」
「うん、分かった。ありがとう。」
私はお皿を出して、テーブルについた。
「で?どうだったの?あれ、ビリーはもう知ってる?」私は聞いた。
「詳しくは聞いてない。今日は外出したり忙しくて。」ビリーは言った。
「結論から言うとーー途中で帰られた。」アダムが言った。
ビリーは笑って「なんで?」って言った。
「結局、俺が乗り気じゃないのが相手に伝わって「つまらない」って言われた。30代前半くらいの、素敵な人だったんだけど、会った途端に「失敗した」って思った。やっぱりあんなアプリなんか使うんじゃなかったって。100%俺が悪い。なんか、深い関係になる用意がまだ出来ていないっていうかーー怖い。実は今までもそれが原因でフラれてきた。「熱意がない」って。」
「ーーなんで怖いの?」ビリーは聞いた。「アダムはーーモテるし、優しいし、面白いし何も怖がることないのに。」
「なんていうかーー深入りすると思うと、父親の姿が浮かんでくる。酒を飲むと母に暴力を振るってた時の。それで、自分もそのうちそうなるんじゃないかっていう恐怖がどこかにあるんだと思う。それで、そうなりたくないから躊躇して、なかなか一歩を踏み出せない。」アダムの目には少し涙が浮かんでいるように見えた。
「アダムはお父さんとは違うでしょ?お酒飲んでも全然変わらないし、全然暴力を振るうような素質がないじゃない?良い人すぎるくらい良い人だし、幸せになる権利は十分あると思うけど。」私は言った。
ビリーは黙って真剣な顔をしていた。
アダムは頷いて「まあ、それが一番の理由だけど、他にもある。ビリー、怒らないで聞いて。俺の中ではーーカエがスタンダードになってる。分かる?こんな女性に出会えたらいいなっていう理想っていうか。表情がコロコロ変わってかわいいし、言うことも予想がつかなくて面白いし、優しいし、明るいしーー近くにいるだけで癒やされる。だからって別に奪おうとかは全く思わない。人の物を奪う趣味はないし、それ以上にビリーとの友情の方が大事だから。ビリーには幸せでいてほしいし、十分すぎるくらいその権利があると思ってる。」って言った。
「ーー良かった。」ビリーは少し笑って言った。
「だから、変な言い方だけど、カエといるのが十分楽しいから他の女性とデートする意欲が湧かないのかもしれないとも思う。無理する必要がない気がする。ちゃんと自分がどんな人間かを分かるまでは。今のところはって事だよ、もちろんいつまでも今のままとは限らないし、人生に変化は付き物だからまたこれからどうなるかは分からないけど。」
私は、昨日病院で目が覚めたときのアダムの表情を思い出していた。私の事を真顔で見ていたあの顔を。そんな事を思いながら見ていたんだ、って。顔が赤くなっている気がして、私はちょっと顔を伏せた。いつだったかスティーブンに、アダムが私を狙ってるって言ったのは冗談だって私は言い切ったけど、実はそうじゃなかったのかもしれないって。もちろん本心は分からないけれど。
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