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人とのつながり
暴露大会
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「ごめん、カエ、気まずくさせた?」アダムは気遣ってくれた。
「ううん、大丈夫。」私はちょっと嘘をついた。でもアダムに対して怒っている訳ではなくて、自分の中で心の整理が必要だっただけ。ビリーが前に言ってくれた通り、人に好かれるのは幸せな事だから。
「そもそも、なんでそんなアプリ使ったの?アダムはーー現実的っていうか、そういうタイプじゃないと思ってたから、話を聞いた時はビックリしたんだけど。」ビリーはケバブを食べながら聞いた。
「実はーーカエは聞いてない?この前、ビリーを送ってきた帰りにサウスメルボルンのウールワースに寄ったら偶然スティーブンに会ってーーちょっと飲みに行った。それで、俺たち独り身で寂しくない?って話になってネタとしてマッチングアプリでもやってみるか!って意気投合して。酔った勢いで2人で登録したんだよ。スティーブンもそんなタイプじゃないけど、なんていうかみんなに秘密で遊びたくなった。」
「何それ、初めて聞いた!」私は笑った。
「ーー多分スティーブンも後悔したかもしれない。それ以来会ってないから、詳しくは知らないけど、相手といつ会うか日程調整をしているって所までは聞いた。」
「やだ、今度聞いてみなきゃ。」私は言った。
「アダムはーーそんなの使わなくても絶対いつか理想の人に出会える。カエと出会って思ったけど、俺も別に探そうとして誰かを探していた訳ではなかったし、出会いって案外偶然性もあってーー本当に人生どこでどうなるか分からないと思った。」ビリーは言った。
「ーーなんか俺だけ秘密をバラして恥ずかしいな。たまにはみんなで秘密の暴露大会しない?ほら、3人だけの秘密だから気楽に。テーマはーーー「初恋」なんてどう?別に面白い話じゃなくていいから。」アダムは笑いながら言った。
「嫌だな、何それ、恥ずかしい。」ビリーは言った。
「じゃあ、俺から。」アダムは勝手に喋り始めた。「俺の初恋は、小学校の、二年生くらいかな。音楽のテストで一人一人歌を歌わされて、俺は彼女ーー名前はジェニーだったーーのかわいさはもちろんだけど、歌声に惚れた。それで、その好意がーーいい方向に向かえば良かったんだけど、俺はその気持ちをどうしたらいいか分からなくて、彼女をちょっといじめた。」
「うわ、最低だな。」ビリーは笑いながら言った。
「うん。ーー最低だよ。」アダムは急に真面目な顔になった。「髪を引っ張って泣かせたり、物を隠したり。彼女が先生に何も言わないのをいいことに、ちょっとエスカレートして、ある日図書室にペンケースを隠した。刺繍された女の子らしいやつ。そしたら、それがお母さんからの誕生日プレゼントだったとかでーー騒がれて、俺が隠したことがみんなに知られて。クラスのみんなの前で責められて、自分がいかに間違った方法で気を引こうとしてたかが分かった。しかも、最悪なのは俺が図書室に隠したペンケースを、をまた誰かが盗んだのか無くなっていてーー何人かに「最低!」って言われた。人生で初めて人に嫌われて、女の子たちに避けられた。そして、母に言われたんだーー「いじめっていうのは、いじめた方はすぐに忘れるけど、いじめられた方は一生覚えてるものよ。あなたにはその痛みをずっと覚えていて欲しい。」って。もちろん、今でも後悔してる。」アダムはちょっと笑って「ほら、特に面白くもない話をしたから次はビリーかな?まさかあのカトリック教徒が初恋とかじゃないよね?」
「ーー違うよ。恋愛にはずっと疎かったけど、初めて女の子を好きになったのは6歳くらいの時だったかな。近所に住むパーマがかった金色の髪をした1歳年上の子だった。よく遊んだりしてたし、母親同士が友達で。多分、向こうも俺のことを好いてくれていてーー会うと手を振ってくれたり、ウインクをしてみたりーーまあ、そんな感じだった。その日、その子はお母さんに連れられて遊びに来ていて、メーガンとフランス人形で遊んでた。で、俺とノエルは同じ部屋でゲームか何かをしていたんだけど、途中でメーガン達はお菓子を食べに母親達のところに行った。そしたら、ノエルが急にゲームをやめて「ビリー、あのフランス人形の下着の中を見てみようぜ!」って言ったんだ。」ここでアダムは笑いだして、「話の展開が読める。」って言った。私もケバブで咽せそうになって、ビリーは私の背中を何回か叩いてくれた。「ほら、ノエルはちょうどそういうことに興味が出てくる年齢だったんだよ、きっと。で、俺は「そんなに見たかったら自分で見ればいいじゃん。」って言った。でもノエルはその時ーー何が原因だったかは忘れたけど、親に酷く叱られた直後で「これ以上怒られると外出禁止にされるから頼む、ちょっとスカートをめくって何があるかを見るだけでいいから。」って言って。ーー俺は仕方がなく人形を手に取ってスカートをめくった。」
「やだ、何て話なの!」私はそういいながら笑いが止まらなかったし、アダムも涙が出るくらい笑ってた。
「そしたら、その人形は、なんていうの?タイツ?なんだかよく分からないけど、白い下着みたいなのを履いていて、ノエルは「頼むからそれを脱がせてみて。」って言ってーー俺が嫌々それを引っ張って下げたところにメーガン達がタイミング悪く戻ってきた。ーーもういい?」ビリーは言った。
「だめ。最後まで。」アダムは笑いながら言った。
「ーーーで、最悪なのはノエルが「ビリー、何見てるんだ!」って裏切ったこと。メーガンは笑ってたけど、その子は「超キモい!」って言って母親に泣きつきに部屋から出ていった。全部喋って、俺は母親達に変な目で見られてーー。その子はそれから口もきいてくれなくなって、ある日引っ越しした。終わり。」
「ビリー、よくそれを真顔で喋れるね。そっちにビックリしちゃった。」私は笑いながら言った。
「話の内容よりノエルへの怒りに神経を集中させて喋った。今でも俺の人生最大の屈辱だから。ーーっていうか、初恋話より恥の披露大会みたいになってきてない?」ビリーは恥ずかしそうに笑った。
「まあね。そんなもんだよ。ほら、カエの番だよ。」アダムが言った。
「私の初恋は、小学校の二年生の時。隣の席に座ってた侑くんっていう男の子だったの。一年生の時から同じクラスで知ってたし、通学路も同じだったから学校帰りに声かけられたりもして結構仲が良くて。かわいい顔をしたさわやかな男の子だった。私は当時、ランドセルーービリー達知ってる?日本の小学生はみんなランドセルっていうバックパック背負って学校に行くんだよーーに友達と近所のゲーセンで一緒に遊んだ時に獲った花束の形のキーホルダーをつけてた。ほら、カプセルの中におもちゃとかが入っててハンドルを回すと出てくるやつ?あれで獲ったやつで結構気に入ってた。」ーー二人は「ああ。」って言って、私はそのまま話を進めたーー「ある日それを侑くんが、「こんなのつけてるんだ?」とか言って触ってたら、チェーンが切れて壊れた。別に良かったんだけど、侑くんはすごい気にしていたみたいでーー何週間か経ったあとで「楓ちゃん、これ。」ってすっかり同じキーホルダーを私にくれた。多分、それが出るまで何度もハンドルを回したんだと思う。」
ビリーたちはニコニコして頷いてた。「初めて和む話が出て来たね。」ビリーが言った。
「ああ。3人とも酷い話じゃなくて良かった。」アダムが言った。
「ーー話はそれで終わりだけど、彼は今、日本でコメディアンやってるの。」
「マジで?」アダムが笑った。
「うん。何年か前に彼のことをふっと思い出して名前をグーグルで調べてみたから、知ってる。でも、私が言いたいのは、ほら、人生にはどんな変化があるか予想がつかないってこと。平凡で本当に普通だった男の子がコメディアンになってたり、いじめっ子がーー私はアダムを指差してーーこんな優しくて素敵な男性になってたり、スカートめくりをする男の子がーービリーは「カエ!それはノエルの命令でーー」って言いかけたーーこんなにキュートで愛さずにはいられない男性になっていたり。まだ私たちは若いよ?20代だもん。アダムにもまだまだ素敵な出会いがあると私は信じてるしーーそれまでは、っていうか出来たらずっと私に付き合ってくれたらすごく嬉しいな。」
私がそう言ったら、アダムは嬉しそうに頷いた。
「アダム、カエを好きに連れ回していいよ。しばらくは。ーー変な意味じゃなくて、だよ。特に、俺は今こんな足だし、車でどこかに連れて行ってあげたりも出来ないし。カエにはこれからのオーストラリアでの生活のためにも、いろんな人と交流してたくさんの経験をして欲しいと思ってるからーー今まで通り、その手助けをして欲しい。どう?」
「木曜日にビリーがほら、出張だから、夕食に連れていってもいい?急にスティーブンがどうなったのかが気になってきた。」アダムが言った。
「いいよ。カエに無理させなければ。」ビリーが言った。
アダムは頷いて「帰る。」って言った。
「うん。また明日。見送らないよ。今日はカエに引っ張り回されて疲れて立つのがキツいから。」ビリーは冗談っぽく言った。
私は玄関まで見送った。
「スティーブンには俺から連絡しておくから。木曜日は語学学校行く?」アダムが聞いた。
「うん。だから、もしスティーブンがOKなら、私はスティーブンと行くから。」
「了解。イタリアンでも奢ってあげるよ。あとーービリーはいつもカエの事気にしてる。道に迷ってないかとか、誰か変な男に絡まれていないかとか、人種差別にあってないかとかーー何から何まで。だから、心配しすぎていても怒らないであげて。」アダムは言った。
「うん。分かってる。」私は頷いた。
私はその夜アダムにLifehouseの「Crash and burn」っていう曲へのリンクを送った。私が大好きな曲。タイトルにはいろんな意味があるけど、直訳すると全然うまくいかない、ってこと。そして、私も久々にベッドの中でその曲を聴いた。
「ううん、大丈夫。」私はちょっと嘘をついた。でもアダムに対して怒っている訳ではなくて、自分の中で心の整理が必要だっただけ。ビリーが前に言ってくれた通り、人に好かれるのは幸せな事だから。
「そもそも、なんでそんなアプリ使ったの?アダムはーー現実的っていうか、そういうタイプじゃないと思ってたから、話を聞いた時はビックリしたんだけど。」ビリーはケバブを食べながら聞いた。
「実はーーカエは聞いてない?この前、ビリーを送ってきた帰りにサウスメルボルンのウールワースに寄ったら偶然スティーブンに会ってーーちょっと飲みに行った。それで、俺たち独り身で寂しくない?って話になってネタとしてマッチングアプリでもやってみるか!って意気投合して。酔った勢いで2人で登録したんだよ。スティーブンもそんなタイプじゃないけど、なんていうかみんなに秘密で遊びたくなった。」
「何それ、初めて聞いた!」私は笑った。
「ーー多分スティーブンも後悔したかもしれない。それ以来会ってないから、詳しくは知らないけど、相手といつ会うか日程調整をしているって所までは聞いた。」
「やだ、今度聞いてみなきゃ。」私は言った。
「アダムはーーそんなの使わなくても絶対いつか理想の人に出会える。カエと出会って思ったけど、俺も別に探そうとして誰かを探していた訳ではなかったし、出会いって案外偶然性もあってーー本当に人生どこでどうなるか分からないと思った。」ビリーは言った。
「ーーなんか俺だけ秘密をバラして恥ずかしいな。たまにはみんなで秘密の暴露大会しない?ほら、3人だけの秘密だから気楽に。テーマはーーー「初恋」なんてどう?別に面白い話じゃなくていいから。」アダムは笑いながら言った。
「嫌だな、何それ、恥ずかしい。」ビリーは言った。
「じゃあ、俺から。」アダムは勝手に喋り始めた。「俺の初恋は、小学校の、二年生くらいかな。音楽のテストで一人一人歌を歌わされて、俺は彼女ーー名前はジェニーだったーーのかわいさはもちろんだけど、歌声に惚れた。それで、その好意がーーいい方向に向かえば良かったんだけど、俺はその気持ちをどうしたらいいか分からなくて、彼女をちょっといじめた。」
「うわ、最低だな。」ビリーは笑いながら言った。
「うん。ーー最低だよ。」アダムは急に真面目な顔になった。「髪を引っ張って泣かせたり、物を隠したり。彼女が先生に何も言わないのをいいことに、ちょっとエスカレートして、ある日図書室にペンケースを隠した。刺繍された女の子らしいやつ。そしたら、それがお母さんからの誕生日プレゼントだったとかでーー騒がれて、俺が隠したことがみんなに知られて。クラスのみんなの前で責められて、自分がいかに間違った方法で気を引こうとしてたかが分かった。しかも、最悪なのは俺が図書室に隠したペンケースを、をまた誰かが盗んだのか無くなっていてーー何人かに「最低!」って言われた。人生で初めて人に嫌われて、女の子たちに避けられた。そして、母に言われたんだーー「いじめっていうのは、いじめた方はすぐに忘れるけど、いじめられた方は一生覚えてるものよ。あなたにはその痛みをずっと覚えていて欲しい。」って。もちろん、今でも後悔してる。」アダムはちょっと笑って「ほら、特に面白くもない話をしたから次はビリーかな?まさかあのカトリック教徒が初恋とかじゃないよね?」
「ーー違うよ。恋愛にはずっと疎かったけど、初めて女の子を好きになったのは6歳くらいの時だったかな。近所に住むパーマがかった金色の髪をした1歳年上の子だった。よく遊んだりしてたし、母親同士が友達で。多分、向こうも俺のことを好いてくれていてーー会うと手を振ってくれたり、ウインクをしてみたりーーまあ、そんな感じだった。その日、その子はお母さんに連れられて遊びに来ていて、メーガンとフランス人形で遊んでた。で、俺とノエルは同じ部屋でゲームか何かをしていたんだけど、途中でメーガン達はお菓子を食べに母親達のところに行った。そしたら、ノエルが急にゲームをやめて「ビリー、あのフランス人形の下着の中を見てみようぜ!」って言ったんだ。」ここでアダムは笑いだして、「話の展開が読める。」って言った。私もケバブで咽せそうになって、ビリーは私の背中を何回か叩いてくれた。「ほら、ノエルはちょうどそういうことに興味が出てくる年齢だったんだよ、きっと。で、俺は「そんなに見たかったら自分で見ればいいじゃん。」って言った。でもノエルはその時ーー何が原因だったかは忘れたけど、親に酷く叱られた直後で「これ以上怒られると外出禁止にされるから頼む、ちょっとスカートをめくって何があるかを見るだけでいいから。」って言って。ーー俺は仕方がなく人形を手に取ってスカートをめくった。」
「やだ、何て話なの!」私はそういいながら笑いが止まらなかったし、アダムも涙が出るくらい笑ってた。
「そしたら、その人形は、なんていうの?タイツ?なんだかよく分からないけど、白い下着みたいなのを履いていて、ノエルは「頼むからそれを脱がせてみて。」って言ってーー俺が嫌々それを引っ張って下げたところにメーガン達がタイミング悪く戻ってきた。ーーもういい?」ビリーは言った。
「だめ。最後まで。」アダムは笑いながら言った。
「ーーーで、最悪なのはノエルが「ビリー、何見てるんだ!」って裏切ったこと。メーガンは笑ってたけど、その子は「超キモい!」って言って母親に泣きつきに部屋から出ていった。全部喋って、俺は母親達に変な目で見られてーー。その子はそれから口もきいてくれなくなって、ある日引っ越しした。終わり。」
「ビリー、よくそれを真顔で喋れるね。そっちにビックリしちゃった。」私は笑いながら言った。
「話の内容よりノエルへの怒りに神経を集中させて喋った。今でも俺の人生最大の屈辱だから。ーーっていうか、初恋話より恥の披露大会みたいになってきてない?」ビリーは恥ずかしそうに笑った。
「まあね。そんなもんだよ。ほら、カエの番だよ。」アダムが言った。
「私の初恋は、小学校の二年生の時。隣の席に座ってた侑くんっていう男の子だったの。一年生の時から同じクラスで知ってたし、通学路も同じだったから学校帰りに声かけられたりもして結構仲が良くて。かわいい顔をしたさわやかな男の子だった。私は当時、ランドセルーービリー達知ってる?日本の小学生はみんなランドセルっていうバックパック背負って学校に行くんだよーーに友達と近所のゲーセンで一緒に遊んだ時に獲った花束の形のキーホルダーをつけてた。ほら、カプセルの中におもちゃとかが入っててハンドルを回すと出てくるやつ?あれで獲ったやつで結構気に入ってた。」ーー二人は「ああ。」って言って、私はそのまま話を進めたーー「ある日それを侑くんが、「こんなのつけてるんだ?」とか言って触ってたら、チェーンが切れて壊れた。別に良かったんだけど、侑くんはすごい気にしていたみたいでーー何週間か経ったあとで「楓ちゃん、これ。」ってすっかり同じキーホルダーを私にくれた。多分、それが出るまで何度もハンドルを回したんだと思う。」
ビリーたちはニコニコして頷いてた。「初めて和む話が出て来たね。」ビリーが言った。
「ああ。3人とも酷い話じゃなくて良かった。」アダムが言った。
「ーー話はそれで終わりだけど、彼は今、日本でコメディアンやってるの。」
「マジで?」アダムが笑った。
「うん。何年か前に彼のことをふっと思い出して名前をグーグルで調べてみたから、知ってる。でも、私が言いたいのは、ほら、人生にはどんな変化があるか予想がつかないってこと。平凡で本当に普通だった男の子がコメディアンになってたり、いじめっ子がーー私はアダムを指差してーーこんな優しくて素敵な男性になってたり、スカートめくりをする男の子がーービリーは「カエ!それはノエルの命令でーー」って言いかけたーーこんなにキュートで愛さずにはいられない男性になっていたり。まだ私たちは若いよ?20代だもん。アダムにもまだまだ素敵な出会いがあると私は信じてるしーーそれまでは、っていうか出来たらずっと私に付き合ってくれたらすごく嬉しいな。」
私がそう言ったら、アダムは嬉しそうに頷いた。
「アダム、カエを好きに連れ回していいよ。しばらくは。ーー変な意味じゃなくて、だよ。特に、俺は今こんな足だし、車でどこかに連れて行ってあげたりも出来ないし。カエにはこれからのオーストラリアでの生活のためにも、いろんな人と交流してたくさんの経験をして欲しいと思ってるからーー今まで通り、その手助けをして欲しい。どう?」
「木曜日にビリーがほら、出張だから、夕食に連れていってもいい?急にスティーブンがどうなったのかが気になってきた。」アダムが言った。
「いいよ。カエに無理させなければ。」ビリーが言った。
アダムは頷いて「帰る。」って言った。
「うん。また明日。見送らないよ。今日はカエに引っ張り回されて疲れて立つのがキツいから。」ビリーは冗談っぽく言った。
私は玄関まで見送った。
「スティーブンには俺から連絡しておくから。木曜日は語学学校行く?」アダムが聞いた。
「うん。だから、もしスティーブンがOKなら、私はスティーブンと行くから。」
「了解。イタリアンでも奢ってあげるよ。あとーービリーはいつもカエの事気にしてる。道に迷ってないかとか、誰か変な男に絡まれていないかとか、人種差別にあってないかとかーー何から何まで。だから、心配しすぎていても怒らないであげて。」アダムは言った。
「うん。分かってる。」私は頷いた。
私はその夜アダムにLifehouseの「Crash and burn」っていう曲へのリンクを送った。私が大好きな曲。タイトルにはいろんな意味があるけど、直訳すると全然うまくいかない、ってこと。そして、私も久々にベッドの中でその曲を聴いた。
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