ビリーと私のオーストラリアDiary

Kaede

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新しい生活

リベンジ①

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昼食後にまた作業を再開した。
ビリーは時々咳き込みながらもスティーブンとアダムと一緒にフロアランプを置く位置を調節したり、いろんな家電のプラグを入れたり、仕事部屋のデスク周りを整理したりして、私は買っておいた観葉植物をリビングと仕事部屋に置いて、その後バスルーム用品も整理して。みんなは空いた段ボールを潰してくれたりまとめてくれたりして、大体の作業が終わったのは午後4時過ぎだった。ノエルもーー結局はメルボルンに更に一泊するためにリアムと考えた演技だったんだけどーー腰を抑えながらも、ビリーの車を使って買い物をしてきて冷蔵庫と冷凍庫を満杯にしてくれたりしてくれた。
「だいたいこれで終わりかなーー」ビリーはまた咳き込んで「本当に助かった、みんなありがとう。ベッドがいっぱいあるからいつでも泊まりにきて。たいしたもてなしは出来ないけど、大歓迎だよ。」ってみんなに言って、リアムが「じゃあ俺が泊まり込んでビリーのリハビリ指導でもするかな。」って言ったら、速攻で「いらない。」って言ってみんなが笑った。
「今から俺とカエは一回アパートに戻って、引き払ってくるーーベッドとか引き取る業者が来るから。何かあったらノエルに言って。帰る人いる?」そうビリーが言うと、ターニャ達とデヴィン、それからジェイミーが「俺たちは帰る。」って言った。
「ああ、そう?4人とも本当に助かったよ。また機会があったら飲みにでも行こう。ーーまあ、俺のこの喉が治ってからだけど。デヴィンはーーイギリスに帰るんだって?努力して夢を掴むんだよ、その分だけ絶対に良いことが待ってるから。気をつけて。」ってビリーは優しい笑顔でデヴィンに言ってハグしてあげていた。
「じゃあ、俺はピザとビール買ってくるよ。誰か一緒に行く?」アダムが言った。
「俺が行く。」ライルが言った。
「さすがに着替えるからちょっと待ってて。」アダムはそう言って着替えに行った。
「ーーじゃあ頼むよ。ごめんね、ライル。いろいろやってもらって。」ビリーは言った。そして、これがなんだけど「達はゆっくり休んでて。」ってリアム達に言った。
スティーブンとケビンは「段ボールの屑とか掃除しておいてあげるよ。」って言ってくれた。
それから私達はアパートに向かって、業者が来るまで少し待った。
「オーストラリアでは隣近所に挨拶に行ったりはしないの?」私は聞いた。
「いらないんじゃない?どんな人かもまだ分からないし。あ、でも右隣の家の旦那さんとはこの前家電の配達の時に会って、ちらっと挨拶しておいたよ。40代くらいかな?エヴァンって名乗ってて、感じの良い人だった。」ビリーは言った。
「ああ、じゃあ良かったね。住んでるうちに会う機会はあると思うけど。」私は言った。
ビリーは私と向かいあって私の腰に手を回して「無事に終わって良かった。これからあそこでカエと暮らせると思うと、毎日家に帰るのが楽しみだな。ーー今も楽しみだけど。いろんな事がこれからあると思うけど、俺たちなら乗り越えられる。楽しくやろう。愛してるよ。」ってキスをしてくれてーーまた私たちはそこでしばらくキスをした。舌が絡んだ濃厚なやつを。ビリーの手は私のシャツとブラの下に入っていてーー業者が来なかったらそのまま最後までしていたかもしれないけれど、そこでインターホンが鳴ってーービリーはため息を一回ついて玄関に向かった。
それから30分くらいのうちにアパートは空になってーービリーは全部の部屋を見て回った後に私の横に立って「初めてカエをここに連れてきた時の事覚えてる?」って聞いた。
「覚えてるよ。ロイヤル植物園に行った後でしょ?ビリーと過ごした時間はちゃんと覚えてるよ。」私は言った。
「俺も、どんなに具合が悪かった時でもーー」ビリーはまた咳き込んで「ーーカエのその時の顔とか喋った事はちゃんと覚えてるよ。今までには自慢できないような傷つけるような事もたくさん言ったと思うけど、いつだって愛情は変わらなかった。もちろん、人間だからイラッとすることもあるし、傷ついたことだってあるけど、それでもーー指を折られた時でさえ、これでカエの痛みが紛れるのならそれでもいいと思った。いつだってカエの後ろ盾になって支えていくから。約束する。」って言った。
私はビリーに微笑んで、つま先立ちになって、ビリーの顔を両手に挟んでキスをした。
ビリーはぎゅっと抱きしめてくれて「行こう。」って言った。
そして鍵を閉めてーー私たちは部屋を後にした。

家に戻るともう、みんなはアダム達が買ってきたビールを飲んでアメリカの話で盛り上がっていて、ノエルは「遅かったね。」って言った。
「せっかくカエと二人きりになったから、ちょっとをしてきたんだよ。」ビリーは言った。
「ほら、最近ずっと俺たちが出入りしてたからみたいで、今朝も俺が来たら車の中でキスしてて。そんな感じ?」アダムがからかった。
「うるさいな、アダムは。」ビリーは笑った。
それからみんなでピザを食べ始めた。
「ほら、ビリーはビール飲まないだろうから買ってきたよ。カエは?飲む?」アダムが聞いた。
「うん、じゃあ、せっかくだから。」私は頷いた。
「偉いな、ビリーはビールを我慢して。」リアムが言った。
「早く治さないと。こんなに喉が酷い状態になったのは小学生の時以来くらいで、本当苦しかったから。」ビリーはそう言ってまた咳き込んだ。
「今、ケビンがアメリカ人だっていうからアメリカの話聞いてたんだよ。来年学会でアメリカ行くんだって?」ノエルが聞いた。
「うん。そうそう。ケビンに後でボストンの見どころを聞かないとって思ってた。」ビリーは言った。
「後で教えるよ。」ケビンが言った。
「羨ましいな、まあ、仕事だろうけどあちこち行く機会がありそうで。」ライルが言った。
「まあね。でも自由時間は少ないしーー最低限の滞在時間って感じでゆっくりできないかな。」ビリーが言った。
「俺は10月に整形外科の学会でイタリアに行ってくる。」リアムが言った。
「わあ、素敵!いいなー。」私は言った。
「うん、実は初めてで楽しみにしてるんだけど。」リアムは頷いた。
「アメリカの前に、俺とビリー達は10月に日本に行ってくる。」アダムが言った。
「マジで?」ノエルが聞いた。
「うん。だからアンナには早く産んでもらわないと。」ビリーが笑って言った。
「ビリーがになるんだよ!」私はケビン達に教えた。
「ビリーはめっちゃいいおじさんになりそうだよね。溺愛しそう。」ケビンが言った。
「カエの実家?」ノエルが聞いた。
「うん、まあ。あとはちょっと北海道に行ったり、温泉に行ってみたり。」ビリーが言った。
「うわ、いいな。俺は子供が生まれたらしばらくは子育てに専念かな。」ノエルは言った。
「それはそれでいいんじゃない?子育てって最高の楽しみだと思うけどな。」ビリーは言った。
「ああ、俺とテッドとスティーブンとケビンはその前に彼女を作らないとね。」アダムが言ってみんなが笑った。
「ライルは、彼女とは長いの?」スティーブンが聞いた。
「うん、結構長くて7年目に入った所かな。」ライルが言った。
「テッドは知ってる?救急センターのクラリッサ。ライルの彼女なんだよ。」ビリーが言った。
「ああ、なんか分かる気がする。俺も時々急患の診察で行ったりするから。ーーそうだったのか。カエの翻訳エージェントからそう繋がるとは驚きだね。手際がよくていい看護師だよ。」テッドは言った。
そして、「ーーそろそろ始めようか?」リアムが言った。
「ちょっと待って。俺、思ったんだけど、リアム達は暴露大会に参加した事ないはずなのになんでやろうって思ったの?」アダムが聞いた。
やろうって誘ったんだよ。聞いたら、ビリーに嫌味を言われて扱いに困ってるっていうし、2人とも恥じる事はないって言うし。まあ、ってやつだな。ケビンとスティーブンはただの巻き添えで申し訳ないけど、恨むならこの4人を恨んで。」ノエルは私とビリーとアダムとライルを指さした。「俺を2このゲームでハメたんだから。特に、最初の時は俺だけが真実を喋るように仕向けて完全に恥をかかされた。だから、テーマは急遽変更して「初体験」だよ。別に誰も笑わないから経験を分かち合おう。でも、まあ、内容が内容だから秘密厳守で。」ノエルが笑いながら言った。
そしてーー「ノエル!待ってーー」っていうビリーをノエルは勝手に喋り始めた。前に私たちに話したヘレンとの情事の話を。テッドとリアムは大ウケしていて、最初は戸惑っていたケビンもだんだん笑い出してーー私たち4人とスティーブンはまだショックが抜けきらなくて唖然としていた。
ノエルが話終わるとビリーは「マジでやるの?」って笑った。
「大丈夫だよ。人それぞれだよ。誰もバカにしたりはしないし、俺以上に恥ずかしい話はないだろ?」ノエルは言った。
「ビリー、なら、リハビリ更にキツくするよ?」リアムがビリーに言った。
「何それーー」ビリーは咳き込んで「うわ、マジで?最悪じゃん。ごめん、ライル、スティーブン、ケビンーー変なのに巻き込んだ。まあ、アダムは一緒にノエルを騙したから俺と同罪だけど。」って笑った。
「まあね。」アダムは笑って「いいよ、この際だから楽しくやろう。」って頷いた。
ライルもーー「俺も調子に乗って楽しんだのは事実だから。まあ、このメンバーなら。」って言った。
「一つ条件がある。ノエル、カエの話は話す。ね。全部知ってるから。どう?」ビリーが言った。
「いいよ、決まりだ。」ノエルは頷いた。
「ケビンとスティーブンは?」ビリーが聞いた。
「俺はだからむしろ」ケビンが言って、みんなが笑った。
「俺はーー恥ずかしいな。でも、まあ、いいよ。」スティーブンも渋々頷いた。
「それにしても、最初から衝撃的な話でインパクトありすぎだな。アダムス家の兄弟はこんなもんなの?俺の初体験は18歳の時だな。ありがちだけどスクールボールの時に。当時好きだった女の子を誘ったんだけど、スクールボールの後に友達の家でまたパーティーをして、キスとかしてたらそのーーーーその流れでこっそりとに連れて行ってそのまま。」テッドが言った。
「ーー表現が臭くない?」ビリーが笑った。
「ほら、!」ノエルが笑った。
「最高の経験だったよ。でも、まさかその後約20年もになるとは思わなかった。」テッドが言って、みんなが大笑いした。
「マジで?」ノエルが聞いた。
「案外出会いがないんだよ。看護師とのパーティーとかに行かなきゃ本当にない。かと言って、あまりパーティーとかも好きじゃないし、年々一人で飲んでる方が気楽になってきて。」
「前に彼女いない歴5年って言わなかった?あれ嘘?」アダムが聞いた。
。ーーほら、アダムとビリーはモテるだろうから、上司としてのを保ちたくて。」テッドは笑った。
「スクールボールって、プロムみたいな?」ケビンが聞いた。
「うん。そうだよ。」ノエルは言った。「俺はで困ったな。みんな誘われたくてアピールしてきて。」って苦笑いして。
「その見た目だからね。」リアムが頷いた。「ビリーは?」
「俺は、誘っていた女の子はいたんだけど、そういうの好きじゃないストレスからか、なんかそのあたりにになって。欠席。すごい嫌われた。」ビリーが笑った。
「ああ、そりゃそうだよ。かわいそうに。」アダムが言った。
「じゃあ、次は俺。」リアムが言ってーーちょっと赤くなった。「笑うなよ?」そして、話し始めた。

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