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おっさんニートとニアミスSIDS_1
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「まさか、さっきまで普通に寝ていましたよ」
「いいから早く小児科に連絡して!!」
田中はそう叫ぶと赤ん坊の頬を軽く何度か叩いた。
クップ・・・
すると赤ん坊はわずかに目を開けて息を吹き替えした。しかし生気は戻らない、またゆっくりと目を閉じると呼吸を止めてしまう。
田中は右手を赤ん坊の額に置き、左手2本指で胸を強く何度も圧迫する。
「止めて、何するの! そんなに強く押さないで!!」
「いいからお母さんは赤ちゃんに声を掛けてあげて!」
赤ん坊の口からミルクがダラダラと溢れてくる。皮膚の色がだんだん青紫ぽくなってきている。
「もうダメなんだ。嫌だ、嫌だ・・・」
「何言ってるの! 諦めないで声を掛けてあげて!!」
そんな事言われても何と声を掛けていいのか分からない。全身から汗が噴き出して呼吸が苦しい。
小児科に連絡をした後の看護士も動揺を隠せないでいるようだ。
「あなた何突っ立ているの! 出来る事をやりなさい!!」
田中に怒鳴られた看護士は奥の部屋からAEDを持って来ると田中の側に置いた。
「バカ! バカ! 新生児に使えるわけないでしょ」
ガッタン! ガタタタタタ・・・
田中が再度怒鳴り声を上げたのと同時に沢山の医療機材をストレッチャーに積んだ集団がナースステーションに入って来た。赤ん坊はあっという間に集団に取り囲まれ見えなくなってしまった。
「お母さん、赤ちゃんはこれから小児病棟まで移動します」
「ちょっと待って! ここで見て貰えないの?」
「赤ちゃんはNICUで治療をします」
「付いていくから!」
「それはダメ!!」
俺が赤ん坊に付いて行こうとすると田中に腕を掴まれた。
「お母さんは付いていけないの自分の体調も万全じゃないでしょ? 後は私達に任せてください」
「最初は突き放したじゃない! あの時、直ぐに対応してくれたらこんな事にならなかった!!」
「私達を信じて待っていてください!」
「信じられない! 付いてく!!」
引き下がるわけにはいかない。赤ん坊が目の届かぬ場所に連れていかれるのが恐ろしい。
チクショー、チクショー。そもそもお前等がちゃんと対応してくれなかったのが悪いんだ。
「お前等が悪いのに偉そうに指図するな!」
こいつ等のせいで頭が割れるように痛い。視界がチカチカして額が熱い。
「きゃあ! 谷さん!!」
もっともっとこいつ等に怒りをぶつけたいのにいきなり手足の力が抜けて目の前が真っ白になった。
俺はその後どうなったのか分からない。気付いたら辺りは真っ暗で何も無い空間に寝かされていたんだ。
・・・あれ? やっぱり俺は死んでいるのか? それより何であんなに必死になってたんだ・・・・・・
「いいから早く小児科に連絡して!!」
田中はそう叫ぶと赤ん坊の頬を軽く何度か叩いた。
クップ・・・
すると赤ん坊はわずかに目を開けて息を吹き替えした。しかし生気は戻らない、またゆっくりと目を閉じると呼吸を止めてしまう。
田中は右手を赤ん坊の額に置き、左手2本指で胸を強く何度も圧迫する。
「止めて、何するの! そんなに強く押さないで!!」
「いいからお母さんは赤ちゃんに声を掛けてあげて!」
赤ん坊の口からミルクがダラダラと溢れてくる。皮膚の色がだんだん青紫ぽくなってきている。
「もうダメなんだ。嫌だ、嫌だ・・・」
「何言ってるの! 諦めないで声を掛けてあげて!!」
そんな事言われても何と声を掛けていいのか分からない。全身から汗が噴き出して呼吸が苦しい。
小児科に連絡をした後の看護士も動揺を隠せないでいるようだ。
「あなた何突っ立ているの! 出来る事をやりなさい!!」
田中に怒鳴られた看護士は奥の部屋からAEDを持って来ると田中の側に置いた。
「バカ! バカ! 新生児に使えるわけないでしょ」
ガッタン! ガタタタタタ・・・
田中が再度怒鳴り声を上げたのと同時に沢山の医療機材をストレッチャーに積んだ集団がナースステーションに入って来た。赤ん坊はあっという間に集団に取り囲まれ見えなくなってしまった。
「お母さん、赤ちゃんはこれから小児病棟まで移動します」
「ちょっと待って! ここで見て貰えないの?」
「赤ちゃんはNICUで治療をします」
「付いていくから!」
「それはダメ!!」
俺が赤ん坊に付いて行こうとすると田中に腕を掴まれた。
「お母さんは付いていけないの自分の体調も万全じゃないでしょ? 後は私達に任せてください」
「最初は突き放したじゃない! あの時、直ぐに対応してくれたらこんな事にならなかった!!」
「私達を信じて待っていてください!」
「信じられない! 付いてく!!」
引き下がるわけにはいかない。赤ん坊が目の届かぬ場所に連れていかれるのが恐ろしい。
チクショー、チクショー。そもそもお前等がちゃんと対応してくれなかったのが悪いんだ。
「お前等が悪いのに偉そうに指図するな!」
こいつ等のせいで頭が割れるように痛い。視界がチカチカして額が熱い。
「きゃあ! 谷さん!!」
もっともっとこいつ等に怒りをぶつけたいのにいきなり手足の力が抜けて目の前が真っ白になった。
俺はその後どうなったのか分からない。気付いたら辺りは真っ暗で何も無い空間に寝かされていたんだ。
・・・あれ? やっぱり俺は死んでいるのか? それより何であんなに必死になってたんだ・・・・・・
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