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おっさんニートの夜明け
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明け方、俺はトイレに行きたくなって目を覚ました。
「ヒーッ、会陰切開の跡しみる~。クセになる~、あはん」
ガタン! ガタタタタタタン・・・。
「あっ、分娩室から誰か出てきた。ストレッチャーっぽいから帝王切開だったのかな?」
分娩室は病室の向かい側、トイレの隣にあるから帝王切開後のストレッチャーに乗せられた患者さんと鉢合わせしてしてしまう事がある。田中が言っていた通り9月末から10月にかけては出産予定日の妊婦さんが多いためか、連日陣痛で苦しむ妊婦さんのうめき声が聞こえていた。
「んっん~。えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」
(トップ○○卿だ、何を慌ててるんだろ?)
バタバタバタバタバタ・・・。
「来た来た! ねえ、まだご家族と連絡取れないの?」
「ええ、それが旦那さんともご両親とも繋がらないんです」
「寝てるのかしら? 困ったわ」
分娩中何かトラブルでもあったのだろうか? トイレから出たいけど緊迫した現場に足を踏み入れるのが憚られる。
「んっん~。どないしよう佐々木先生、またご家族に怒鳴り込まれるかも」
「ちょっと院長先生、今そんな心配してる場合じゃないでしょ」
プルル、プルル・・・
「はい、佐々木です。あっ、小児科の栗山先生ですか? はい、はい、そうですアプガースコア2点でして。えっ! 先生今NICUに居るんですか? それで・・・その、赤ちゃんの容体はどうですか?」
「んっん~!?」
「・・・・・・そうですか、では時間の問題ですね」
「先生! ご家族の方と連絡が取れました!」
「分かりました。直ぐ行きます」
バタバタバタバタバタ・・・。
(やっとトイレから出られる~。まるでドラマのワンシーンを見ているみたいでドキドキした~)
病室に戻るともう5時過ぎだった。長く入院している人にとっては取るに足らない出来事なのだろうか? 皆まだ寝ているようだ。
「朝食まで寝るか・・・あれ? 元木居ないや何処行ったんだろ?」
元木のベッドの仕切りカーテンだけ開いていた。トイレならすれ違うはずだが・・・。俺はその時、もしかしたらと言う嫌な予感がしたけれどきっと元木は大丈夫だと信じていた。
だって、絶対母親になるって言ってたから。
朝食の後、親父とおばあちゃんがまた見舞いに来た。
「ねえ美保さん、あなた里帰りどうするの?」
「えっ!? さあどうしましょうか。考えていませんでした」
「美保りんあのね、昨日ママと考えたんだけど美保りん退院しても暫く通院しなきゃならないでしよ? 流石に新潟から北海道は遠いから大変だよね」
「だから私、美保さんのご両親に今回はこちらで美保さんの面倒をみますと言っておいてあげたわ」
「はい? 別に向こうの病院に通ってもいいのでは?」
「あら~、何言ってるの。美保さんの実家ってほら、一年中道端に牛糞とジャガイモが転がっているような処でしょ? 赤ちゃんを抱いて歩くなんて危ないわ」
「ママん優しい――――!」
「暫くは私が新居に泊まってお手伝いをするわ。赤ちゃんの事は全て任せてちょうだい。美保さんは家事だけやってくれればいいから」
「ママんたくましい――――!」
「別に遠慮しなくてもいいのよ。美保さんって未だに玄米をビール瓶に入れて精米してそうな顔してるじゃない? 私が令和流の子育てを教えてあげる」
「ママん素敵――――!」
「でもほら、あなた達共働きでしょ。やっぱり鍵っ子て可哀想よね。そうだわ! 一層の事、同居してしまえばいいのよ。そうしましょう!」
「そうしよ―――――――――!!」
「ヒーッ、会陰切開の跡しみる~。クセになる~、あはん」
ガタン! ガタタタタタタン・・・。
「あっ、分娩室から誰か出てきた。ストレッチャーっぽいから帝王切開だったのかな?」
分娩室は病室の向かい側、トイレの隣にあるから帝王切開後のストレッチャーに乗せられた患者さんと鉢合わせしてしてしまう事がある。田中が言っていた通り9月末から10月にかけては出産予定日の妊婦さんが多いためか、連日陣痛で苦しむ妊婦さんのうめき声が聞こえていた。
「んっん~。えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」
(トップ○○卿だ、何を慌ててるんだろ?)
バタバタバタバタバタ・・・。
「来た来た! ねえ、まだご家族と連絡取れないの?」
「ええ、それが旦那さんともご両親とも繋がらないんです」
「寝てるのかしら? 困ったわ」
分娩中何かトラブルでもあったのだろうか? トイレから出たいけど緊迫した現場に足を踏み入れるのが憚られる。
「んっん~。どないしよう佐々木先生、またご家族に怒鳴り込まれるかも」
「ちょっと院長先生、今そんな心配してる場合じゃないでしょ」
プルル、プルル・・・
「はい、佐々木です。あっ、小児科の栗山先生ですか? はい、はい、そうですアプガースコア2点でして。えっ! 先生今NICUに居るんですか? それで・・・その、赤ちゃんの容体はどうですか?」
「んっん~!?」
「・・・・・・そうですか、では時間の問題ですね」
「先生! ご家族の方と連絡が取れました!」
「分かりました。直ぐ行きます」
バタバタバタバタバタ・・・。
(やっとトイレから出られる~。まるでドラマのワンシーンを見ているみたいでドキドキした~)
病室に戻るともう5時過ぎだった。長く入院している人にとっては取るに足らない出来事なのだろうか? 皆まだ寝ているようだ。
「朝食まで寝るか・・・あれ? 元木居ないや何処行ったんだろ?」
元木のベッドの仕切りカーテンだけ開いていた。トイレならすれ違うはずだが・・・。俺はその時、もしかしたらと言う嫌な予感がしたけれどきっと元木は大丈夫だと信じていた。
だって、絶対母親になるって言ってたから。
朝食の後、親父とおばあちゃんがまた見舞いに来た。
「ねえ美保さん、あなた里帰りどうするの?」
「えっ!? さあどうしましょうか。考えていませんでした」
「美保りんあのね、昨日ママと考えたんだけど美保りん退院しても暫く通院しなきゃならないでしよ? 流石に新潟から北海道は遠いから大変だよね」
「だから私、美保さんのご両親に今回はこちらで美保さんの面倒をみますと言っておいてあげたわ」
「はい? 別に向こうの病院に通ってもいいのでは?」
「あら~、何言ってるの。美保さんの実家ってほら、一年中道端に牛糞とジャガイモが転がっているような処でしょ? 赤ちゃんを抱いて歩くなんて危ないわ」
「ママん優しい――――!」
「暫くは私が新居に泊まってお手伝いをするわ。赤ちゃんの事は全て任せてちょうだい。美保さんは家事だけやってくれればいいから」
「ママんたくましい――――!」
「別に遠慮しなくてもいいのよ。美保さんって未だに玄米をビール瓶に入れて精米してそうな顔してるじゃない? 私が令和流の子育てを教えてあげる」
「ママん素敵――――!」
「でもほら、あなた達共働きでしょ。やっぱり鍵っ子て可哀想よね。そうだわ! 一層の事、同居してしまえばいいのよ。そうしましょう!」
「そうしよ―――――――――!!」
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