中年で汚いおっさんニートが出産子育てする話し

沖田きょう

文字の大きさ
21 / 30

おっさんニートと一緒に退院_2

しおりを挟む
   夜間授乳で寝不足なはずなのに、退院当日の朝はいつもより清々しかった。赤ん坊は当初の予定よりも入院が長引いたので退院診察ついでに1ヶ月検診も今日行う予定になっていた。

「んっん~♪ 出生時から身長3.5cm、体重約1kgの増加。黄疸無し順調だねぇ」

「でもお尻が赤い気がします」

「これはオムツかぶれだねぇ。まあ薬を出す程じゃないから、余り強く拭かないようにして良く乾かしてあげるといいよ。ほら、こんな感じで。ふー、ふー」

 そう言うとトップ○○卿はオムツを外して赤ん坊のお尻に息を吹き掛けた。想像してみて欲しい、高年期の禿げたおっさんがひたすら自分の赤ん坊の尻に息を吹き掛ける光景を目の当たりにした母親の心情を・・・。

(やれっ! 今だ! ブビッとやるんだ!!)

 ブビッ、ブリュリュリュッ

(よしっ!)

「うわっ!!・・・んっん~♪・・・ぺろり・・・」

「いやあああああああァァアア!!」

 思った以上に検診が長引いてしまった。病室で荷物をまとめていると親父とおばあちゃん、そして叔母さん(親父の妹)が迎えに来てくれた。

「ほら見て美保さん、素敵なベビードレスでしょう? 真紀ちゃんが作ってくれたのよ。さっそく悠人ちゃんに着せてみましょう」

 俺は叔母さんが大好きだ。洋裁学校に通っていた叔母さんは子供の時に良く手作りの服や小物をプレゼントしてくれた。美人で優しい叔母さん。いつか叔母さんのような人と結婚したいと思っていた。

「退院おめでとうお義姉さん。お義姉さんにも授乳服を作って来たの」

(やっぱり優しい・・・)

「あら、あらあらまあまあ素敵な菊柄のワンピースだこと。流石真紀ちゃん、センスがいいわぁ」

「そうだ美保りん、美保りんもこのワンピースを着て退院しようよ」

「待ってお義姉さん。私、カチューシャも作ってきたわ」

「あら、あらあらまあまあ素敵な三角のモチーフだこと。流石真紀ちゃん斬新なデザインだわ」

「美保りん良かったね。暫く妹も我が家に泊まって身の回りのお手伝いをしてくれるってさ」

「気を使わないでねお義姉さん。私が来たからには、お義姉さんは家事だけしていればいいわ。朝食は必ず7時半に、夕食は19時半にお願いね。私の洗濯物は皆ときちんと分けてアイロンもかけてね。プライベートを侵害されるのは嫌だから2階の一室を使わせて貰うわ。休日は彼氏が来るから彼氏の分の夕食もお願いね。彼氏が帰った後はベッドのシーツの交換を忘れないで。子守り料は月2万だけでいいわ、家族だからまけてあげる」

「流石僕の妹、プライスダウンで超優しい――――!」

(おばさ―――――ん!?)

 この3人が朝早くに来たせいで元木の赤ちゃんに会えなかった。でもきっと4ヶ月検診で会えるはず。残念だけど退院受付を済ませて皆で帰る事にした。

「美保りん、荷物これで全部かい?」

「みんな積んだよ」

「よ―――し! 5人で我が家に帰るよ! 皆、車に乗って」

 ガチャッ

「あれ!?」

(叔母さん乗ってる、自分の車で来たんじゃなかったの? チャイルドシートがあるから俺の乗る場所無いじゃん)

「ごめんあそばせ美保さん、この車4人乗りなのよ。オホホホホ」

「もうママったら、うっかりさんなんだからぁ」

「オホホホホホホホホホホホホ」

「アハハハハハハハハハハハハ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...