異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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廃荘ティブル、幸福と地獄の境界線編

16.俺とお前の友達の定義が違い過ぎる1*

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「ほらほら、暴れると浴槽の中に体が落ちちゃうよ」
「お前らが抱えなけりゃ溺れないんだってば! もうっ、なんだよ突然!」

 話の流れが全然理解出来ないし、なんで友達という単語にハテナマークを浮かべていたブラックが唐突に発情しだしたのか解らない。
 それに乗っちゃうクロウも全然理解出来ない!

 ああちくしょうっ、お前ら本当に何がしたいんだ!

「ツカサ君どーどー。んもうやだなぁ。ツカサ君たら、せっかく僕達が友情って奴を知ろうとしてるってのに、協力してくれないの?」
「はっ、はぁ!? 友情!?」

 このスケベ年中行事のどこが友情を確かめる尊い行為だと言うんだ。
 世迷言よまいごとを申すなとブラックを睨むが、相手はヘラヘラと笑うだけで俺の睨みにはちっともこたえていない。さっきのアレは何だったんだくそう。

 歯軋りする俺に、ブラックはニコニコと笑いながら俺の鼻頭を指でツンツンと突いてくる。舐めてんのかコラ。

「この熊公が、さっき言ったように『僕にとって最善であろう行動には全面的に協力してくれる』んなら、セックスだってよこしまな気持ちも無く手伝ってくれるはずだよね? だから、僕は友情って奴をセックスで感じようと思ってさ!」
「いやいやいやおかしいだろ!! えっちって普通二人きりでやるモンだろ!? 何第三者の介入を許してんのこれで友情が測れる訳ないじゃん!!」
「それはやってみなきゃ解らないよ~。だからさ、ねっ、やってみようよ!」
「うがーっ!」

 ぐ、ぐぬぬ、ヒートアップしすぎて俺一人がカッカしてるみたいで屈辱だ。
 騒ぎ過ぎたせいで息が続かなくてハァハァと肩を動かしてしまう俺に、ブラックはうっとりとした目をしながら、顔を近付けて来た。

「ねえツカサ君……キミはいつも僕の事をスケベって言ってるじゃない。その通り、僕はツカサ君を毎日触っていないと落ち着かないし、出来ることなら毎日ツカサ君のナカに入りたいんだ。僕にとって、ツカサ君とのセックスは命の次に大事なんだよ」
「う、ぐ……」

 なに言ってんの、なに言ってんのこのオッサン。
 毎日なんだって。何かオークみたいな事言ってるけどなんだって!?

「だからさ……僕にとって一番大事な儀式を、僕にとって一番いいことを、この熊公が手伝ってくれるんなら……友達ってやつを感じられるかも知れないでしょ?」
「う……うーん……。うーん……?」
「だから、ツカサ君も僕が『友達という存在』を感じるのを、手伝ってくれるよね」
「てつ……うーん……うーむ……」

 それ、友情とか感じられるの? 本当に友情出て来るの?
 俺普通の友達しかいないから、ブラックの言う事が全く判らないんだけど。
 どう考えても納得出来ないんだけど。

「おい熊公、見てないでさっさとツカサ君のナカを綺麗にしてやれよ」
「ウ、ウム……よし、つ、ツカサ、綺麗にしてやるからな……」
「うえぇっ!?」

 何も納得していないのに、ブラックの言葉にクロウが動き出す。
 思わずわめいたが、その声すら聞こえていないのか、クロウは俺の足を膝に乗せて、突き出すようになってしまった俺の尻の肉を手で鷲掴わしづかんだ。

「ちょっ、やっ……!」

 ブラックと少し違う、指の力自体が強いんだと確信させる触れ方。指でぐっと肉を押されるだけでも肉に食い込んでしまって、俺は思わず声を詰まらせた。
 ヤバい。凄く久しぶりなのに、クロウの指だってちゃんと分かる。
 そんなの覚えてるなんておかしいのに、俺の体は力強く肉を開かれる感覚を「前に感じたことだ」ってはっきり解ってしまっていて。

「たっぷり濡らしてから指を挿れてやるから、安心しろ……」

 ブラックの物とはまた少し違う、低くて大人らしい声が俺の体をぞくぞくさせる。
 寒気とは違うものなのに、お尻の谷間に湯をかけられると体がビクビクと波打ってしまって、恥ずかしさで体の芯から熱くなった。
 だけどそんな俺に構わずに、クロウは太くてがっしりとした指をすぼまりにあてがう。
 その感触に「やめろ」と反射的に言おうとしたのだが――――ソコの締め付けなど物ともせずに強引に入って来た指に、俺は悲鳴をあげてしまった。

「うあ゛ぁあぁああ゛ッ!! やっ、らっ、あ゛っ、あぁ゛あ゛っ! や゛っいっ、いき゛なりっ、指が、ぁ……っ!!」

 まだボケてもない頭で、快楽に緩んでもいないソコを強引に押し広げられて、声が喘ぎ声というよりも泣き声に近い悲鳴になってしまう。
 自分でも情けなくてこらえたいと思うのに、クロウの太い指がナカをぐねぐね動いて奥へと入り込むのが怖くて、体が勝手に震えてしまって、声が抑えられない。
 これしきのことでと自分の中の理性は怒ってるのに、俺はその感覚に耐え切れず、もうグズグズと泣いてしまっていた。

「い゛っ……あ゛っ……あぁあ゛あ゛っ、あ゛、ぅっ、う、あ゛ぁあ……ッ」
「あは……ツカサ君たら、もう泣いちゃたの? 素面しらふでお尻のナカいじられるの慣れてないから、怖くなっちゃった……? んもう可愛いんだから……」
「あ゛っ、ぅ゛」

 浴槽のふちすがりついている俺の顔を、ブラックは無理矢理に上げさせる。
 涙でにじんだ視界には、楽しそうに微笑む意地の悪いオッサンが映っていた。

「ほら、ツカサ君……こっちに集中して……」
「う゛……んむ……っ」

 顔を掴まれて、キスをされる。
 軽いキスを何度も繰り返されて、息を継ぐために微かに開いていた口が、より緩くだらしなく開いていく。呼吸したいと思っても、口を開いたらブラックの大きな舌が入って来て、俺の舌を撫でたり絡んできたりするもんだから、息すらままならない。

 なのに、クロウは俺が声を漏らすたびに中で指をくねらせたり、締まろうと収縮するすぼまりの所まで指を引き戻してナカでピストンを繰り返し、ただでさえ大変な俺を更に追い詰めて泣かせようとして来る。

「ん゛っ、んん……んっ……んぅう゛っ、んう゛ぅ……!!」
「つっ……ツカサ……ブラックの精液が全然流れて出て来ないのだが、まさか先に洗ったりしたのか……?」

 興奮したようなクロウの声が後ろから聞こえて、指が思いきり奥に突き込まれる。

「ん゛ん゛――――~~~ッ!!」

 その衝撃に、口が閉じそうになる。が、ブラックが顎を捕えて固定し、下品な音を立てながら、俺の口の中を舌で余すところなく蹂躙した。
 それだけでも苦しくて、体が震えて、辛いのと頭がぼうっとなる感覚がまぜこぜになって涙が止まらなくなるのに、ナカからの耐えがたい刺激が余計に俺を追いこんでどうしようもなく責め立てて来る。

 ブラックとのキスだけでもういっぱいいっぱいなのに、クロウに荒々しくナカを指で掻き回されて、もう、色んな刺激で頭がぐちゃぐちゃで。

「ん゛ぅう゛う……ッ、ぅっ、うぁっ……うっ、んむ、ふっ、ふぁっ、うっ、うぅう゛う……っ」
「ツカサ……可愛い……ああ、この啼き声だ……オレは、この啼き声にずっと飢えていたんだ……! はぁっ、ハァ……ハァ……ッ、つ、ツカサ、ツカサ……っ」

 少し動かれて、クロウの太腿ふとももの上でひざを付いている俺の足がガクガクと震える。
 いや、もう、上のナカも下のナカも弄られて、膝立ちでも辛いのかも知れない。
 でもどうしても、認めたくなかった。

 だってまだ何もされてないのに、お尻弄られて、キスされて、それだけでこんな風に体が反応してるなんてどうかしてる。絶対におかしいんだ。
 そうは、思うのに……。

「ム……ツカサ、可愛いおちんちんが勃って来たな」
「ん゛ん゛……ッ」
「っぷは。あはっ、ホント? ツカサ君たらすっかりメスの体になっちゃったねっ。お尻を弄られるだけで勃起するなんて、淫乱の証拠だよ」

 語尾にハートマークでも付いているような、跳ね上がる言葉を放られる。
 違うと言いたいのに、俺の腹の奥はじんじんしていて……股の間にぶら下がってるはずの分身は、自分でも失望するほど……勃起してしまっていた。

「ちがっ、ぁ……こんな……っ」
「違わないでしょー? ツカサ君は、お尻のイイ所も奥も指で散々虐められて、メスらしく気持ち良くなっちゃったんだよね! それとも、僕のキスで勃起したのかな? それもそれで淫乱だと思うけどねえ」
「う゛……うぅう……っ」

 逃げ道を封じられて、言葉で嬲られる。
 それで萎えればどれほどいいかと思うが、まだ俺の中に入っているクロウの太い指も、ブラックの意地悪で興奮したような視線も、俺を許してはくれない。
 もう逃げたいのに、二人は俺の事を許してはくれなかった。

「あはっ……ツカサ君の泣き顔だ……可愛い、ほんと興奮しちゃうなぁ……。僕まで股間がムズムズしてきちゃったよぉ」
「ム……。オレも、辛抱たまらなくなってきたぞ」

 前から後ろからそう言われて、どうしていいのか解らなくなる。
 だからなんだってんだ、俺にどうしろって言うんだよ。無茶言うな。
 頼むから自分で処理してくれよと俺は風呂の縁に顔を伏せようとするが、そんな事で二人が許してくれるなら、今俺は嬲られてなんていないだろう。

 ブラックも、クロウも、こういう時は妙に協力し合って俺を追い詰めて来るんだ。
 友達が何か解らないなんてブラックは言うけど、解ってるんじゃないか。こういうのを悪友って言うんだ。知ってる。ブラックだってどうせ解ってるはずだ。
 なのに、友人が何かを確かめたくてこんな事をするなんて。

 横暴だ。俺をなんだと思ってるんだ。

 なすがままがくやしくて涙があふれて来るが、しかし一番悔しいのは……俺自身が、二人にされるやらしいことを拒めないという事で。
 こばむ事も出来ず、気持ちの良さに流されてしまう自分が、一番嫌だった。

 だって、こんな事してる場合じゃないのに。
 こんな恥ずかしい事で、友達という存在を確認するなんて、おかしいのに。

 それを否定することも代替案を思いつく事も出来ない自分が、一番嫌だった。

「おい熊公、本当にツカサ君のナカからは精液が出て来なかったのか?」
「間違いないぞ。きっとツカサは先に後始末をしてしまったんだろう」

 俺がすすり泣いている間にも、オッサン達は何かを話している。
 それにやっと気付いて、ブラックを見た俺だったが。

「……ふーん? 僕になんの断わりも無く、後処理しちゃったんだぁ」
「う゛……」

 ブラックが、目を細めて俺を見つめて来る。
 その視線に悪寒を覚えて思わず言葉に詰まった俺に、相手は再び笑った。

「僕の精液、早く処理しちゃいたいくらい嫌だったの? 傷付くなあ」
「ぅえっ……!? そ、そん、な」
「そんな事は無いって? 本当に?」

 誤解を解こうと必死に頷くが、ブラックの表情は変わらない。
 むしろ、笑みが深くなっているような……と思って……俺は、またもやブラックにハメられたのだとやっと気付いて、目を丸くした。
 だが、もう遅い。

「じゃあ……僕の精液、今度こそ受け取ってくれるよね。ツカサ君」

 ブラックが、浴槽の中で立ち上がる。
 ざぱっと大仰な音を立てて目の前に現れたのは……俺と同じモノだけど、全く形が違う……見慣れ過ぎてしまったものだった。

















 
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