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竜呑郷バルサス、煌めく勇者の願いごと編
沈黙
しおりを挟む「はぁっ……あぁ……ほんとツカサ君のナカ気持ち良い……」
何度目かの射精で、ツカサの尻穴から精液が零れだす。何度も何度も数えきれないくらい掻き回したナカは熱く蕩けていて、いつもより従順だ。
残った精液を掻きだすように中で動けば、ツカサの体はひくひくと反応した。
「ム……。ブラック、ツカサが気絶しているぞ」
「え? あ……あちゃぁ。久しぶりに思いっきりヤれると思ってやりすぎたなぁ」
そう言いながらペニスを引き抜くと、休む暇も無く責められて開き切った穴から、大量の精液が足を伝って不規則に落ちて来る。
穴はもう、ブラックのモノが快楽を得られるように作り変えられてしまったのだ。その姿を思うと再び股間に熱が流れそうだったが、ぐっと堪えてツカサを抱えた。
すると、ツカサの下半身からちゅぽっと卑猥な音が聞こえる。
「すくなくとも六回は射精したろう。ツカサの体を考えろ。お前とオレで倍以上絶頂を与えているんだ、気絶したって仕方ないぞこれは」
「ツカサ君のおちんちんにむしゃぶりついてたクソ熊が言う事かそれ」
今だって、やっとツカサの稚茎から口を離したに違いない。
この厚かましい駄熊も、ブラックと同様にツカサの体を好き勝手に弄ったのだ。
だが、駄熊が得た糧の半分以上は、自分がツカサを貫いたがゆえの産物だと思えば悪い気はしない。肉感的な太腿を染める僅かに泡立った精液だって、全てが己の吐き出したものなのだ。そう思えば思うほど高揚感が湧いた。
(あは……。ツカサ君の体に残ってる精液は、全部僕の……僕の精液なんだ……)
気絶したツカサの両足をカエルのように広げて曲げさせ、無様で恥ずかしい格好へ無理に変えさせる。駄熊の頭に乗って体が浮いたままのツカサからは、次々に水滴か汗か判らないほどの滴が零れ落ち、吸われ続けて垂れ下がった色素すら薄い幼いままの陰茎は、唾液と汗を伝わせていた。
彼をメスにさせる最も重要な部位だけが、彼の支配者たる自分に蹂躙されて、屈服にだらしなく口を開け精液塗れになっているのだ。
そして、気絶してもなお、ツカサは屈辱的な格好をさせられ、その無様で哀れな姿を披露させられている。こんなこと、誰もが出来る事ではない。
自分だけが、愛しいこの少年を好きに出来る。
ブラックだけが――ツカサの体を、ここまで穢し辱める事が出来るのだ。
その事実を改めて思い知ると、また股間に熱がじわじわと集まってくる。
(いやいや、流石に今日はもうダメだな……。これ以上やって壊しちゃったら、明日ツカサ君が動けないどころの話じゃなくなるし…………)
経験則から言えば、これ以上やればツカサは翌日に必ず寝込む。
そうなってしまえばシアンから大目玉をくらう事は確定だ。ツカサに関する事以外で怖い物などなかったブラックだが、シアンに怒られるのは今も昔も苦手だった。
悦楽に浸っていないでさっさとツカサを清めて、風呂にでも入ろう。
そう思い、ブラックは湯でツカサの体を優しく地面に横たえ、丁寧に洗い始めた。
「オレも手伝うぞ」
「お前はその使いようのないデカブツでも抜いてろ。なに勃起させてんだクソ熊」
「オウ……ツカサの交尾する姿を見ていたらつい……」
浮浪者のようにボサついて伸びた髪をわさわさと動かしながら、相手はこちらに背を向けて、恥ずかしげも無く腕を動かし始める。
獣人と言うのは人族以上に恥じらいが無い存在らしいが、こうまであけっぴろげに自慰を見せつけられると、なんだかこちらがバカにされたような気になって来る。
もしツカサがあの駄熊のような恥じらいのない子なら、セックスする頻度もあまり多くなかったかもしれない。そんな少年でなくて良かったと心底思いつつ、ブラックはツカサを綺麗にしてやると自分も体を洗い、彼を軽々と横抱きにした。
いつもなら一人で楽しみながらゆっくりと洗ってやるのだが、今回はもう一人厄介な人物がいるのでうかうかしていられない。
湯船に浸かり、自分の胸に背中を預けるようにして胡坐の上に座らせると、すぐ後に全身びしょぬれの熊公がドボンと音を立てて入って来た。
「…………」
隣に座られるが、特に会話も無く湯が流れる音だけが響く。
ブラックも熊公も相手と何か話そうと思っていないので当然ではあるのだが、こうも静かな時間が続くとさすがに居心地が悪い。
このような大浴場で、他人と二人きりになった時の気持ちと同じだ。
お互い気まずいのだろうなと察するぐらいの重い沈黙が流れて、結局湯を楽しめずに風呂から上がってしまうのだ。
あまり人と交流をして来なかったブラックには、こんな時にどういう対応をすればいいのかという知識などまるでなかった。
(そういうの、全部避けて来たし……ツカサ君が取り持ってくれたからなぁ……)
せめて他人であれば猫を被って礼儀正しい自分を演じる事も出来るのだが、本性を曝け出した相手にはそんな事をしても恥を見せるだけだ。
やはり出て行こうかと考えていると――――不意に、熊公が口を開いた。
「…………こういう時に、ツカサがいてくれる心強さを実感するな。お前もそうだが、オレも他人とうまく話せない。こんな場での会話なら尚更だ」
「……そう、だな」
確かに、そうだ。
思わず肯定してしまって、ブラックは「そういえば」と思い返した。
(前々から、自分の嫌な部分が似ているとは思っていたな……)
この変態の駄熊も、何かに飢えてこんな年齢になっても未だに救いを求め彷徨っていた。そうしてツカサに出会い、やっと求めていた物を得られたのだ。
立場は違うし相手は恋敵でもあるが、この駄熊との関係に名前を付けるとしたら――悪友、と言うのかも知れない。そう思うくらいには、相手を許容していた。
けれど、それを気取られるのは何だか癪で。だからか、ブラックは「悪友」という言葉を思い浮かべる今になっても、この「二番目の雄」と二人きりで取り残された時は普通に黙ってしまっていた。
正直…………ツカサがいなければ、何を話して良いかすら分からない。
(それはそれで、大人げないってのは解ってるけど)
だが、これからもずっと引っ付いて回るであろう相手に対して、他人に見せるような「偽物の自分」を見せてもどうしようもない。
それ故に、困ってしまっていた。
本性の自分だけで、自分から他人に接するには……どうすればいいのか、と。
(そういう所は、ついツカサ君に頼っちゃうんだよな……。いつも、ツカサ君が僕や熊公を引っ張って、他の奴と簡単に話せるようにしてくれてるんだ)
抱き抱えている柔らかな体の少年は、自分達よりも小さくて頼りない。
だが、彼の天性の明るさが人の心を優しく解して結び付け、自分達をこの世に繋ぎ止めてくれている。今だって、気絶していてもこうして話のタネをくれた。
隣にいる熊はこの関係を「群れ」だと言うが――――もしそれを認めるなら、この「群れ」をしっかりと包んで在る物としてくれているのは、この少年なのだ。
そう思うと何だかよく判らない熱い気持ちが込み上げて来て、ブラックはツカサの力無い体をぎゅっと抱き締めた。
「ツカサは……すごいな。オレ達を慰めるだけでなく、心も体も欲望すらも満たしてくれる。本当なら、反発しあう【曜術を使う者】を繋いでくれているのだ。誰にでも出来る事ではない」
「ああ……。そういう所は本当に……異世界から来たんだなぁって思うよ」
この世界では珍しい、十七歳になっても十二三の頃の少年のような幼い体付き。
顔も童顔で少しも強そうに見えないのに、それでも彼は誰よりも心が強い。
いつも、いつも己の苦しみを見せようとせずに……ブラック達を気遣うのだ。
本来ならば、曜術を使うような存在はおしなべて自己中心的で、心の底から誰かを最優先にするような事などしないというのに。
そこまで考えて、ブラックはツカサの肩口に顔を埋めた。
なんだか急に愛しさが込み上げて来て、たまらなかったのだ。
(ツカサ君……好き……僕、ツカサ君のこと、たくさん好きだよ……)
こんな頼りない肩なのに、自分を優しく抱きしめてくれる。
思い起こせば、ツカサの柔らかな尻を乗せている足の感触に熱が籠った。
そんなブラックとは裏腹に、何故か隣にいる駄熊は少し不安そうな声で唸る。
何故に鬱陶しい声を出すのかと顔を上げると、相手は少し不満げに口を歪めた。
「……ツカサは、別の世界でどんな暮らしをしているんだろうか」
意外な事を言う相手に、ブラックは思わず眉を上げた。
そういえば、この熊はこの手の話題を一度も口にした事が無かった気がする。
別段気にしていないのだとばかり思っていたが……やはり、この男も「向こう側のツカサの様子」が気になっていたらしい。さもありなん。この駄熊もまた、ツカサが異世界から来た人族である事を知っていて、その上で彼に依存している一人だ。
考えてみれば、気にしていないワケが無かったのだ。
(今までは、気になっていたけど言い出す機会が無かったって事か……ただ単に、僕に遠慮してたってことかな)
後者であれば殊勝な「二番目」だと言えなくもないが、まあ、今回はその気持ちも解るので追及はすまい。だがなんと言っていいのやらと少し考えて――――ブラックは、深く息を吐いた。
どうせ、隠す事など無い……いや、そこまで自分は知らないのだから、と。
「ブラック」
「ああ、いや……」
「どんな暮らしをしているのか、お前は知っているのか?」
知っているなら少しだけで良いから教えて欲しい、と真剣な目を向けて来る相手に、ブラックは正直に答えた。
「さあね。……と言うかぶっちゃけた話、ツカサ君は向こうの事をあまり話したがらないんだ。多分……そんなに良い状況にはなってないんだと思う。あっちの世界は、僕達の世界よりも規律や規範がしっかりしているみたいだった。それを考えれば……きっと、色んな奴らからどこに行ってたんだって未だに詮索を受けてるに違いない。だから……こっちに帰って来る時、いつもちょっと疲れてるんだろうね」
ツカサに見せて貰った「教科書」という書物は、数多の文字だけでなく精巧に作られた図解を染め込んだ代物で、かなりの技術で作られているのが分かった。
その書物の中には、一晩で理解し得ぬほどの情報が詰まっており、ツカサはそれらを苦も無くすらすらと読んで見せたのだ。
あれを見れば、誰だって解る。教科書は人民の知能を底上げしている証拠だった。
そこまでして民衆に知恵を与えているとなると、国を守る司法や統治は生半可な物ではあるまい。確実に厳格な規律を定めているはずだ。
ならば、たかが子供一人であろうとも、国防の為か犯罪を取り締まる為かで厳しく取り調べを行うに違いない。監視の目も常に引き連れているかもしれない。
そんな生活をしていたら……ツカサもさすがに疲れた顔をするだろう。
「……そうか……ツカサは、あちらの世界でそんなに大変な思いをしているかも知れないんだな……」
湯に濡れてもごわついて膨らんだままの髪を揺らしながら、熊は心配そうな雰囲気でツカサの顔を覗きこむ。そうして、頬を優しく撫でた。
まるで、愛しい相手を気遣うかのように。
……その気持ちは、ブラックも分からないでも無かったので、黙っていた。
すると、相手は不意に顔を上げる。
どうしたのかと思っていると、真剣な顔で問いかけて来た。
「…………ブラック。ツカサを……このまま、こちらに留める事は出来ないのか?」
「…………」
「ツカサが向こうの世界で苦しんでいるのなら、向こうに還すのは我慢ならん。説得して、どうにかこちらで暮らせるように出来ないのだろうか」
それは…………ブラックも、考えないでも無かった。
いや、つい昨日も考えた。今も、考えている。
離れたくなくて、離れていると不安でどうしようもなくて、いつもいつも彼があの眼鏡の胸糞悪い神に連れ去られる時間が来るのが嫌で、ずっとそう願っていた。
……だが……。
「……無理だろ……」
「ブラック……」
「ツカサ君は、両方の世界を選んだ。どっちの世界にも好きなものが有るから、両方捨てる事は出来ないって言ってたんだ。……だったら今は見守るしかない。ツカサ君が『絶対に戻ってくる』って言ってるから、待つしかないんだ。……今は」
そう。これは、ツカサが望んだ事だ。
だからこそ、この胸に体を預ける愛しい存在は、向こう側の世界で起こっている事を自分に話してくれないのだろう。言えば心配されると解っているからこそ、聞かせたくないと思っているのだ。そんなツカサの切ない気持ちが、ブラックには痛いほど分かった。
ツカサは、自分を心の底から愛してくれているから、意地を張ってしまうのだ。
けれど、それが時々憎らしくなる。
意地を張らずに泣き付いてくれさえすれば……こう言えるのに。
――――じゃあ、ずっとこの世界に居ようよ。僕が守ってあげるから。
そう言いさえすれば、ツカサは絶対に堕ちてくれる。
もう二度と異世界に帰ろうとは思わないだろうと、解っているのに。
(ツカサ君の意地っ張り……。だけど、そんなツカサ君だから僕は……)
心の中でそう呟きながら、ツカサの額を無意識に触り――――
「うわぁっ熱い!! つ、ツカサ君もしかしてのぼせてる!?」
「ぬぉっ!? の、の、のぼせてるのに風呂に入れたのかブラック!」
ざぱーっと音を立てながら二人して起立するが、最早幾許の余裕も無い。
慌てながら湯船を出て、ブラックは脱衣所へ走った。
「あああっ、セックスで熱が残ってるわけじゃ無かったのかぁああ」
「ど、どうするんだお前、こんなことが水麗候にバレでもしたら」
「わーっうるさいうるさいうるさい、冷やすっ、とにかく冷やすぞ!!」
ドタバタと騒がしく脱衣所に入り、ツカサを床に横たえて何とか体の熱を冷まそうと躍起になる。熊公と協力して風を送ったり汗をぬぐうが、なんともならない。
明らかにまずい状態だと悟り、二人は同時に青ざめた。
「つ……ツカサ君が冷えない……このままだとシアンにお、おこ、おこ」
「ばっ、バカだな! そんな風でツカサが冷えるか! こういう時は水で」
「それこそ風邪にでも取り憑かれたらどーすんだお前の方がバカ駄熊! こういうのは、ゆっくり熱を冷まして……ええい炎の曜術師の僕に任せて黙ってろお前は!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらも、体中が真っ赤になったツカサを囲んで必死に動く。
――――いつの間にか、気まずい沈黙の時間は無くなっていた。
→
※この世界の人族は外国人並に体の成長が早いので
十七歳だともう立派な大人体型になります。
なので、童顔平均身長以下のツカサはこの世界だとショタ扱いなのです。
まあこっちの世界でも充分ショタ体型なんですが。
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