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第十一話 最終決戦プランA
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「ここは…」
「お母様のお腹の中ね…また産まれるの?」
女王の体内に取り込まれた、鬼神と女探偵…
足下のネバつきに不快感を覚え…少しでも踵をつかない様、つま先立ちで…ユズキの羽根に、つかまって歩くキラサは、違和感を口にする…
「何かさ…テーマパークの、施設みたいな匂いしない?」
「あの…独特の作り物感は、感じてるよ…」
「あそこ…何か釘の跡が…」
扉の様な壁を、指さす彼女に付き添い…
その場所に、手を触れる…
「なんだ?動くぞ…ここ…」
「ユ…ユズ、押してみて…」
ギギィ~!
その向こう側には…映画のセットの様な小道具が、散乱していた…
「アレ…見覚えがあるわ…」
そこには、いつかの時間軸で見た…透明なドームに入った、無数の脳のオブジェが…
「手前のだけが…リアルサイズで、奥に行くに従って…パースのついた、ミニチュアか…」
遠近法を利用して…無数にある様に細工された、ムービープロップがそこに…
「これも…知ってる…」
キラサは、地面に落ちている…魔法のステッキを手に取る…
「変身するか?」
「呪文、忘れちゃったわ…で、私んじゃないし…」
ポイッと捨てて、さらに進む…
ふと気付くと…霧が、周囲に立ち込めている…さらに向こうの方から、念仏の様な声がする…キラサが見たものは…
「た…立花源造…」
カラフルな、蝋燭の立ち並んだ一室…無数の鏡に囲まれ…座禅を組む、一人の男…あの、古本屋の主人…が、鏡に映ったその姿は…
「やっぱり…私を追って来たのね…術師さん…そう、あの回廊を越えて…」
「見ろキラサ、ここ…ハリボテだ…」
ドンドンドンッ…パコパコ…
周囲の壁を、鬼神が叩くと…安っぽい作り物の音がする…
「でしょ~ね…いくら何でもアリの世界線でも…巨大化は、ないわ~って、思ってたのよ…」
「俺が化けてた…双子の警官と同じ…カラクリだな、コリや…」
ふたりの気配に気付き、立ち上がる術師…手には一冊の本を持っている…
「さて…また現実を、書き換えるかな…」
「ここだけが…本当の時間軸って、訳ね…それ以外は、アンタの妄想と…私達の記憶が、作り出したニセモノの世界…で、いいかな?」
「事実ではあるが…真実では無い…私が死ぬまで…夢は続くんだ…」
理路整然とする、キラサに対し…術師は指で印を結びながら、ブツブツと…本を読み聞かせる…
「王宮術師は、王女キラサと鬼神を取り込んで…全ての能力を手にする…」
そう言われ、キラサは金縛りに合う…
「ユズ…カラダが…う~ん…どうしよ…」
鬼が、2・3回瞬きし…もう一度キラサを見ると、透明な蛇が…全身に何匹も、カラミ付いていた…
「邪眼殺法…」
彼の目から、放たれた光線は…術師の指を切断する…
バタッ…
術が解け…解放されると同時に、倒れるキラサ…
ス…
その背中に、手を差し伸べ…地面に着く前に、片手で抱く鬼神…
「私は、女王に精気を吸われ…ここで、再構築された現象に過ぎない…そう、もうとっくに死んでいる…でも覚えておけ、これまでの出来事の全ては、この本に書いてあった事なのだ…」
指から流れる血を、抑えながら…観念する術師は、手にした物を落とした…
[菱形の陽暉楼]
そう書かれた表紙の一冊の本が、地面に落ち…燃え上がり、灰と化す…
「家族の所へ行け…夢は…お終いだ…」
シュルル…
謎の声と共に…長く白いムチが、術師の首を捕らえる…
ブチッ…プシュ~!
ふたりの目の前に…切断面から、噴き出す血の風景が…そして、その光景を映す背後の鏡の中に…戸惑う、女王カルミカの姿が…
「アレ…元の姿に戻って…はっ、アナタはキラサ…お母さんよ…」
「お…母様…うぅ…会いたかったよ…ずっと…」
「愛しい我が娘…おいで…」
ガシャ~ンッ!
鬼神の手を離れ…鏡を叩き割り、母親に抱きつくキラサ…
「愛してます…お母様…」
「お母様のお腹の中ね…また産まれるの?」
女王の体内に取り込まれた、鬼神と女探偵…
足下のネバつきに不快感を覚え…少しでも踵をつかない様、つま先立ちで…ユズキの羽根に、つかまって歩くキラサは、違和感を口にする…
「何かさ…テーマパークの、施設みたいな匂いしない?」
「あの…独特の作り物感は、感じてるよ…」
「あそこ…何か釘の跡が…」
扉の様な壁を、指さす彼女に付き添い…
その場所に、手を触れる…
「なんだ?動くぞ…ここ…」
「ユ…ユズ、押してみて…」
ギギィ~!
その向こう側には…映画のセットの様な小道具が、散乱していた…
「アレ…見覚えがあるわ…」
そこには、いつかの時間軸で見た…透明なドームに入った、無数の脳のオブジェが…
「手前のだけが…リアルサイズで、奥に行くに従って…パースのついた、ミニチュアか…」
遠近法を利用して…無数にある様に細工された、ムービープロップがそこに…
「これも…知ってる…」
キラサは、地面に落ちている…魔法のステッキを手に取る…
「変身するか?」
「呪文、忘れちゃったわ…で、私んじゃないし…」
ポイッと捨てて、さらに進む…
ふと気付くと…霧が、周囲に立ち込めている…さらに向こうの方から、念仏の様な声がする…キラサが見たものは…
「た…立花源造…」
カラフルな、蝋燭の立ち並んだ一室…無数の鏡に囲まれ…座禅を組む、一人の男…あの、古本屋の主人…が、鏡に映ったその姿は…
「やっぱり…私を追って来たのね…術師さん…そう、あの回廊を越えて…」
「見ろキラサ、ここ…ハリボテだ…」
ドンドンドンッ…パコパコ…
周囲の壁を、鬼神が叩くと…安っぽい作り物の音がする…
「でしょ~ね…いくら何でもアリの世界線でも…巨大化は、ないわ~って、思ってたのよ…」
「俺が化けてた…双子の警官と同じ…カラクリだな、コリや…」
ふたりの気配に気付き、立ち上がる術師…手には一冊の本を持っている…
「さて…また現実を、書き換えるかな…」
「ここだけが…本当の時間軸って、訳ね…それ以外は、アンタの妄想と…私達の記憶が、作り出したニセモノの世界…で、いいかな?」
「事実ではあるが…真実では無い…私が死ぬまで…夢は続くんだ…」
理路整然とする、キラサに対し…術師は指で印を結びながら、ブツブツと…本を読み聞かせる…
「王宮術師は、王女キラサと鬼神を取り込んで…全ての能力を手にする…」
そう言われ、キラサは金縛りに合う…
「ユズ…カラダが…う~ん…どうしよ…」
鬼が、2・3回瞬きし…もう一度キラサを見ると、透明な蛇が…全身に何匹も、カラミ付いていた…
「邪眼殺法…」
彼の目から、放たれた光線は…術師の指を切断する…
バタッ…
術が解け…解放されると同時に、倒れるキラサ…
ス…
その背中に、手を差し伸べ…地面に着く前に、片手で抱く鬼神…
「私は、女王に精気を吸われ…ここで、再構築された現象に過ぎない…そう、もうとっくに死んでいる…でも覚えておけ、これまでの出来事の全ては、この本に書いてあった事なのだ…」
指から流れる血を、抑えながら…観念する術師は、手にした物を落とした…
[菱形の陽暉楼]
そう書かれた表紙の一冊の本が、地面に落ち…燃え上がり、灰と化す…
「家族の所へ行け…夢は…お終いだ…」
シュルル…
謎の声と共に…長く白いムチが、術師の首を捕らえる…
ブチッ…プシュ~!
ふたりの目の前に…切断面から、噴き出す血の風景が…そして、その光景を映す背後の鏡の中に…戸惑う、女王カルミカの姿が…
「アレ…元の姿に戻って…はっ、アナタはキラサ…お母さんよ…」
「お…母様…うぅ…会いたかったよ…ずっと…」
「愛しい我が娘…おいで…」
ガシャ~ンッ!
鬼神の手を離れ…鏡を叩き割り、母親に抱きつくキラサ…
「愛してます…お母様…」
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