別に弱くはない

ぷんすけ

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1章 シーム村

#6 森での魔物退治

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「くそっ!くそっ!くそくそくそ!」
 何なんだアイツ!
 ビリーは怒りながらもを走り回る。

 今までもこうだったのか?
 いつも、ああやってこの身体に、弟に暴力振るってたのか?

「あれが魔力……」
 昨日は魔力を一切使っていなかった。

「舐めやがって!」
 いままで本気じゃ無かったんだ。

 先生が言っていた。
 魔法を使いたかったら魔法使いか魔物と戦うのが1番だと。
 魔力を直接感じるのが近道だと。
 だけどアイツのイジメを受けただけでは魔法が分からなかった。

 森になら魔物がいるはずだ。
「!?。……見つけた」
 早速猫形の魔物が1体。
「子供か」

 殺せば、魔物の血を浴びるだけでも魔力が増す。
 魔物は魔力の塊だ。
 強い魔物を殺せばそれだけ魔力が強くなると。
 あれ位なら木剣でも叩き殺せるはずだ。

「経験値。経験値経験値経験値!」
 何度も何度も叩きつける。
 殺れる殺れる殺れる。

 もちろん魔物も反撃をしてくる。
 腕を噛まれたが振り解けば直ぐに魔物の身体が吹っ飛ばされる。

 噛まれた所から魔物の唾液が入り魔力を感じる事ができた。
「これが……魔力」

「こんな簡単に……すごい、すげぇ」
 すぐにコツを掴み木剣にも魔力を纏う。

「こんな簡単にハハッ、ハハハ!やばいよコレやべえよコレ!」
 何度も何度も叩きつける。
 木剣に魔力を纏わせるだけで威力が全然違う。
 けど、流石に魔物なだけあってまだ死なない。

 魔物はほぼ戦闘不能に。
「アイツもこんな気分だったのかな?すぐに殺してやるからn──なっ!?ゔっ!!!」
 ビリーの体が吹っ飛ばされる。

「強風?」
 どこからか分からない強い風によって少し身体が飛ばされてしまう。

「魔物の親か」
 魔力を全身に纏っていたおかげで痛みは少ない。が、纏っていた魔力が消えてしまった。
 魔力操作は意外と繊細な事が分かった。

「これ位なら行けるか」
 再び身体に、木剣に魔力を注ぎ魔物に向かう。
「ガァルルルゥ!!!」
 魔物の叫び声と共に強風が吹いてくる。
 魔力を纏っているとはいえ風に切られ血が流れる。

「これが魔法?風系統か何かの魔法か」
 コイツを殺せれば俺も使えるように?
 魔力をどうすれば風に変えられるのだろうか?

 魔物の風魔法に対して手を出し魔力越しに風を感じる。
「よく分かん無いなぁ」
 次は傷一つ付かない。

 少し魔力を薄めて風を感じてみる。
「痛っ!」

 まだ魔力のコントロールが正確では無く身体に纏う魔力量を薄める事ができず魔力の流れを切ってしまった。
 すぐに魔力を流すも今の所100か0の魔力コントロールしか出来ない。

 流石に戦闘中に色々試してみるのはきついか。
 木剣を強く握り魔物に向かい切りかかる。
 けど風魔法によって上手く近ずけず吹っ飛ばされる。

 攻撃に耐える事は出来るがコチラからも攻撃が効かない。

 魔物は子供の方に段々近ずいて行く。
 魔物は敵の俺よりも子供を優先しているみたいだ。
 風魔法は多分周囲に影響がありそうな為子供に近ずかないと巻き込んでしまうのだろう。

 つまり攻めるなら今の内。
 一方向に攻撃を向けてはいるが風魔法だからだろうか?広範囲な攻撃だ。

 俺は魔物が子供に近付くよりも先に迂回しつつも子供と直線上になるように位置取りをする。
 俺と魔物の間に子供の魔物が倒れている状態になる。

 案の定相手の攻撃が弱まったのを感じた為直ぐに子猫魔物との距離を詰める。
 が子供に近付かれるのを嫌ったのか攻撃を無理にでも強められ身体が吹っ飛ぶ。

「!?」
「ふぅー。こっからは優位になれるかな?」
 飛ばされる前に子供を掴み親子を引き離す事に成功。

 魔物を後ろに投げ木剣を親の方に向ける。
 これで魔物は魔法を放てないはず。

 魔物に子供と近付かれない様に自分から親の魔物へと向う。
 木剣で叩きつけるが魔物はビクともせず噛みつかれる。
「あ゛ぁぁぁぁぁ!!!」
 子供の時とは違い魔力を纏っていても全然違う。
「くっそおぁぁぁぁぁ!!」
 木剣を顔面に何度も何度も叩きつけるが魔物は一向に話さない。
「あ゛ぁぁぁっ!!!」

 魔力を左腕に集中させるすると。
 左手から突風が吹き魔物の口が開かれお互いの身体が吹っ飛ばされる。
 さらに魔物との距離を取り子供の方へ逃げる。

 それからは俺を中心に直線上になる様に動き周り子供と近付けない様に動く。
 魔物が近付いて来たら子供を掴み離れ後ろに投げる。
 自分から魔物に近付き噛まれない様動き周り、また離れる。
 それを何度も繰り返した。
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