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1章 シーム村
#22 フンババ
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「なぁ?俺は剣が無いと役にたたないぞ?」
イェンの来る条件として剣を置いてくると言うものだった。
バルとマリー、子猫のみゃあ~(仮名)は村で待機。
「絶対に何もしないでよ?」
「それは保証する例えビリビが殺されようとも俺が殺されようとも何もせず見ている」
「いや!そこは抵抗してよ!頑なに頑固!?」
「分かったビリビが殺されそうになった時は助けに入ろう」
「そこじゃなくて!俺が殺されるのは別に何もしなくても良いけどイェン君が殺されそうになったら逃げてよ」
「君は少し頑固者だな?」
アンタに言われたくない。
「バル君と意外とに真逆なんだねあの子は意外と曲げてくれるけど君は貫く感じ?最初の印象は違ったけど」
「アイツは良い奴だ」
「うん、2人ともね」
森の中へ入ると案の定魔物に襲われた。
この魔物の攻撃方法は全て棍棒しか無いのかもしれない。
2人共安全に避けイェンは少し離れた所で待機。
「話を聞いて下さい!俺たちはこの森を通りたいだけです。貴方に危害を加えるつもりはありません」
それでも攻撃は止まない。
「人間の言葉は話せますか?もし話せたら貴方の言い分を聞かせて下さい」
攻撃は止まない。
やはり人間の言葉を喋れる魔物は珍しいのだろうか?
魔物の足元へ向う。
流石の巨大な魔物は足元への攻撃は難しいらしい。
だからバルとイェンは足を攻撃したのだろう。
足を攻撃されたらまずいと思ったのだろう。
足元が傷だらけなのに距離を取ろうと暴れ出す。
「わぁぁ!あぶっ危ない!」
魔物は足の傷に耐えられず後ろに倒れ出す。
3mもの巨大だ、起き上がるのにも一苦労なのだろう。
「へっへ~んコレで大人しくしてもらおうか」
そのまま足に乗り手を着く。
それを嫌ったのか更に暴れ出す。
蹴られたビリビは10数メートル先まで飛ばされる。
「ビリビ!」
思いっきり木に叩きつけられ2本ほど木が折れる。
「大丈夫!大じょ……ぶ。…………はぁぁぁ、もう無理」
イェンに聞こえる様大きな声で答えるも聞こえたのも最初の『大丈夫』だけだろう。
残り魔力の少ない今、咄嗟に魔力纏ってしまった。
木々の衝撃に魔力操作が解けてしまう。
残りの魔力が無くなってしまった。
正確には数滴ほどは残っている。
が、その魔力量では身体を覆う程の量は無い。
魔力が空になれば貧血で倒れてるしまう。
だから今ので魔力は使い切ったと言っても良い。
貧血で無くても気が落ちてしまいダルい。
「あぁ、歩くのもダルいなぁあ!」
魔物が起き上がるよりも先に魔物に向かって飛びかかる。
魔物に起き上がられたらもっと面倒くさくなるだけと、ネガティブが良い方に働く。
勢いよく上半身に向かって行った為魔物は再び後ろに倒れ込む。
「はぁ、はぁ、」
再び足元へ向かい手を置く。
魔物の魔力を使い魔物の傷を治す。
魔物は自分の魔力を使われている為足を暴れさす。
今度はしっかり捕まり回復を続ける。
次第に傷が治り足の力が上がり威力が増し身体が吹っ飛ばされる。
足が治って来ている為驚いている魔物。
ビリビは再び飛ばされたが今度は魔力を纏えず威力も上がり倍以上の距離を飛んだ。
木々が一直線に折れていく。
「っっっぷぁぁぁあ!はぁ、……はぁ、」
頭から血、いや身体中から血を流し再び魔物の元へ。
おぼつかないその足で1歩1歩前へ。
ゆっくり、ゆっくりまた1歩。
「なんなんだ……コレ」
イェンはビリビの言われた通り何もするなを護っている訳では無かった。
ただ、言葉を失い見ている事しか出来ないで居た。
魔物もまた足が治されている事に気が付きフラフラしながら向かってくる1人の人間をじっと見つめていた。
痛い……。
何でこんな事してるんだろ?
もう辞めたい。
ゆっくり魔物の足に手を置く。
今度は足の上には乗らずもたれ掛かる様に手を置く。
再び魔物の魔力を使い回復魔法を。
魔物は抵抗を辞めた。
そもそも子供が森を抜けるなんて無理な話なんだよ。
てか、何で魔物に襲われなきゃいけないの?
だってそりゃあ土足で自分が住む森に入って来るんだもん。
こんなガキ死んだ方が良いに決まってる。
既に大分治って居た為直ぐに治療し終わった。
「終わっぶろぉろろろろぉぉぉお」
「ぶぉぉぉぉぉお!!!」
魔力が枯渇し意識を保つのもやっとで、魔物の身体に思いっきり胃の中の物を吐き出してしまった。
今まで一度も声を上げなかった魔物も嘔吐され叫ぶ。
そしてそのまま魔物の上に嘔吐物越しに倒れ込む。
「ビリビ!早く自分に魔法を!」
イェンは言われた事を破り近付いて来た。
「来ないでって言ったじゃん。汚いし、も~やだ」
「もう、終わったんだろ?」
ん。と小さく頷く。
「ならさっさと自分の傷治せ!」
「ごめん、もう無理!魔力が無い。生きる気力も……無い」
ビリビは意識を失った。
「ぶぉぉぉぉぉ!!!!!!」
再び魔物が叫び出す。
「なっ!また急に!え何?全然聞き取れないが?」
素手での戦いなんて出来ないイェンはへっぴり腰でのかまえだった。
「お待ち下さい!」
するとイェンの後ろの方から女性の声が。
「誰だ!?」
その女性もまた人間では無かった。
「安心して下さい。もう、あなた方に危害を加えるつもりは無いと仰っております」
「…………コイツが?」
「そのお方です。この森の守り神フンババ様です」
森の守り神と言う言葉に衝撃が走るイェン。
「先日森への被害があった為フンババ様は警戒なさっておりました。
その為、同じ武器を持つ皆様方を敵と認識してしまいました」
「武器、それで……」
「フンババ様は人間の言葉が分からない為この様な事が怒り誠に申し訳ございません」
「そんなの良いんでビリビを助けて下さい!」
必死で頼み込むイェンに対して優しく微笑む女性の魔物。
「ご安心下さい。精霊の私にお任せ下さい」
イェンの来る条件として剣を置いてくると言うものだった。
バルとマリー、子猫のみゃあ~(仮名)は村で待機。
「絶対に何もしないでよ?」
「それは保証する例えビリビが殺されようとも俺が殺されようとも何もせず見ている」
「いや!そこは抵抗してよ!頑なに頑固!?」
「分かったビリビが殺されそうになった時は助けに入ろう」
「そこじゃなくて!俺が殺されるのは別に何もしなくても良いけどイェン君が殺されそうになったら逃げてよ」
「君は少し頑固者だな?」
アンタに言われたくない。
「バル君と意外とに真逆なんだねあの子は意外と曲げてくれるけど君は貫く感じ?最初の印象は違ったけど」
「アイツは良い奴だ」
「うん、2人ともね」
森の中へ入ると案の定魔物に襲われた。
この魔物の攻撃方法は全て棍棒しか無いのかもしれない。
2人共安全に避けイェンは少し離れた所で待機。
「話を聞いて下さい!俺たちはこの森を通りたいだけです。貴方に危害を加えるつもりはありません」
それでも攻撃は止まない。
「人間の言葉は話せますか?もし話せたら貴方の言い分を聞かせて下さい」
攻撃は止まない。
やはり人間の言葉を喋れる魔物は珍しいのだろうか?
魔物の足元へ向う。
流石の巨大な魔物は足元への攻撃は難しいらしい。
だからバルとイェンは足を攻撃したのだろう。
足を攻撃されたらまずいと思ったのだろう。
足元が傷だらけなのに距離を取ろうと暴れ出す。
「わぁぁ!あぶっ危ない!」
魔物は足の傷に耐えられず後ろに倒れ出す。
3mもの巨大だ、起き上がるのにも一苦労なのだろう。
「へっへ~んコレで大人しくしてもらおうか」
そのまま足に乗り手を着く。
それを嫌ったのか更に暴れ出す。
蹴られたビリビは10数メートル先まで飛ばされる。
「ビリビ!」
思いっきり木に叩きつけられ2本ほど木が折れる。
「大丈夫!大じょ……ぶ。…………はぁぁぁ、もう無理」
イェンに聞こえる様大きな声で答えるも聞こえたのも最初の『大丈夫』だけだろう。
残り魔力の少ない今、咄嗟に魔力纏ってしまった。
木々の衝撃に魔力操作が解けてしまう。
残りの魔力が無くなってしまった。
正確には数滴ほどは残っている。
が、その魔力量では身体を覆う程の量は無い。
魔力が空になれば貧血で倒れてるしまう。
だから今ので魔力は使い切ったと言っても良い。
貧血で無くても気が落ちてしまいダルい。
「あぁ、歩くのもダルいなぁあ!」
魔物が起き上がるよりも先に魔物に向かって飛びかかる。
魔物に起き上がられたらもっと面倒くさくなるだけと、ネガティブが良い方に働く。
勢いよく上半身に向かって行った為魔物は再び後ろに倒れ込む。
「はぁ、はぁ、」
再び足元へ向かい手を置く。
魔物の魔力を使い魔物の傷を治す。
魔物は自分の魔力を使われている為足を暴れさす。
今度はしっかり捕まり回復を続ける。
次第に傷が治り足の力が上がり威力が増し身体が吹っ飛ばされる。
足が治って来ている為驚いている魔物。
ビリビは再び飛ばされたが今度は魔力を纏えず威力も上がり倍以上の距離を飛んだ。
木々が一直線に折れていく。
「っっっぷぁぁぁあ!はぁ、……はぁ、」
頭から血、いや身体中から血を流し再び魔物の元へ。
おぼつかないその足で1歩1歩前へ。
ゆっくり、ゆっくりまた1歩。
「なんなんだ……コレ」
イェンはビリビの言われた通り何もするなを護っている訳では無かった。
ただ、言葉を失い見ている事しか出来ないで居た。
魔物もまた足が治されている事に気が付きフラフラしながら向かってくる1人の人間をじっと見つめていた。
痛い……。
何でこんな事してるんだろ?
もう辞めたい。
ゆっくり魔物の足に手を置く。
今度は足の上には乗らずもたれ掛かる様に手を置く。
再び魔物の魔力を使い回復魔法を。
魔物は抵抗を辞めた。
そもそも子供が森を抜けるなんて無理な話なんだよ。
てか、何で魔物に襲われなきゃいけないの?
だってそりゃあ土足で自分が住む森に入って来るんだもん。
こんなガキ死んだ方が良いに決まってる。
既に大分治って居た為直ぐに治療し終わった。
「終わっぶろぉろろろろぉぉぉお」
「ぶぉぉぉぉぉお!!!」
魔力が枯渇し意識を保つのもやっとで、魔物の身体に思いっきり胃の中の物を吐き出してしまった。
今まで一度も声を上げなかった魔物も嘔吐され叫ぶ。
そしてそのまま魔物の上に嘔吐物越しに倒れ込む。
「ビリビ!早く自分に魔法を!」
イェンは言われた事を破り近付いて来た。
「来ないでって言ったじゃん。汚いし、も~やだ」
「もう、終わったんだろ?」
ん。と小さく頷く。
「ならさっさと自分の傷治せ!」
「ごめん、もう無理!魔力が無い。生きる気力も……無い」
ビリビは意識を失った。
「ぶぉぉぉぉぉ!!!!!!」
再び魔物が叫び出す。
「なっ!また急に!え何?全然聞き取れないが?」
素手での戦いなんて出来ないイェンはへっぴり腰でのかまえだった。
「お待ち下さい!」
するとイェンの後ろの方から女性の声が。
「誰だ!?」
その女性もまた人間では無かった。
「安心して下さい。もう、あなた方に危害を加えるつもりは無いと仰っております」
「…………コイツが?」
「そのお方です。この森の守り神フンババ様です」
森の守り神と言う言葉に衝撃が走るイェン。
「先日森への被害があった為フンババ様は警戒なさっておりました。
その為、同じ武器を持つ皆様方を敵と認識してしまいました」
「武器、それで……」
「フンババ様は人間の言葉が分からない為この様な事が怒り誠に申し訳ございません」
「そんなの良いんでビリビを助けて下さい!」
必死で頼み込むイェンに対して優しく微笑む女性の魔物。
「ご安心下さい。精霊の私にお任せ下さい」
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