上 下
3 / 21

閑話休題

しおりを挟む
北エリア «極雪区»

「ぐぇっ!」
「っと・・・」
雪に塗れた極雪区に、2人の少女が落下してきた。
1人はボサボサの緑髪にメガネ、左目が黄色、右目が橙色の瞳を持ち、袖の一部分しかない不思議な制服を着た少女。
もうひとりは同じくボサボサの水色の髪に、ジャンパースカート、そして白色の所々赤い刺繍の様な模様が入ったブーツを履いていた。
「雷ちゃーん、何で踏んでくれないのっ!」
「ここに"帰ってきて"そのドM精神は素直に感心すると同時に軽蔑するとして・・・本当に帰ってきたんだね」
「あぁ、その罵りもまた最高・・・・・・だね」
雷と呼ばれた水色髪の少女は辺りを見渡す。
「なるほど、大して変わっては無いみたいだね・・・」
「じゃあ早速罵ってっ・・・」
「篠目、ちょっと静かにして」
雷が冷静な口調で篠目と呼ばれた緑髪の少女を制す。
篠目もそれを感じ取ったのかシリアス方面に空気を移動させる。
「お前達!この極雪区に何の様だ!まさか侵入者か!」
「・・・そうだと言ったら?」
雷は指先に電を纏わせ、問いかける。
「なら力づくでも追い出させてもらう!」
「篠目。任せた」
「お任せされましたあぁ!」
篠目が一歩前に出ると、兵士は篠目に槍で突き刺しにかかる。
「・・・」
その瞬間、篠目は左目を閉じる。
「貴様、舐めているのか!?」
槍はもうそこまで迫ってきている。
「うん、舐めてるよ。雑魚が」
篠目は冷酷に言い切ると"槍ごと兵士の手を切り落とし"、そのまま奪い取った槍で心臓を一刺しする。
「ガッ・・・!」
そのまま兵士はアッサリと息絶えた。
「ふぅん、篠目が避けるなんて珍しいね。」
「あはは。ちょっと«見て»ね。アレは当たったら死ぬよ。流石に死にたくはないかな~。虐めてもらえないし!」 
そういいながら篠目は奪い取った槍を雷に渡す。
「『ゲイ・ボルグ』・・・!?どうして神級の武器がこんな雑魚に・・・」
雷は槍を、否。
ゲイ・ボルグを見つめて呟いた。
「まぁとにかく・・・目標達成で良かったじゃんっ?」
篠目がにひひ、と笑う。
「うん、そうだね・・・ここにいても寒いし、街に行こうか」
「りょーかいっ」
2人の少女は街に向かって歩き出した。
しおりを挟む

処理中です...